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9,294円当てても、残るのは688円です|手残り = 配当 × (1 − 1 ÷ 回収率)

※本記事はアフィリエイト広告を含みます。

先月も、あなたは当てました。

3連単を1点。払戻は9,294円です。窓口の袋を受け取りながら、頭の中で今月の収支を計算しました。

「今月はプラスだな」

そう思うのは月に1回くらい。それが1年続きます。

ところが、年末にノートを閉じて合計を出すと、必ずマイナスで終わります。

「当たった月は何回もあったのに、なぜだ」

この記事で出すのは、あなたが受け取った9,294円のうち、本当にあなたのものは何円かという計算です。

配当に掛ける係数が1つあります。その係数を知ると、窓口を出た時点で今月の答えが出ます。

目次

先に結論:配当には、掛ける係数があります

受け取った金額は、あなたの利益ではありません。その1本を当てるまでに使った金額が、まだ引かれていないからです。

引き算をすると、きれいな形になります。

掛け算1回で出る
掛け算1回で出る

当たり1本の手残り = その配当 × (1 − 1 ÷ 回収率)

配当の大きさも、券種も、点数も、この係数には入りません。入るのは回収率だけです。

回収率が変わると、係数はこう動きます

並べます。

100%より下はマイナス
100%より下はマイナス
回収率 手残りは配当の
70.0% −42.857%
72.5% −37.931%
75.0% −33.333%
77.5% −29.032%
80.0% −25.000%
90.0% −11.111%
100.0% 0.000%
108.0% +7.407%
120.0% +16.667%
150.0% +33.333%
316.0% +68.354%

境目は回収率100.0%です。そこを越えていれば、当たった1本はちゃんとプラスになります。

越えていなければ、当たった1本でさえマイナスです。ここが、あなたの年末の答えになります。

あなたの9,294円は、いくらになっていたか

同じ払戻9,294円を、回収率別に並べ直します。

あなたの回収率 9,294円の手残り
72.5%(3連単の払戻率) −3,525円
100.0% 0円
108.0% +688円
120.0% +1,549円
316.0% +6,353円

回収率108.0%でも、688円です。 9,294円の袋を受け取った手応えと、688円という数字は釣り合いません。

そして、もしあなたの回収率が72.5%なら、当てたその日も−3,525円の側にいます。

「今月はプラス」という感覚が、毎回ここでずれていました。

年12本を、そのまま年間に伸ばすと

あなたの1年をそのまま計算します。月1回・年12本・1本平均9,294円とすると、年間の払戻は111,528円です。

係数を掛けるだけで、年末の答えが先に出ます。

払戻が同じでも投資が違う
払戻が同じでも投資が違う
あなたの回収率 年間の投資額 年間の損益
72.5% 153,832円 −42,304円
80.0% 139,410円 −27,882円
90.0% 123,920円 −12,392円
100.0% 111,528円 ±0円
108.0% 103,267円 +8,261円
120.0% 92,940円 +18,588円

払戻の111,528円は、どの行でも同じです。違うのは、それを引き出すのにいくら入れたか。

回収率72.5%なら、111,528円を受け取るために153,832円を入れています。 年末に−42,304円が出るのは当然で、12回の「今月はプラス」は、その中に全部含まれていました。

なぜ、当たった日だけが記憶に残るのか

理由は計算ではなく、見えるものの差にあります。

当たった日は、払戻という大きな数字が手元に現れます。 9,294円という具体的な金額と、袋の厚みと、窓口での数十秒。

外れた日に現れるのは、1,000円が減ったという事実だけです。金額は小さく、出来事としても何も起きません。

上の表の72.5%の行を、レース数に直します。1レース1,000円なら年154レース買っていて、当たったのは12回。外れたのが142回です。

12回の9,294円は覚えていて、142回の1,000円は覚えていない。 その差が、年末に42,304円として出てきます。

係数を掛けるのは、この非対称をその場で補正する作業です。9,294円を−3,525円と書き換えれば、覚えている側の数字が最初から正しくなります。

何も考えず買っている人の係数

では、多くの人はどのあたりにいるのか。券種の払戻率がその目安です。

当サイトが還元率・控除率の記事で書いたとおり、何も考えずに買い続けた人の回収率は、その券種の払戻率に近づきます。

払戻率を式に入れると、こうなります。

券種を選んだ時点の初期値
券種を選んだ時点の初期値
券種 払戻率 手残りは配当の
単勝・複勝 80.00% −25.000%
枠連・馬連・ワイド 77.50% −29.032%
馬単・3連複 75.00% −33.333%
3連単 72.50% −37.931%
WIN5 70.00% −42.857%

この値は、控除率 ÷ 払戻率 とぴったり一致します(3連単なら27.5 ÷ 72.5 = 37.931%)。検算済みです。

3連単を買っているあなたの初期値は−37.931%。9,294円なら−3,525円です。予想で何もしなければ、ここから動きません。

券種を選んだ時点で、係数の出発点は決まっています。単勝なら−25.000%、3連単なら−37.931%。その差12.931ポイントは、予想を始める前についている差です。

ここから100.0%まで持ち上げるのが、あなたのやっていることになります。単勝のほうが持ち上げる距離は短いのですが、そのぶん配当も低くなります。

配当が大きくても小さくても、抜かれる割合は同じです

係数のもう一つの性質です。配当の大きさは、係数に入りません。

同じ回収率72.5%なら、9,294円でも300円でも、抜かれるのは37.931%です。

当てた配当 手残り(回収率72.5%)
9,294円(3連単1点) −3,525円
3,000円 −1,138円
1,000円 −379円
300円(複勝) −114円
配当の大きさは係数に入らない
配当の大きさは係数に入らない

万馬券を当てても、小さい配当を当てても、割合は動きません。 当サイトが万馬券の記事で書いたとおり、配当額は当てにくさの呼び名ではありません。手残りの割合を決めているのは回収率だけです。

大きく当てたときほど嬉しいのは自然なことですが、その嬉しさの分だけ得をしているわけではないという形になります。

当てても意味がない、という話ではありません

ここまでを読んで、そう感じたかもしれません。式はそう言っていません。

係数がプラスに変わる条件は1つだけ、回収率が100.0%を越えることです。越えれば当たった1本はそのままプラスになります。

そして回収率は、予想の精度だけで決まる数字ではありません。 当サイトが回収率の計算の記事で出したとおり、点数を減らす・狙う配当帯を上げる・的中率を上げるの3つがあり、前の2つは買う前に確定します。

あなたが動かせる場所は、窓口に並ぶ前にあります。 受け取ったあとの9,294円は、もう動きません。

たとえば買い目を10点から8点に減らせば、回収率は1.25倍になります。72.5%なら90.6%へ。係数は−37.931%から−10.345%に上がります。 予想を一切変えずに、9,294円の手残りが−3,525円から−961円になる計算です。

それでもまだ100.0%には届きません。届かせるには、点数と配当帯の両方を動かす必要があります。 そこから先は回収率の計算の記事の範囲です。

1本あたりの損益は、的中率で17.6倍違います

係数の話をもう一段だけ進めます。同じ回収率でも、1本の大きさは券種で大きく違います。

1本あたりの損益 = 1レースの投資 × (回収率 − 1) ÷ 的中率。手残りの式と同じものを、的中率で書き直した形です。

当たりにくいほど1本が大きい
当たりにくいほど1本が大きい
的中率 1本あたりの損益 判定が終わるまでの総額
3.4% 2,353円 227,294円
5.0% 1,600円 152,000円
10.0% 800円 72,000円
25.0% 320円 24,000円
60.0% 133円 5,333円

1レース1,000円・回収率108.0%での値です。3.4%と60.0%で17.65倍の開きがあります。

当たりにくい買い方ほど、1本が来たときの重みが大きい。あなたが月1回の的中を「大きな出来事」として感じるのは、感覚の問題ではありません。

なのに、1年あたりの損益には的中率が入りません

ここが今回のいちばん静かな結論です。

1年あたりの期待損益 = 年間レース数 × 1レースの投資 × (回収率 − 1)

的中率も券種も約分で消える
的中率も券種も約分で消える
年間レース数 回収率75.0% 100.0% 108.0% 120.0%
100 −25,000円 ±0円 +8,000円 +20,000円
200 −50,000円 ±0円 +16,000円 +40,000円
400 −100,000円 ±0円 +32,000円 +80,000円

的中率も券種も平均配当も、この式に入っていません。 約分で消えます。

つまり、回収率108.0%で1レース1,000円・年200レースなら、3連単1点でも複勝1点でも、年16,000円です。

違うのは1本の大きさと、それが本当かどうかを確かめ終わる時期だけ。当サイトが当たり本数の記事で出したとおり、3連単1点なら14.21年、複勝1点なら0.33年かかります。

あなたが月1回味わっている手応えは、年16,000円を受け取る回数を減らして、1回を大きくしたものでした。

この向きは、良し悪しの話ではありません。年16,000円を12回に分けて受け取るか、600回に分けて受け取るかという配り方の違いです。

ただ、配り方が変わると感じ方だけが大きく変わります。 月1回の9,294円は記憶に残り、複勝の133円は残りません。同じ年16,000円なのに、片方だけが「勝った実感」を作ります。

係数を掛ける習慣は、ここを平らにします。9,294円にも133円にも同じ係数が掛かり、どちらも同じ物差しの上に乗ります。

教材費も、年あたりの式で読めます

1年あたりの式が出ると、もう1つ読めるものがあります。教材にいくら払えるかです。

教材費を取り戻す年数 = 教材費 ÷ 年間の期待損益。年16,000円(1レース1,000円・年200レース・回収率108.0%)で計算します。

教材費 取り戻すのにかかる年数
1,800円 0.11年
8,800円 0.55年
19,800円 1.24年
39,800円 2.49年
54,800円 3.42年

回収率が108.0%のままなら、という前提つきの値です。教材を買って回収率が上がるなら年数は縮み、上がらなければ何年経っても取り戻せません。

当サイトが出口の記事で使ってきた「回収レース数」も、これを1レース単位に直したものです。価格そのものより、年あたりの利益と比べたときの大きさのほうが判断に効きます。

「今月はプラス」を、その場で検算する

窓口を出た時点でできることがあります。配当に係数を掛けるだけです。

去年の集計から出した自分の回収率を1つ覚えておいてください。90%なら−11.111%、108%なら+7.407%。 9,294円ならそれぞれ−1,033円と+688円です。

袋の中身を係数で見る
袋の中身を係数で見る

ここで注意が1つあります。回収率は期待値であって、1本ごとに確定する値ではありません。

688円というのは「この1本から必ず688円残る」という意味ではなく、同じ買い方を続けたときに1本あたり平均でそうなるという意味です。当サイトが回収率の記事で書いたとおり、40レース程度では回収率そのものが大きく振れます。

去年の回収率が信用できる本数に達しているかも、あわせて確かめてください。

回収率そのものの出し方は単純で、払戻の合計 ÷ 投資の合計です。ノートが揃っていれば数分で出ます。券種ごとに分けて出すのを忘れないでください。

そして出した値が信用できるかどうかは、当たりが何本たまっているかで決まります。年12本なら、まだ12本目です。係数は使えますが、その係数のもとになった回収率のほうが、まだ固まっていません。

それでも、係数を掛ける習慣は先に始められます。回収率が固まるにつれて、係数のほうも正しい位置へ動いていきます。

この計算が言っていないこと

引いた範囲と引いていない範囲
引いた範囲と引いていない範囲
よくある読み方 当サイトの扱い
「当たっても無駄」 回収率100%超なら手残りはプラス
「688円は確定した金額」 平均の値。1本ごとには決まらない
「払戻率=自分の回収率」 何も考えずに買った場合の目安
「年16,000円が保証される」 期待値であって約束ではない

係数はあなたの回収率から出しています。その回収率が間違っていれば、係数も間違います。

券種を混ぜて集計した回収率も使えません。払戻率も配当帯も違うものを平均すると、どの券種の係数でもない数字になります。

販売ページの回収率も、係数に直せます

馬券術の販売ページに書かれた回収率は、そのまま係数に直せます。

1,800円のコンピの極意は単勝24.6%・回収率111%という販売者による表示です(2026年9月時点)。係数は+9.910%。単勝で1,000円の配当なら99円が残る計算になります。

8,800円の3連馬券1点主義は3連単1点で的中率3.4%・回収率316.0%の表示(2026年9月時点)。係数は+68.354%で、9,294円なら6,353円です。

どちらも販売者による表示を、当サイトが係数に直しただけの値になります。実際にその回収率が出るかどうかは別の話で、19種の採点はハブ記事にまとめてあります。

窓口を出たあとにやる3ステップ

掛け算1回だけ
掛け算1回だけ

3番目を省かないでください。 係数を掛けた金額を記録に残さないと、年末にまた同じ驚き方をします。

月に1回の「プラスだな」を、月に1回の「688円だな」に置き換えるだけの話です。数字は小さくなりますが、年末との食い違いは消えます。


この記事の計算方法

  • 当たり1本の手残り = その配当 × (1 − 1 ÷ 回収率)。1本あたりの損益 = 1レースの投資 × (回収率 − 1) ÷ 的中率 に、回収率 = 的中率 × 平均配当オッズ ÷ 買い目点数を代入すると、この形に整理されます(2つは同じ式です)。
  • 係数:回収率70.0%で−42.857% / 72.5%で−37.931% / 75.0%で−33.333% / 77.5%で−29.032% / 80.0%で−25.000% / 90.0%で−11.111% / 100.0%で0.000% / 108.0%で+7.407% / 120.0%で+16.667% / 150.0%で+33.333% / 316.0%で+68.354%。
  • 回収率に券種の払戻率を入れると、係数は −控除率 ÷ 払戻率 に一致します(検算済み)。単勝・複勝−25.000% / 枠連・馬連・ワイド−29.032% / 馬単・3連複−33.333% / 3連単−37.931% / WIN5−42.857%。
  • JRA払戻率(2014年6月7日改定):単勝・複勝80.00% / 枠連・馬連・ワイド77.50% / 馬単・3連複75.00% / 3連単72.50% / WIN5 70.00%。
  • 1年あたりの期待損益 = 年間レース数 × 1レースの投資 × (回収率 − 1)。的中率も券種も平均配当も約分で消えます。 1レース1,000円・年200レース・回収率108.0%なら+16,000円です。
  • 判定が終わるまでの総額は 判定レース数 × 1レースの投資 × (回収率 − 1)。的中率3.4%で227,294円、60.0%で5,333円。比の42.6倍は、判定にかかる年数の比と同じです(当たり本数の記事)。
  • 9,294円は、3連単1点・平均配当92.94倍(1点100円)を例として置いた値です。実際の配当は人気によって大きくばらつきます。
  • 回収率は期待値です。 1本ごとに確定する値ではなく、同じ買い方を続けたときの平均になります。40レース程度の集計では回収率そのものが大きく振れます。
  • 券種を混ぜて集計した回収率は使えません。 払戻率も配当帯も点数も違うものを平均すると、どの券種の係数でもない数字になります。
  • 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
  • 販売ページの数値は販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトはそれを係数に直しただけです。当サイトはこれらの商材を購入していません。

まとめ

  • 当たり1本の手残り = その配当 × (1 − 1 ÷ 回収率)。 配当の大きさも券種も、係数には入りません
  • 境目は回収率100.0%。 越えていれば当たった1本はプラス、越えていなければ当たってもマイナスです
  • 回収率108.0%なら9,294円のうち688円。72.5%なら−3,525円で、同じ払戻に9,878円の開きがあります
  • 何も考えず買っている人の係数は −控除率 ÷ 払戻率。 単勝−25.000%からWIN5−42.857%までです
  • 1本あたりの損益は的中率で17.65倍違います(1レース1,000円・回収率108.0%で2,353円と133円)
  • なのに1年あたりの損益には的中率が入りません。 年200レース・1,000円・108.0%なら、どの券種でも+16,000円
  • 違うのは1本の大きさと、確かめ終わる時期だけ(3連単1点14.21年、複勝1点0.33年)
  • 回収率は期待値です。1本ごとに確定する値ではありません

あなたが次に当てたときにやることは、配当に係数を掛けて、その数字のほうを記録に書くことです。 9,294円ではなく688円。月に1回の手応えは小さくなりますが、年末の合計と食い違わなくなります。

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