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「競馬の回収率の平均は75%くらいらしい」
そう知って、あなたは自分の今年の数字を見ます。80%。平均よりは上だ、とあなたは少しだけ胸をなでおろす。
ここで1つ、確かめておきたいことがあります。
その「平均75%」は、人の平均ではありません。お金の平均です。
先に結論:平均を上回る人は、いつでも半分より少ないです

3連複を1点、的中率3%・平均配当25倍で買っている人を考えます。この買い方の期待回収率は、ちょうど払戻率の75%です。
40レース買うと、当たりの期待回数は1.20回。ところが、回収率75%に届くには2回当てる必要があります。
期待の1.67倍を当てないと、平均に届きません。
そして当たりは整数回しか起きないので、40レース後に出てくる回収率は次のどれかです。
| 当たり回数 | 確率 | そのときの回収率 |
|---|---|---|
| 0回 | 29.6% | 0.0% |
| 1回 | 36.6% | 62.5% |
| 2回 | 22.1% | 125.0% |
| 3回 | 8.6% | 187.5% |
| 4回 | 2.5% | 250.0% |
| 5回以上 | 0.7% | 312.5%〜 |

上から2行を足すと66.2%。あなたを含めて3人に2人が、平均の75%を下回ります。
そして表をもう一度見てください。75.0%という数字が、どこにもありません。 この買い方で「平均どおり」に着地する人は、1人もいないということです。
「平均」は、人の平均ではなくお金の平均です

払戻率75%が意味しているのは、こういうことです。
3連複に投じられた全額のうち、75%が払い戻しに回る。 総額に対する総額の比であって、購入者1人ずつの回収率を足して人数で割った数字ではありません。
この2つが一致しないのは、回収率の分布が右に長く伸びているからです。大当たりした少数の人が、全体の払い戻しの大部分を持っていきます。その人たちが平均を引き上げ、残りの多数は平均より下に取り残されます。

上の表がまさにそれで、250%や312.5%の人が3.2%いる一方で、0%の人が29.6%います。平均を作っているのは、右端の少数です。
全員が同じ実力でも、こうなります
ここが大事なところですが、上の計算では全員がまったく同じ実力だと仮定しています。予想がうまい人も下手な人もいません。期待回収率は全員ぴったり75%です。
それでも、平均を上回るのは3人に1人です。

| 的中率 | 40レース | 100レース | 400レース |
|---|---|---|---|
| 1.0% | 33.1% | 26.4% | 37.1% |
| 3.0% | 33.8% | 35.3% | 42.4% |
| 5.0% | 32.3% | 38.4% | 44.1% |
| 10.0% | 37.1% | 41.7% | 45.8% |
| 25.0% | 41.6% | 44.7% | 47.3% |
どの行を見ても50%を超えません。 実力に差がなくても、平均を上回るのは少数派です。
そして的中率が低く配当が高い買い方ほど、上回る人が少なくなります。3連単を1点で狙う人(的中率1%前後)は、40レースで33.1%、100レースでも26.4%。4人に3人が平均より下です。
レース数を増やすと少しずつ50%に近づきますが、400レース買っても47.3%止まりです。この差は、レース数を増やしても完全には消えません。
3人に1人は、40レース買って1回も当たりません
回収率0%になる人の割合も出しておきます。1レースも当たらなかった人です。

| 的中率 | 40レース | 100レース |
|---|---|---|
| 1.0% | 66.9% | 36.6% |
| 3.0% | 29.6% | 4.8% |
| 5.0% | 12.9% | 0.6% |
| 10.0% | 1.5% | 0.0% |
| 25.0% | 0.0% | 0.0% |
的中率1%の買い方だと、40レースで3人に2人が回収率0%です。平均は75%なのに、です。あなたがその行にいるなら、当たらないこと自体は想定内になります。
3連単を1点で狙う買い方は、まさにこの行にあたります。「今年は1回も当たらなかった」と言っている人の多くは、買い方が壊れているのではなく、この行にいるだけかもしれません。
では、自分が上か下かをどう判定するか
比べる相手を変えます。他人の回収率の平均ではなく、自分の買い方の必要的中率と比べます。
当サイトの式は 必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ です。この線を超えているかどうかは、あなたの点数と配当帯から一意に決まります。他人が何%かは関係ありません。

- 買い目点数を数える(例:4点)
- 狙う平均配当を決める(例:100倍)→ 必要的中率 4.00%
- 実績的中率と比べる(5.0%なら余裕1.25倍。出し方はこちら)
「平均より上か」は、他人の集まりの中での順位です。順位が上でも、あなたの回収率が100%を超えるとは限りません。 3連複で回収率80%なら、平均75%より上ですが、それでも年間では減っています。
見るべき線は、回収率の記事で書いた3本のうちの2本目です。払戻率を超えたら次は100%であって、「平均より上」は通過点でしかありません。
券種別の平均(=払戻率)
念のため、券種ごとの数字を置いておきます。これがそのまま「お金の平均」です。
| 券種 | 払戻率=平均回収率 |
|---|---|
| 単勝・複勝 | 80.0% |
| 枠連・馬連・ワイド | 77.5% |
| 馬単・3連複 | 75.0% |
| 3連単 | 72.5% |
| WIN5 | 70.0% |
JRAが公表している値です(2014年6月7日改定)。券種を変えると平均が変わるので、「平均75%」と言うときはどの券種の話かをそろえる必要があります。
3連単で回収率74%なら、全体平均の75%より下に見えますが、3連単の平均72.5%は超えています。 比べる相手を間違えると、正しい判断が逆になります。
80%という数字を、もう一度見る
冒頭の80%に戻ります。
あなたのその数字が3連複のものなら、平均75%は超えています。3連単なら72.5%を超えています。単勝なら80.0%とほぼ同じで、超えていません。同じ80%が、券種によって「上」にも「並」にもなります。
そして、その80%が40レースの集計から出たものなら、±84ポイントの幅があります。実力が100%の人が80%と出ることも、実力が50%の人が80%と出ることも、どちらもよく起きます。
「平均より上」で止まると、そこから先の判断材料が出てきません。 券種をそろえ、必要的中率と比べ、レース数を増やす。この3つで、80%という数字は初めて意味を持ちます。
3か月後に、比べる相手が変わります
3か月ぶん記録をつけたとします。
そのとき手元にあるのは、他人の平均ではなく、あなたの点数・あなたの配当帯・あなたの的中率です。必要的中率が4.00%で、実績が5.0%。余裕は1.25倍。
この1.25倍という数字は、誰と比べる必要もありません。 1.0倍を超えていれば成立していて、下回っていれば成立していない。それだけです。
平均と比べていた頃は、80%という数字を見て「まあ平均よりは」と思うだけでした。同じ3か月から、続けるか変えるかの結論が出るようになります。
そして、もし余裕が0.8倍だったなら、直す場所も同時に出ます。点数を減らすか、配当帯を上げるか。「平均より上でした」からは、この2択が出てきません。
販売ページの「平均」も同じ目で読む
市販の馬券術が示す実績も、平均か中央値かで意味が変わります。
| 馬券術 | 販売ページ表示 | 当サイトの計算 |
|---|---|---|
| 3連馬券1点主義 | 的中率3.4% / 回収率316.0% | 必要的中率1.08%・余裕3.16倍 |
| スーパープレデター馬券術 | 勝負レースで137% | 必要的中率33.6%・検証11,378レース |
回収率316%という数字は、検証レース数とセットで読みます。 短い検証で出た高い回収率は、この記事の表でいえば「たまたま2回当たった人」の125%や187.5%と同じ場所にあります。11,378レースの検証は、そこが違います。
※的中率・回収率・検証レース数はいずれも販売ページの表示で、当サイトが購入して検証した数値ではありません。
よくある質問
Q. 競馬の回収率の平均はいくつですか
上の券種別の表のとおりで、3連複なら75.0%です。ただしこれは総額に対する総額の比なので、「平均的な人がそこにいる」という意味にはなりません。多数派は下にいます。
Q. なぜ平均を上回る人が半分いないのですか
回収率の分布が右に長く伸びているためです。大当たりした少数が平均を引き上げ、多数は平均より下に残ります。実力に差がなくても起きます。
Q. この記事の割合は実際の購入者を調べた数字ですか
いいえ。全員が同じ実力(期待回収率=払戻率)と仮定した計算値です。実在の購入者を調査したものではありません。実際には実力差があるので、分布はさらに広がります。
Q. レース数を増やせば平均に近づきますか
近づきますが、400レースでも上回るのは47.3%止まりです。ゼロにはなりません。
Q. 自分が平均より上かどうかを知る意味はありますか
あまりありません。平均より上でも100%を割っていれば減ります。必要的中率と比べるほうが判断に使えます。
Q. 券種をそろえないといけないのはなぜですか
払戻率が券種ごとに違うためです。3連単の74%は全体平均75%より下ですが、3連単の平均72.5%は超えています。
Q. 中央値はいくつですか
買い方によります。的中率3%・40レースなら中央値は62.5%(平均は75%)。的中率が低いほど、中央値は平均から離れます。
まとめ
- 「平均75%」は人の平均ではなくお金の平均。総額に対する総額の比で、1人ずつの回収率の平均ではありません
- 全員が同じ実力でも、平均を上回るのは26.4〜47.3%。どの条件でも半分を超えません
- 的中率3%・40レースなら回収率は0%か62.5%か125%のどれか。75.0%という値は1回も出ません
- 的中率1%の買い方だと、40レースで66.9%の人が回収率0%。平均は75%のままです
- 比べる相手は他人の平均ではなく、自分の必要的中率(=点数 ÷ 狙う平均配当)です
自分の数字を券種でそろえて、必要的中率と並べてみてください。「平均より上」より先の答えが出ます。
出てきた余裕の倍率を持って、越えられる線がどこにあるかを見てください。市販の馬券術18種を、同じ式で採点した表があります。
この記事の計算方法
- 回収率 = 的中率 × 平均配当オッズ ÷ 買い目点数
- 必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ
- 当たり回数の分布は二項分布(N レース・的中率 p)。k回当たったときの回収率 = k × 平均配当 ÷ N(1点買い)
- 平均配当は、期待回収率がちょうど払戻率75.0%になる値を置いています(的中率3%なら25倍、1%なら75倍)
- 「平均を上回る人の割合」= k × 平均配当 ÷ N が払戻率を超える k の確率の合計
- 回収率0%の割合 = (1 − 的中率)^N
- 🚨すべて「全員が同じ実力(期待回収率=払戻率ちょうど)」と仮定したモデル計算です。実在の購入者を調査した数値ではありません。 実際には実力差があるため、分布はさらに広がります
- 各レースの的中は独立で、的中率と配当は一定としています
- 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%、WIN5 70.0%)
- 控除率はオッズに含まれているため、必要的中率の式から重ねて引いていません(日本の競馬はパリミュチュエル方式)
- 本文の「80%」「的中率3%」などは読み方を示すための例示です
- 馬券術の的中率・回収率・検証レース数は各販売ページの表示(2026年9月時点)です。当サイトが購入して検証した数値ではありません
- 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません