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「先月は3回当たったんだよ。その前の月は1回だけだったのに」
そう言いながら、あなたは残高を見て黙ります。当たる回数は3倍になったのに、口座は増えていない。むしろ減っている。
この1か月でやったことは、買い目を10点から40点に増やしたことだけです。
的中率は5%から12%へ、2.4倍になりました。それでも回収率は150%から90%に落ちています。
先に結論:判定に使う数字は、的中率を点数で割ったものです

当サイトの式は 必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ です。これを両辺とも点数で割り直すと、判定の形が変わります。
成立条件: 的中率 ÷ 買い目点数 ≧ 1 ÷ 平均配当オッズ
左辺を1点あたりの的中率と呼ぶことにします。この1つの数字だけで、点数がいくつでも、券種が何でも判定できます。
あなたが20点買って的中率8%なら、1点あたり0.400%。狙う平均配当が300倍なら、合格ラインは1÷300=0.333%。0.400は0.333を超えているので、この買い方は成立しています。
「当たる回数が増えた」は、何も証明していません
冒頭の1か月を、この指標で並べ直します。狙う平均配当は300倍とします。

| 点数 | 的中率 | 1点あたりの的中率 | 判定 | 回収率 |
|---|---|---|---|---|
| 10点 | 5.0% | 0.500% | 成立 | 150.0% |
| 20点 | 8.0% | 0.400% | 成立 | 120.0% |
| 30点 | 10.0% | 0.333% | ぎりぎり | 100.0% |
| 40点 | 12.0% | 0.300% | 不成立 | 90.0% |
| 60点 | 15.0% | 0.250% | 不成立 | 75.0% |
左から2列目だけを見ていると、5.0→8.0→10.0→12.0→15.0と、一度も下がりません。 当たる回数は増え続けています。
3列目は逆で、0.500→0.400→0.333→0.300→0.250と、一度も上がりません。30点のどこかで、成立から不成立へ静かに入れ替わっています。

的中率が上がることと、買い方が良くなることは、別の出来事です。当たる回数は、増やそうと思えばいつでも増やせます。極端な話、全通り買えば的中率100%になります。回収率は払戻率まで落ちますが。
足す1点の合格ラインは、点数にも券種にも依存しません
ここが今回いちばん実用的なところです。
点数をN点からN+1点に増やすとき、必要的中率は「1 ÷ 平均配当」だけ増えます。だから追加する1点が単独でその割合以上当たらないと、追加した瞬間に採算は悪くなります。
足す1点の合格ライン = 1 ÷ 狙う平均配当オッズ
この式に点数は入っていません。10点目を足すときも、40点目を足すときも、合格ラインは同じです。

| 狙う平均配当 | 足す1点の合格ライン | 言い換えると |
|---|---|---|
| 30倍 | 3.333% | 30回に1回 |
| 50倍 | 2.000% | 50回に1回 |
| 100倍 | 1.000% | 100回に1回 |
| 300倍 | 0.333% | 300回に1回 |
| 612倍(3連複の理論平均) | 0.163% | 612回に1回 |
| 1,000倍 | 0.100% | 1,000回に1回 |
| 3,549.6倍(3連単の理論平均) | 0.028% | 3,550回に1回 |
合格ラインは、狙う配当の逆数です。 300倍を狙うなら「300回に1回は単独で来る1点か?」と自問すればいい。それだけで足すかどうかが決まります。
でたらめに足した1点は、合格ラインの75%にしか届きません
では、何も考えずに1点足すとどうなるか。計算できます。
18頭立ての3連複なら、でたらめな1点が当たる確率は1÷816=0.1225%。合格ラインは0.163%(理論平均配当612倍のとき)。

| 券種 | でたらめな1点の的中率 | 合格ライン | 比 | 必要な強さ |
|---|---|---|---|---|
| 単勝 | 5.5556% | 6.9444% | 0.800 | 1.25倍 |
| 馬連 | 0.6536% | 0.8432% | 0.775 | 1.29倍 |
| 3連複 | 0.1225% | 0.1634% | 0.750 | 1.33倍 |
| 3連単 | 0.0204% | 0.0282% | 0.725 | 1.38倍 |
「比」の列は、券種の払戻率とぴったり一致します(単勝80.0%、馬連77.5%、3連複75.0%、3連単72.5%)。
つまり足す1点は「そこそこの1点」では足りません。 平均的な1点より、3連複なら1.33倍、3連単なら1.38倍だけ強い1点でなければ、足した瞬間に採算が悪化します。
「保険で1頭足す」ときに足しているのは、たいてい平均以下の馬です。保険という言葉が指しているものは、合格ラインを下回る1点のことです。
自分の1点あたり的中率を出す手順

必要なのは3か月ぶんの記録で、項目は3つだけです。
- 買ったレース数を数える(例:36レース)
- 当たったレース数を数える(例:4レース → 的中率11.1%)
- 平均の買い目点数で割る(例:平均25点 → 1点あたり0.444%)
出てきた0.444%を、あなたが狙っている配当帯の合格ラインと比べます。300倍帯なら0.333%なので、この例は合格しています。
比べる相手を間違えないでください。他人の的中率と比べても何も出ません。 点数が違えば的中率は簡単に動くからです。比べる相手は、いつでも「1 ÷ 自分が狙う平均配当」だけです。
「当たらないと続けられない」という現実について
「計算では分かる。でも、当たらない週が続くと心が折れる」。そう感じたなら、それは正しい反応です。
これは無視していい話ではありません。続けられない買い方は、成立していても成立していないのと同じです。半年で撤退するなら、その半年の期待値には意味がありません。
だから、的中率を上げること自体が悪いわけではありません。悪いのは、あなたが的中率を上げた代償を数えていないことです。
10点から40点に増やして的中率が2.4倍になったなら、それは「4倍の点数で2.4倍の的中」という取引をしたということです。1点あたりでは0.6倍に落ちています。 この取引を、続けるために必要なコストとして意識的に受け入れるなら、それは判断です。気づかずにやっているなら、事故です。
意識的にやるなら、やり方があります。点数を増やすのではなく、狙う配当帯を下げる。 300倍帯から100倍帯に移せば合格ラインは0.333%から1.000%へ上がりますが、当たる頻度そのものが上がります。同じ「当たりたい」を、採算を壊さずに満たせます。
3か月後の収支表に何が残るか
3か月後、あなたの手元には36行の記録があります。
各行には、レース名と、その日の点数と、当たったかどうか。それだけです。集計すると、あなたの1点あたりの的中率が1つの数字で出ます。
あなたが出したその数字は、誰の的中率とも比べる必要がありません。 1 ÷ 狙う平均配当と比べるだけで、続けるべきか、点数を削るべきか、配当帯を変えるべきかが決まります。
それが分かると、翌週のマークシートで迷う時間が消えます。6頭目を足すかどうかは、「この1頭は単独で300回に1回来るか」の1問に縮みます。答えがノーなら、あなたはその1頭を足しません。
記録を取らなかった場合に残るのは、「先月は3回当たった」という記憶と、理由の分からない残高です。3回当たったことは、来月の判断材料になりません。
点数クラスタの結論を1枚に

このサイトで点数について書いてきた5本の結論を並べます。
| 記事 | 結論 |
|---|---|
| 馬券の点数 | 点数を増やしても回収率は動かない。動くのは足した1点の質だけ |
| 3連単の点数 | 3連単ボックスは3連複ボックスと同じレースで当たる。着順を絞らないなら選ぶ理由がない |
| 3連複の点数 | 6頭ボックス20点のうち10点は、本命を含まない目 |
| フォーメーション | 1頭足すコストは列で6倍違う。1着列がいちばん高い |
| ボックス | 「5頭ボックス」は5点にも60点にもなる。点数は券種が決める |
| この記事 | 判定は的中率でなく「的中率 ÷ 点数」。足す1点の合格ラインは 1 ÷ 狙う平均配当 |
5本とも、同じ1つの割り算から出ています。必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ。見る角度を変えているだけです。
1点あたりの的中率が最大になる買い方
1点あたりの的中率は、点数が少ないほど有利になりやすい指標です。分母が小さいからではなく、点数を絞る人は合格ラインを超える1点だけを残しているからです。
| 馬券術 | 買い目 | 必要的中率 | 販売ページ表示の的中率 |
|---|---|---|---|
| 3連馬券1点主義 | 3連単1点 | 1.08% | 3.4% |
| スーパープレデター馬券術 | 勝負レースを絞る | 33.6% | 検証11,378レース |
上は点数を1点まで削るタイプ、下はレースのほうを削るタイプです。削る場所は違いますが、やっているのは同じ「1点あたりの密度を上げる」という操作になります。
※的中率はいずれも販売ページの表示で、当サイトが購入して検証した数値ではありません。
よくある質問
Q. 1点あたりの的中率は何%あればいいですか
狙う平均配当の逆数を超えていれば成立します。300倍帯なら0.333%、100倍帯なら1.000%です。絶対的な合格点はありません。
Q. 的中率を上げること自体が悪いのですか
悪くありません。悪いのは、上げるために払った点数を数えていないことです。点数を4倍にして的中率が2.4倍なら、1点あたりでは0.6倍に落ちています。
Q. 平均配当が分かりません
過去に当てた馬券の配当を並べて平均を取ってください。記録がなければ、狙っている配当帯(3連複なら100倍前後、300倍前後など)を仮置きして計算します。
Q. 全通り買えば的中率100%ですよね
そのとおりです。そして回収率は払戻率(3連複なら75.0%)まで落ちます。的中率が買い方の良し悪しを表さない、いちばん分かりやすい例です。
Q. 他人の的中率と比べる意味はありますか
点数が分からなければ比べられません。的中率30%でも、100点買っているなら1点あたり0.30%です。
Q. 何レース記録すれば判断できますか
当サイトでは3か月(30〜40レース程度)を目安にしています。少ない回数だと、たまたま当たった1回で数字が大きく動きます。
Q. 点数を減らしたら当たらなくなりました
当たる回数は減ります。判定は1点あたりで行ってください。10点で的中率5%(1点あたり0.500%)は、40点で12%(0.300%)より良い状態です。
まとめ
- 判定に使う数字は的中率ではなく、的中率 ÷ 買い目点数(1点あたりの的中率)
- 成立条件は「1点あたりの的中率 ≧ 1 ÷ 狙う平均配当」。 点数にも券種にも依存しません
- 的中率5.0→8.0→10.0→12.0%と上がり続けても、1点あたりは0.500→0.300%へ下がり続けます
- 足す1点の合格ラインは 1 ÷ 狙う平均配当。 300倍を狙うなら「300回に1回単独で来る1点か」だけを見ます
- でたらめに足した1点は合格ラインの75%(3連複)にしか届かない。平均より1.33倍強い1点が要ります
3か月ぶんの記録を、当たった回数ではなく平均点数で割ってみるとわかります。当たる回数が増えた月に何が起きていたかが、1つの数字で出ます。
そこで出た数字を持って、どの馬券術なら線を越えられるのかを見てください。市販の18種を、この記事と同じ割り算で採点した表があります。
この記事の計算方法
- 必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ
- 1点あたりの的中率 = 的中率 ÷ 買い目点数(上の式を両辺とも点数で割ったもの)
- 成立条件 = 1点あたりの的中率 ≧ 1 ÷ 平均配当オッズ
- 足す1点の合格ライン = 1 ÷ 狙う平均配当オッズ(点数・券種に依存しません)
- 回収率 = 的中率 × 平均配当オッズ ÷ 買い目点数
- でたらめな1点の的中率 = 1 ÷ 18頭立ての組み合わせ数(単勝18/馬連153/3連複816/3連単4,896)
- 理論上の平均配当 = 組み合わせ数 × 払戻率(単勝14.4倍/馬連118.6倍/3連複612.0倍/3連単3,549.6倍)
- 「必要な強さ」= 合格ライン ÷ でたらめな1点の的中率 = 1 ÷ 払戻率
- 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%、WIN5 70.0%)
- 控除率はオッズに含まれているため、必要的中率の式から重ねて引いていません(日本の競馬はパリミュチュエル方式)
- 本文の的中率5.0〜15.0%は、指標の読み方を示すための例示の数値で、実測値ではありません
- 「必要的中率」は1レースに1点しか的中しない券種の言い方です。複勝・ワイドは同時に複数本当たるため本数で測ります
- 馬券術の的中率・検証レース数は各販売ページの表示(2026年9月時点)です。当サイトが購入して検証した数値ではありません
- 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません