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期待値の式は、あなたも知っています。
期待値 = オッズ × 勝率
オッズは画面に出ています。問題は勝率のほうで、あなたはそこに何を入れればいいのか分からないまま、なんとなくの数字を置いています。
15%くらいかな、と入れて、期待値150%と出る。その150%を、あなた自身が信用できていない。
その勝率、オッズから作れます。ただし作った瞬間に、期待値は80.0%に固定されます。
先に結論:オッズから出した勝率では、全馬が80.0%です

単勝オッズを勝率に直す式は、これです。
市場の勝率 = (1 ÷ 単勝オッズ) × 払戻率
オッズ10倍なら、1 ÷ 10 = 10.00%。これに払戻率80.0%を掛けて、市場の勝率は8.00%。
この8.00%を期待値の式に戻すと、10 × 0.08 = 0.80。80.0%です。

| 単勝オッズ | 1 ÷ オッズ | 市場の勝率 | その勝率での期待値 |
|---|---|---|---|
| 1.5倍 | 66.67% | 53.33% | 80.0% |
| 3倍 | 33.33% | 26.67% | 80.0% |
| 5倍 | 20.00% | 16.00% | 80.0% |
| 10倍 | 10.00% | 8.00% | 80.0% |
| 20倍 | 5.00% | 4.00% | 80.0% |
| 50倍 | 2.00% | 1.60% | 80.0% |
| 100倍 | 1.00% | 0.80% | 80.0% |
右端が全部80.0%で揃っています。 人気馬でも大穴でも、オッズから作った勝率で計算するかぎり、期待値は払戻率ちょうどになります。
つまりオッズだけでは、期待値は作れません。
なぜ払戻率を掛けるのか
「1 ÷ オッズ」をそのまま勝率にしたくなりますが、それだと合計が合いません。
18頭立てのレースで全馬の「1 ÷ オッズ」を足すと、1 ÷ 払戻率になります。単勝なら1 ÷ 0.80 = 1.25。確率の合計が125%です。
25%ぶんはみ出している正体が、控除率です。JRAが売上から差し引くぶんが、オッズを実際の確率より低く(=1÷オッズを高く)見せています。
だから確率に戻すには、払戻率を掛けて100%に圧縮します。
1 ÷ オッズ の合計 = 1 ÷ 払戻率 = 1.25(単勝)
市場の勝率 = (1 ÷ オッズ) × 払戻率 → 合計100%
券種ごとに払戻率が違うので、掛ける数も変わります(3連複なら0.75、3連単なら0.725)。
期待値150%とは、「市場より1.875倍」という主張です
ここから先が、実際に手を動かす部分です。
期待値の式に市場の勝率を入れると80.0%になる。ということは、80.0%を超える期待値は、あなたが市場と違う勝率を置いたときにしか生まれません。
どれだけ違えばいいかは、割り算1本で出ます。
必要な倍率 = 目標の期待値 ÷ 払戻率

| 券種 | 払戻率 | 期待値110% | 120% | 150% | 200% | 300% |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単勝・複勝 | 80.0% | 1.375倍 | 1.500倍 | 1.875倍 | 2.500倍 | 3.750倍 |
| 枠連・馬連・ワイド | 77.5% | 1.419倍 | 1.548倍 | 1.935倍 | 2.581倍 | 3.871倍 |
| 馬単・3連複 | 75.0% | 1.467倍 | 1.600倍 | 2.000倍 | 2.667倍 | 4.000倍 |
| 3連単 | 72.5% | 1.517倍 | 1.655倍 | 2.069倍 | 2.759倍 | 4.138倍 |
単勝で期待値150%と言うのは、「この馬は市場が見ているより1.875倍勝つ」と主張しているのと同じです。
3連複なら2.000倍。3連単なら2.069倍。控除率が高い券種ほど、同じ期待値を出すのに大きなズレが要ります。
オッズ10倍の馬で、具体的に置いてみます

| 目標の期待値 | 置く勝率 | 市場勝率8.00%の何倍か |
|---|---|---|
| 100% | 10.00% | 1.250倍 |
| 110% | 11.00% | 1.375倍 |
| 120% | 12.00% | 1.500倍 |
| 150% | 15.00% | 1.875倍 |
| 200% | 20.00% | 2.500倍 |
冒頭で「15%くらいかな」と置いた数字は、この表の4行目です。市場の1.875倍。
言い換えると、「この馬は10頭中1.5頭ぶん勝つはずなのに、市場は0.8頭ぶんとしか見ていない」という判断を、あなたはしていたことになります。
その判断に根拠があるなら、期待値150%は本物です。なんとなく置いた15%なら、150%という数字は自分で作った幻です。
期待値を計算する3ステップ

手順を整理します。
- 市場の勝率を出す((1 ÷ オッズ) × 払戻率)
- 自分の勝率を置く(ここだけが自分の仕事)
- 割って倍率を見る(自分の勝率 ÷ 市場の勝率)
3で出た倍率に払戻率を掛ければ、それが期待値です。
期待値 = (自分の勝率 ÷ 市場の勝率) × 払戻率
オッズ × 勝率 と同じ答えが出ますが、途中に「市場の何倍か」という数字が挟まるぶん、自分が何を主張しているのかが見えます。

1.2倍と言うのは控えめに聞こえますが、それでも期待値は96.0%で、まだ100%に届きません。100%に乗せるだけで1.25倍が要ります。
「オッズが甘い馬」を探すという言い方
期待値の高い馬を探す作業は、この形にすると「市場が過小評価している馬を探す」になります。
1.875倍という数字を頭に置くと、探し方が変わります。「なんとなく走りそう」では足りません。市場が知らない材料を、あなたが1つ持っている必要があります。
そういう馬が18頭中に何頭いるかは、レースによります。0頭のレースのほうが多いというのが、この計算から出る素直な結論です。0頭なら見送る、というのも1つの答えになります。
そして仮に1頭見つけても、その期待値は点数を足すと薄まります。上限は(期待値 − 1)÷ 控除率で、詳しくは期待値の記事に書きました。150%なら3連複で2.00点までです。
見積もりが合っていたかを、後から数える
置いた勝率が正しかったかどうかは、記録すれば分かります。
「市場の1.875倍」と判断した馬を20頭ぶん並べて、実際に何頭勝ったかを数える。 市場勝率が平均8.00%だったなら、期待どおりなら15.0%=3頭です。
1頭だったなら5.0%で、市場の0.625倍。あなたの見積もりは市場より下でした。 これが分かれば、次からは倍率の置き方を下げられます。
3頭以上だったなら、その判断は本物です。同じ材料を持っているレースだけを買えばいいという結論になります。

この照合ができるのは、「市場の何倍」という形で記録したからです。「期待値150%だと思った」だけでは、後から検証のしようがありません。
3か月後、勝率の置き方が変わります
3か月ぶん、この形で記録したとします。
手元にあるのは、レースごとの「市場勝率」「自分が置いた勝率」「結果」の3列です。2列目÷1列目が、あなたが主張した倍率。
集計すると、あなたが平均して何倍を主張していて、実際は何倍だったかが出ます(出し方は回収率の計算の記事と同じ要領です)。1.875倍を主張して実績1.1倍だったなら、置き方が強気すぎました。
強気すぎる置き方は、期待値を水増しします。そして水増しされた期待値からは、足せる点数の上限も水増しされて出てきます。入口の1つの数字が、出口の点数まで狂わせます。
逆に言えば、ここが合っていれば全部が合います。期待値の計算で本当に難しいのは、オッズでも式でもなく、この1つの数字だけです。
販売ページの数字も、倍率に直せます
市販の馬券術の実績も、この形に置き直せます。回収率がそのまま期待値なので、払戻率で割れば「市場の何倍」が出ます。
| 馬券術 | 販売ページ表示 | 期待値 | 市場の何倍か |
|---|---|---|---|
| 3連馬券1点主義 | 3連単1点 / 回収率316.0% | 316% | 4.359倍 |
| スーパープレデター馬券術 | 勝負レースで137% | 137% | 1.827倍 |
上は3連単なので払戻率72.5%。3.16 ÷ 0.725 = 4.359倍。販売ページの数字を信じるなら、市場の4.4倍近い精度で3連単の1点目を当てていることになります。
下は1.827倍(3連複の75.0%で計算)。倍率に直すと、2つの商材の主張の大きさが並べて比べられます。
※回収率はいずれも販売ページの表示で、当サイトが購入して検証した数値ではありません。
よくある質問
Q. 競馬の期待値の計算式を教えてください
オッズ × 勝率です。勝率を市場から出す場合は(1 ÷ オッズ)× 払戻率で、このときの期待値は必ず払戻率と同じになります。
Q. なぜ1 ÷ オッズをそのまま勝率にしてはいけないのですか
全馬を足すと1 ÷ 払戻率(単勝なら125%)になり、確率の合計が100%を超えるためです。払戻率を掛けて圧縮します。
Q. 自分の勝率はどう決めればいいですか
市場勝率の何倍かで置くのが分かりやすい方法です。「1.5倍走ると思う」なら、市場8.00%に対して12.00%になります。
Q. 期待値100%にするには何倍必要ですか
1 ÷ 払戻率です。単勝なら1.250倍、3連複なら1.333倍、3連単なら1.379倍。100%に乗せるだけでも1.25倍以上が要ります。
Q. 券種で必要な倍率が違うのはなぜですか
払戻率が違うためです。同じ期待値150%でも、単勝は1.875倍、3連単は2.069倍が必要になります。
Q. 3連複や3連単でも同じ計算ができますか
できます。「1 ÷ その買い目のオッズ × 払戻率」が市場から見たその買い目の的中率です。券種の払戻率を使ってください。
Q. 期待値が計算できたら、あとは何をしますか
点数の上限を出します。(期待値 − 1)÷ 控除率で、期待値の記事に表があります。
まとめ
- 市場の勝率 = (1 ÷ オッズ) × 払戻率。 オッズ10倍なら8.00%です
- この勝率で計算すると、人気馬でも大穴でも期待値は払戻率ちょうど(単勝80.0%)。オッズだけでは期待値は作れません
- 1 ÷ オッズ を全馬足すと1 ÷ 払戻率=125%(単勝)。はみ出した25%が控除率です
- 必要な倍率 = 目標の期待値 ÷ 払戻率。 単勝で期待値150%なら市場の1.875倍、3連単なら2.069倍
- 100%に乗せるだけで1.250倍が必要。「なんとなく走りそう」では届きません
次に期待値を出すときは、勝率を直接入れずに「市場の何倍か」を先に決めてください。自分が何を主張しているかが、そのまま数字になります。
その主張の大きさを、市販の馬券術と並べてみるとどうか。18種を同じ式で採点した表を用意しています。
この記事の計算方法
- 期待値 = オッズ × 勝率
- 市場の勝率 = (1 ÷ オッズ) × 払戻率(全馬の 1 ÷ オッズ の合計が 1 ÷ 払戻率 になるため、払戻率を掛けて合計100%に戻す)
- 市場の勝率で計算した期待値 = オッズ × (1 ÷ オッズ) × 払戻率 = 払戻率(券種ごとに一定)
- 必要な倍率 = 目標の期待値 ÷ 払戻率(期待値100%なら 1 ÷ 払戻率)
- 期待値 = (自分の勝率 ÷ 市場の勝率) × 払戻率(オッズ × 勝率 と同じ値)
- 足せる点数の上限 = (期待値 − 1) ÷ 控除率(期待値の記事で導出)
- 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%、WIN5 70.0%)
- 「1 ÷ オッズ の合計が 1 ÷ 払戻率 になる」は、オッズが確定した最終的な状態についての関係です。 実際の表示オッズは端数処理があるため、合計はぴったりにならないことがあります
- 控除率はオッズに含まれているため、必要的中率の式から重ねて引いていません(日本の競馬はパリミュチュエル方式)
- 本文の「オッズ10倍・勝率15%」などは読み方を示すための例示です
- 馬券術の回収率は各販売ページの表示(2026年9月時点)です。当サイトが購入して検証した数値ではありません
- 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません