MENU

1着と2着が入れ替わっても、馬連は1円も動きません|降着で動くのは9券種のうち4つです

※本記事はアフィリエイト広告を含みます。

審議ランプが点きました。

握っているのは馬連1点、100円。1着と2着は、あなたが選んだ2頭でした。財布にしまいかけた手が、途中で宙に浮きます。

3分前まで、今日いちばん気分の良い瞬間だったはずです。それが、赤いランプひとつで宙づりになりました。

払戻掲示のほうへ歩き出すこともできず、その場でパトロールビデオを見上げています。「どっちが先に入ったか、まだ分からない」と思いながら。

その心配は、券種の時点で答えが出ています。

1着と2着が入れ替わる降着なら、馬連の払戻は1円も動きません。 動かないのは馬連だけではなく、9券種のうち5つです。

この記事で出すのは、どの降着でどの券種が動くかという表ひとつです。

目次

先に結論:降着は「入れ替え」ではありません

JRAの表示から引きます。

裁決委員が、加害馬の違反行為により被害馬が走行を妨害されたと認める事象で、かつその妨害行為がなければ被害馬が加害馬より先に入線していたと判断した場合に、加害馬は被害馬の後ろの着順に降着となります。

1頭が下がって、間が繰り上がる
1頭が下がって、間が繰り上がる

加害馬が被害馬の後ろへ移ります。 そして、その間にいた馬が1つずつ繰り上がります。

2頭を交換するのではありません。1頭を引き抜いて、別の位置に差し込む動きです。この違いは、下がる幅が2着ぶん以上のときに効いてきます。

判断の範囲も限定されています。

裁決委員は、加害馬と被害馬の関係だけで降着とするかどうかを判断しますので、他の馬との関係は判断のポイントにはなりません。

どの降着で、どの券種が動くか

9券種が着順をどう使うかを突き合わせると、表になります。全頭が別枠の前提です。

7パターンを1枚に
7パターンを1枚に
降着 動く券種 動く数
1着 → 2着 単勝・馬単・3連単・WIN5 4
1着 → 3着 単勝・枠連・馬連・馬単・3連単・WIN5 6
1着 → 4着以下 9券種すべて 9
2着 → 3着 枠連・馬連・馬単・3連単 4
2着 → 4着以下 複勝・枠連・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単 7
3着 → 4着以下 複勝・ワイド・3連複・3連単 4
4着 → 5着以下 なし 0

あなたの馬連は、7パターンのうち4つで動きます。 残る3パターンでは、掲示板の数字が変わっても払戻は1円も変わりません。

そして1着と2着の入れ替えは、その「動かない」側に入っています。

1つ後ろへの降着なら、必ず4券種です

表の上から3つ、1着→2着 / 2着→3着 / 3着→4着を見てください。

4と5でそろう
4と5でそろう
降着 動く 動かない
1着 → 2着 4券種 5券種
2着 → 3着 4券種 5券種
3着 → 4着 4券種 5券種

どれも4と5でそろいます。 加害馬がすぐ後ろの馬の後ろへ下がる形なら、動くのは常に9券種のうち4つです。

中身は毎回違います。1着と2着なら単勝・馬単・3連単・WIN5、2着と3着なら枠連・馬連・馬単・3連単、3着と4着なら複勝・ワイド・3連複・3連単。数だけが同じになります。

動かない5券種には、共通点があります

1着→2着で動かないのは、複勝・枠連・馬連・ワイド・3連複の5つです。

集合か、順序か
集合か、順序か

この5つは、着順の「顔ぶれ」だけで当たりが決まります。 誰が1着で誰が2着かは関係ありません。

反対に動く4つは、1着を名指しするか、順序を使う券種です。単勝とWIN5は1着を名指しし、馬単と3連単は順序を使います。

1着と2着が入れ替わっても、顔ぶれは1頭も変わっていません。 だから集合で当たる側は1円も動きません。

当サイトが馬券の種類の記事で9券種を並べたときの区分けが、そのままここに効いています。

なお枠連は枠を単位にするので、入れ替わる2頭が同じ枠にいる場合は、2着→3着の降着でも動きません。表は全頭が別枠の前提で作っています。

4着より下だけの降着は、9券種すべてで0です

表のいちばん下を見てください。4着 → 5着以下の降着は、動く券種が0です。

9券種が使う着順は、いちばん深くて3着までだからです。単勝とWIN5は1着、枠連・馬連・馬単は2着まで、複勝・ワイド・3連複・3連単が3着まで。4着を見る券種はひとつもありません。

複勝が3着まで当たりになるのは8頭以上で発売が始まった場合だと別の記事で扱いました。5〜7頭なら2着まで。その場合は使う深さがさらに浅くなります。

4着以下だけが動く降着は、掲示板の上では大きな出来事に見えます。 着順表示が書き換わり、場内がざわつく。それでも払戻掲示の数字は1つも変わりません。

見ている場所が違うだけです。着順掲示板は9頭ぶんでも十数頭ぶんでも表示しますが、馬券が読むのは上から3行だけになります。

審議ランプと馬券の範囲は、2着ぶんずれています

ランプの点灯条件もJRAが書いています。

「5位までに入線した馬について、着順変更の可能性がある場合」に審議ランプを点灯します。

5位まで見て、3着まで使う
5位まで見て、3着まで使う
範囲
審議ランプが見る着順 5位まで
9券種が使う着順 3着まで
差 2着ぶん

ここから2つ言えます。

ひとつ目。 馬券に関係する着順は1〜3着なので、すべて5位以内に入ります。馬券が動く変更なら、ランプは点灯します。

ふたつ目。 逆は成り立ちません。4着と5着の間だけが動く場合、ランプは点いても9券種すべてで1円も動きません。

あなたが見上げているランプは、馬券より2着ぶん広い範囲を見ています。点いたことと、あなたの券が動くことは同じではありません。

JRAは例外も書いています。

6位以下に入線した馬の着順に変更の可能性がある場合や、加害馬が5位以内に入線した場合でも、着順変更の可能性がないと判断した場合には審議ランプは点灯しません

5年以内に失格になっても、払戻は動きません

確定した後の話もあります。

競走の翌日から5年以内に(1)禁止薬物等使用(2)馬の全能力の不発揮(3)不正協定実行を認めた場合は事後失格となります。

5年の外側にある
5年の外側にある

同じ段落は、こう続いています。

なお、裁定により競走成績上の着順の変更があっても、払戻に関する勝馬の変更はありません。

5年という期間があるのに、払戻はその外側にあります。

馬券のルールのページにも同じことが書かれています。

払戻は、競走終了後に裁決委員が確定した着順に基づいて行います。その後に、競走成績上の着順の変更があった場合でも、払戻の変更はいたしません

発売開始後の取替えを一切行わないことは別の記事で扱いました。入口で固定し、出口でも固定するという作りが、ここでも通っています。

あなたが受け取った払戻は、5年後に成績が書き換わっても、そのままです。

あなたの券種は、7つのうちいくつで動くか

馬連1点100円を年200レース。投資は20,000円です。

券種で先に決まっている
券種で先に決まっている
券種 7パターンのうち動く数
3連単 6
馬単 5
枠連・馬連 4
単勝・複勝・ワイド・3連複・WIN5 3

3連単だけが6パターンで動きます。 1〜3着のどこが動いても影響を受ける唯一の券種です。

あなたの馬連は4。3連単の3分の2です。

1年に直します。年200レース、1点100円で投資は20,000円。降着が起きたレースが何本あっても、この20,000円は1円も変わりません。 変わるのは払戻の側だけです。

そして払戻の側も、あなたが買った1点が的中していたかどうかで別れます。 外れていたレースで降着が起きても、ほとんどの場合は外れのままです。気になるのは、当たっていた日と、あと一歩だった日に限られます。

30年続けてきたなら、審議ランプを見上げた回数は相当なものになっているはずです。そのうち何回が「関係なかった回」だったかは、これまで数えようがありませんでした。 表があれば、次からは数えられます。

ここで押さえておいてほしいのは、動く方向は決まっていないということです。当たりが消えることもあれば、外れだった券が当たりになることもあります。どちらに転ぶかは、降着が起きるまで分かりません。

そして何回起きるかは、当サイトでは集計していません。 JRAも発生件数を表示していないので、「年に何回」という数字はこの記事では出せません。出せるのは、起きたときにどの券種が動くかだけです。

なぜ「自分の馬券も危ない」と感じるのか

ランプが点いた時点では、どの馬がどこへ動くかが分からないからです。

待つ内容が変わる
待つ内容が変わる

表の7パターンのうち、あなたに関係するのは4つ。関係しない3つが混ざっているのに、区別する材料がまだ手元にないまま待つことになります。

情報の出方にも理由があります。パトロールビデオは走行の様子を映しますが、「何着から何着へ動くか」は最後まで出てきません。 分かるのは確定ランプが点いたときです。

もうひとつ、馬券が動く場面のほうが記憶に残るという事情があります。動かなかった審議は「何事もなかった」として流れていき、動いた審議だけが、あの日の話として残ります。

結果として、審議ランプ=自分の馬券も危ないという結びつきが強化されていきます。実際には、あなたの券種で先に半分近くが決まっています。

言葉の作りも効いています。「審議」も「降着」も、着順が動くことだけを指す言葉です。券種ごとに効き方が違うという情報は、言葉のどこにも入っていません。 場内放送もホームページも着順の話をするので、馬券の側に翻訳する作業は、買った人が自分でやることになります。

その翻訳を一度やっておけば、次からはランプを見上げた瞬間に半分が片付きます。 券種は買う前に決まっているので、レースが終わってから調べる必要がありません。

この話は、必要的中率の式には入りません

当サイトが全記事で使っている式は必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当、これ1本です。

18頭立ての馬連は153通り、払戻率77.5%なので理論平均配当は118.575倍。1点買いの必要的中率は0.843%、でたらめに買ったときの的中率は0.654%、比は1.290になります(馬券の点数の記事)。

引いた範囲と引いていない範囲
引いた範囲と引いていない範囲
よくある読み方 当サイトの扱い
「審議になったら損」 動く方向は決まっていない
「降着は年に◯回」 JRAも当サイトも件数を出していない
「枠連は必ず2着で動く」 同じ枠なら動かない
「裁決の判断が正しいか」 論じない。引用と計算だけ

この式のどこにも、降着は入っていません。 入っているのは点数と平均配当だけです。

長い目で見れば、降着で消えた当たりと、降着で生まれた当たりの両方が的中率の中に含まれています。1回ごとには大きく感じても、式の側では別枠を用意する必要がありません。

変わるのはそのレースの結果であって、あなたが何点買うかの判断ではありません。

商材の検証にも、この日は混ざっています

販売ページの実績を読むときは、その手法が着順をどう使うかで分けると早いはずです。顔ぶれで当たる券種を使うか、順序まで当てにいくかの2つです。

前者に近いのが、複勝と単勝を扱うゴールデンホース(54,800円)。必要的中率46.7%に対し実績70%という販売者側の表示で、余裕は1.50倍です(2026年9月時点)。単勝は1着を名指しする側なので、1着が動く降着の影響は受けます。

単勝を軸にするコンピの極意(1,800円)は、単勝24.6%・回収率111%の表示(2026年9月時点)。余裕1.11倍で、当サイトが採点した中では最も薄い側です。

どちらの検証にも、降着があった日が含まれているはずです。それを取り除いた数字は、販売ページにも当サイトにもありません。 取り除く必要もない、というのが前の節の結論になります。

採点した19種を1枚に並べた表はこちらにあります。

審議ランプが点いたときの3ステップ

表を1回見るだけ
表を1回見るだけ

3番目を省かないでください。 動くと分かっても、方向までは決まっていません。 確定を待つ以外にできることはなく、それは最初から同じです。

それでも、待っている中身は変わります。 これまでは「自分の馬券がどうなるか分からない時間」でしたが、これからは「動くと分かっている券種の、どちらに転ぶかを待つ時間」か「関係ないと分かっている時間」のどちらかになります。

馬券を捨てないことだけは、どちらの場合も同じです。JRAも「勝馬投票券は確定までお捨てにならないようご注意ください」と書いています。


この記事の計算方法

  • 降着・失格の定義はJRAの表示です(『降着・失格のルール解説』『レースの確定:競馬のルール』『馬券のルール』、いずれも2026年9月16日取得)。降着は「その妨害行為がなければ被害馬が加害馬より先に入線していたと判断した場合に、加害馬は被害馬の後ろの着順に降着」、失格は「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合です。
  • 降着は入れ替えではありません。 加害馬が被害馬の後ろへ移り、その間にいた馬が1つずつ繰り上がります。「裁決委員は、加害馬と被害馬の関係だけで降着とするかどうかを判断しますので、他の馬との関係は判断のポイントにはなりません」(JRA表示)。
  • 券種ごとの影響は当サイトの計算です。9券種の当たりを、単勝=1着 / 複勝=1〜3着の顔ぶれ / 枠連=1着枠と2着枠の顔ぶれ / 馬連=1着と2着の顔ぶれ / ワイド=1-2・1-3・2-3の3組 / 馬単=1着と2着の順序 / 3連複=1〜3着の顔ぶれ / 3連単=1〜3着の順序 / WIN5=1着、と置いて突き合わせました。全頭が別枠の前提です。
  • 結果:1着→2着で4券種(単勝・馬単・3連単・WIN5)、1着→3着で6券種、1着→4着以下で9券種すべて、2着→3着で4券種(枠連・馬連・馬単・3連単)、2着→4着以下で7券種、3着→4着以下で4券種(複勝・ワイド・3連複・3連単)、4着→5着以下で0券種。
  • 1つ後ろへの降着(1着→2着 / 2着→3着 / 3着→4着)は、どれも動くのが4券種・動かないのが5券種でそろいます。中身は毎回違い、数だけが同じです。
  • 1着→2着で動かない5券種(複勝・枠連・馬連・ワイド・3連複)は、着順の顔ぶれだけで当たりが決まる券種です。1着と2着が入れ替わっても顔ぶれは1頭も変わらないので、払戻は動きません。
  • 7パターンのうち動く数は、3連単6 / 馬単5 / 枠連・馬連4 / 単勝・複勝・ワイド・3連複・WIN53。1〜3着のどこが動いても影響を受けるのは3連単だけです。
  • 枠連は枠を単位にするので、入れ替わる2頭が同じ枠なら動きません。上の表は全頭が別枠の前提です。
  • 審議ランプは「5位までに入線した馬について、着順変更の可能性がある場合」に点灯します(JRA表示)。9券種が使う着順は最も深くて3着までなので、差は2着ぶんです。馬券が動く変更なら1〜3着が動くのでランプは点灯しますが、4着と5着の間だけが動く場合はランプが点いても9券種すべてで1円も動きません。
  • 事後失格は「競走の翌日から5年以内に(1)禁止薬物等使用(2)馬の全能力の不発揮(3)不正協定実行を認めた場合」(JRA表示)。そのうえで「裁定により競走成績上の着順の変更があっても、払戻に関する勝馬の変更はありません」とされています。
  • 必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当。18頭立ての馬連は153通り・払戻率77.5%なので理論平均配当118.575倍、1点買いの必要的中率0.843%、でたらめの的中率0.654%、比1.290(=1 ÷ 払戻率)。この式に降着は入っていません。
  • 降着・失格の発生件数は、JRAの表示からは取得できませんでした。 当サイトでも集計していないので、頻度に関する数字はこの記事には出していません。
  • 動く方向は決まっていません。 当たりが消えることも、外れが当たりになることもあります。当サイトは「審議になったら損」とも「得」とも書きません。
  • 裁決委員の判断の当否は論じていません。 引用と、そこから出る突き合わせだけを載せています。実在のレース・騎手・馬も挙げていません。
  • 販売ページの数値は販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトの計算と書き分けています。当サイトはこれらの商材を購入していません。

まとめ

  • 降着は入れ替えではなく、加害馬が被害馬の後ろへ移り、間の馬が1つずつ繰り上がります
  • 1着と2着が入れ替わる降着で動くのは4券種(単勝・馬単・3連単・WIN5)。馬連を含む5券種は1円も動きません
  • 1つ後ろへの降着は、どの着順でも動く4・動かない5でそろいます
  • 動かない側は着順の顔ぶれだけで当たりが決まる券種。動く側は1着を名指しするか順序を使う券種です
  • 4着 → 5着以下の降着は、9券種すべてで0。馬券が使う着順は最も深くて3着までだからです
  • 審議ランプは5位まで、馬券は3着まで。2着ぶんずれています
  • 7パターン中、3連単は6・馬単5・枠連馬連4・残り5券種は3。1〜3着のどこが動いても効くのは3連単だけです
  • 5年以内に事後失格になっても、払戻に関する勝馬の変更はありません(JRA表示)
  • 動く方向は決まっていません。 当たりが消えることも、生まれることもあります

次に審議ランプが点いたら、自分の券種を思い出してください。 馬連なら7パターンのうち4つ、複勝なら3つ。待つ時間の意味が変わります。

→ 馬券術19種を券種と必要的中率で並べた表はこちら


公営競技はのめり込みすぎると生活に支障が出ることがあります。使う金額と回数はあらかじめ決めてください。ご自身やご家族のことで気になることがあれば、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(https://scga.jp/)にご相談ください。

オッズと確率

馬券術を採点表で見る

当たっているのに増えないのは、点数で割っていないからです|馬券術18種を必要的中率で採点【2026年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次