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複勝を買おうとして、オッズ画面に「1.2 − 1.8」と出ています。
あなたは真ん中を取って「まあ1.5倍か」と考え、買います。当たりました。払戻を見ると1.2倍でした。
思っていたより2割少ない。 でも当たったので、そのまま次のレースに移ります。
「複勝の幅って、結局どっちで見ればいいんだ」
下限です。 1.2倍で見るか1.8倍で見るかで、必要な3着以内率が83.33%と55.56%に割れます。
先に結論:下限と上限で27.78ポイント違います

複勝1点の必要的中率は 1 ÷ 複勝オッズ です。表示が1.2〜1.8倍なら、この式に2つの答えが出ます。
- 下限1.2倍で計算 → 83.33%
- 中央1.5倍で計算 → 66.67%
- 上限1.8倍で計算 → 55.56%
下限と上限で27.78ポイント。真ん中を取っても、下限より16.67ポイント甘い数字が出ます。
あなたが甘い数字で判定すると、成立していない買い目を成立していると読みます。だから使うのは下限です。1点あたりで判定する理由は点数と的中率の記事にまとめました。
なぜ複勝だけ幅で表示されるのか
理由は、複勝が3頭同時に当たる券種だからです。

| 中身 | |
|---|---|
| 単勝が1つの数字な理由 | 的中するのは1頭だけ。払戻の分母が決まっている |
| 複勝が幅になる理由 | 3着以内の3頭に払い戻すので、他の2頭が誰かで自分の払戻が変わる |
| 下限(安いほう) | 人気上位の2頭が一緒に来たとき |
| 上限(高いほう) | 人気薄の2頭が突っ込んできたとき |
(複勝が幅で表示される仕組みの説明です。JRAの払戻計算そのものについては公式の案内をご確認ください。)
つまり上限は「波乱が起きたとき」の数字です。あなたが人気馬の複勝を買っているなら、その馬が3着以内に来るケースの多くは荒れていない決着で、そのときは下限側になります。オッズがどう決まるかはオッズ計算の記事で扱いました。
いちばん起きにくい決着の数字を使って採算を計算するのが、上限で見るということです。
表示幅別・必要な3着以内率
よくある表示幅で並べました。

| 表示 | 幅の比 | 下限で必要 | 中央で必要 | 上限で必要 | 判定が逆転する帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.1〜1.3倍 | 1.18倍 | 90.91% | 83.33% | 76.92% | 13.99pt |
| 1.2〜1.8倍 | 1.50倍 | 83.33% | 66.67% | 55.56% | 27.78pt |
| 1.5〜2.5倍 | 1.67倍 | 66.67% | 50.00% | 40.00% | 26.67pt |
| 2.0〜4.0倍 | 2.00倍 | 50.00% | 33.33% | 25.00% | 25.00pt |
| 3.0〜7.0倍 | 2.33倍 | 33.33% | 20.00% | 14.29% | 19.05pt |
| 5.0〜15.0倍 | 3.00倍 | 20.00% | 10.00% | 6.67% | 13.33pt |
右端の「判定が逆転する帯」は、1÷下限 − 1÷上限 です。この幅の中に自分の見立てがあると、どちらの数字を使うかだけで結論がひっくり返ります。
あなたがよく買う帯であろう1.2〜1.8倍が、いちばん危険で27.78ポイント。複勝でよく買われる帯が、いちばん判定を間違えやすい帯になっています。
3着以内率80%は、下限で不成立・上限で成立します
具体的に見ます。表示1.2〜1.8倍の馬券で、回収率がどうなるかです。

| 自分が置く3着以内率 | 下限1.2倍 | 上限1.8倍 | 判定(下限) | 判定(上限) |
|---|---|---|---|---|
| 90% | 108.0% | 162.0% | 成立 | 成立 |
| 85% | 102.0% | 153.0% | 成立 | 成立 |
| 80% | 96.0% | 144.0% | 不成立 | 成立 |
| 75% | 90.0% | 135.0% | 不成立 | 成立 |
| 70% | 84.0% | 126.0% | 不成立 | 成立 |
| 60% | 72.0% | 108.0% | 不成立 | 成立 |
| 55% | 66.0% | 99.0% | 不成立 | 不成立 |
3着以内率55%から83%までの馬券が、全部「下限では不成立・上限では成立」に入ります。 あなたの見立てがこの帯にあるなら、使う数字で結論が変わります。
回収率は 3着以内率 × 複勝オッズ の掛け算1本です。この式は1番人気の勝率の記事でも使いました。
幅の比は、そのまま回収率の比です
もう1つ、覚えておくと速い関係があります。
回収率の比 = 幅の比(上限 ÷ 下限)

3着以内率を80%で固定して、同じ馬券を3通りで計算した結果です。
| どの数字で計算するか | 複勝オッズ | 回収率 | 下限との比 |
|---|---|---|---|
| 下限 | 1.2倍 | 96.0% | 1.00倍 |
| 中央 | 1.5倍 | 120.0% | 1.25倍 |
| 上限 | 1.8倍 | 144.0% | 1.50倍 |
144.0 ÷ 96.0 = 1.50倍。表示の幅の比(1.8 ÷ 1.2)とぴったり同じです。
あなたが表示を見た瞬間に、採算がどれだけブレうるかが分かります。 1.2〜1.8倍なら1.5倍のブレ。5.0〜15.0倍なら3.0倍のブレです。
複勝を買う前の3ステップ

- 下限の数字だけをメモする。 1.2〜1.8倍なら1.2だけ書きます
- 必要な3着以内率を出す。 1 ÷ 1.2 = 83.33%
- 自分の見立てと比べる。 83.33%を超えていれば成立、下回っていれば見送り
上限は判定に使いません。 使うとしたら「当たったら思ったより多いかもしれない」というおまけの部分だけです。
あなたが3で見送る買い目が増えるのが、この作業の効果です。減るのは買い目の数で、増えるのは1点あたりの精度になります。
上限で計算したくなる理由
ここが正直なところです。下限で計算すると、ほとんどの複勝が不成立になります。
表示1.2〜1.8倍で成立させるには3着以内率83.33%が要る。あなたがその自信を持てる馬は、そう多くありません。
「じゃあ複勝はほぼ買えないのか」——この気持ちは計算では消えません。実際、下限で判定すると買える複勝はかなり減ります。
ただし減るのは正しい方向です。上限で計算して買っていた買い目は、そもそも成立していませんでした。 買える数が減ったのではなく、成立していない買い目が見えるようになっただけです。
複勝が当たりやすいのに増えない理由そのものは、券種別の記事で計算しました。
「当たったのに少ない」の正体
冒頭の場面に戻ります。1.2〜1.8倍を1.5倍のつもりで買って、払戻が1.2倍だった。
これは外れたわけでも、損したわけでもありません。最初から1.2倍の馬券だったというだけです。1.5倍という数字は、あなたが表示の真ん中を取って作った数字でした。少ないサンプルで平均配当が振れる話は回収率の記事にあります。
同じことは記録にも起きます。買った時点で「1.5倍」とメモしていると、平均配当が実際より高く記録されます。 平均配当が高く出れば、必要的中率は低く出て、採算の判定が甘くなります。
記録に書くのは払戻が確定してからの実際の値です。予想オッズではありません。
販売ページの複勝実績を読むとき

あなたが市販の馬券術の複勝成績を見るときも、平均配当がどちらで計算されているかを見ます。
| 馬券術 | 販売ページの表示 | 当サイトの採点 | 複勝の読み方 |
|---|---|---|---|
| ゴールデンホースビクトリーメソッド | 複勝・単勝で実績70% | 必要46.7% / 余裕1.50倍 | 平均配当2.14倍は確定値からの逆算 |
| ザ・フロントランナー | 複勝 必要23.4%・実績21.1% | 販売者自身が回収率90%と公開 | 複勝側は届いていません |
| アイ・ウイナー1 | 単勝1点・実績60.3% | 必要32.7% / 余裕1.85倍 | 単勝なので幅の問題は出ません |
当サイトが使っている平均配当は、販売ページの回収率 ÷ 的中率から逆算した値です。確定した払戻をもとにした数字なので、表示オッズの幅の影響は受けません。
ザ・フロントランナーは販売者自身が複勝の回収率90%を公開しています。複勝側が届いていないことを自分で書いているのは、数字の出し方としては誠実な部類です。
必要的中率も余裕も、各販売ページの表示(2026年9月時点)からの逆算です。当サイトが購入して検証した数値ではありません。
よくある質問
Q. 複勝オッズはなぜ幅で表示されるのですか
3着以内の3頭に払い戻すため、他の2頭が誰かで自分の払戻が変わるからです。下限は人気上位の2頭が一緒に来たとき、上限は人気薄の2頭が突っ込んできたときの値になります。
Q. 下限と上限のどちらで計算すればいいですか
下限です。上限は波乱が起きたときの数字で、いちばん起きにくい決着の値になります。
Q. 真ん中を取るのは駄目ですか
甘くなります。表示1.2〜1.8倍なら、下限で必要な3着以内率83.33%に対して、中央では66.67%。16.67ポイント甘い判定になります。
Q. どれくらい差が出ますか
表示1.2〜1.8倍で、必要な3着以内率が83.33%と55.56%。27.78ポイントの差です。この幅に自分の見立てがあると、どちらを使うかで結論が逆転します。
Q. 回収率はどれくらいブレますか
回収率の比 = 幅の比 です。1.2〜1.8倍なら1.50倍、5.0〜15.0倍なら3.00倍のブレになります。
Q. 下限で計算すると買えなくなりませんか
減ります。ただし上限で計算して買っていた買い目は、もともと成立していませんでした。見えるようになっただけです。
Q. 記録には何を書けばいいですか
確定した払戻の実際の値です。買った時点の予想オッズを書くと、平均配当が高く記録されて採算の判定が甘くなります。
まとめ
- 複勝が幅で出るのは、3着以内の他の2頭で払戻が変わるから。 下限=人気上位2頭、上限=人気薄2頭
- 必要な3着以内率 = 1 ÷ 複勝オッズ。 表示1.2〜1.8倍なら 83.33%(下限)と55.56%(上限)
- 下限と上限で27.78ポイント。真ん中を取っても16.67ポイント甘くなります
- 3着以内率55%〜83%の帯が「下限では不成立・上限では成立」に入ります
- 回収率の比 = 幅の比。 1.2〜1.8倍なら1.50倍、5.0〜15.0倍なら3.00倍のブレ
- 判定に使うのは下限だけ。上限は「当たったら多いかも」のおまけです
次に複勝を買うとき、表示の左側の数字だけをメモしてください。 1で割れば、その馬券の合格ラインが出ます。
その合格ラインを越えられる設計はどれか。18種を同じ式で並べた採点表を置いています。
この記事の計算方法
- 必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ(複勝1点なら 1 ÷ 複勝オッズ。控除率は入れません)
- 複勝の回収率 = 3着以内率 × 複勝オッズ
- 判定が逆転する帯 = (1 ÷ 下限) − (1 ÷ 上限)(表示1.2〜1.8倍なら 83.33% − 55.56% = 27.78pt)
- 回収率の比 = 幅の比(上限 ÷ 下限)。3着以内率を固定すると、回収率は幅の比のぶんだけ動きます
- 複勝が幅で表示されるのは、3着以内の他の2頭によって払戻が変わるためです。
下限は人気上位2頭が一緒に来たとき、上限は人気薄2頭が来たときにあたります。
払戻金の算出方法そのものはJRAの案内をご確認ください(当サイトが計算規則を検証したものではありません) - 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%)
- 本文の「表示1.2〜1.8倍」「3着以内率80%」などは、読み方を示すための例示です。 実在のレースのオッズではありません
- 表示オッズは端数処理が入るため、計算値ときっかり一致しないことがあります
- 馬券術の的中率・回収率は各販売ページの表示(2026年9月時点)です。当サイトが購入して検証した数値ではありません
- 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません