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上位10%に絞ると回収率は上がりますが、判定に15.0年かかります|見送りの計算

※本記事はアフィリエイト広告を含みます。

日曜の夕方、あなたは今週買ったレースを数えました。

24レース。 土曜が11、日曜が13。全部が勝負レースというわけではなく、画面を開いていたから買った、というものも混ざっています。

「見送ると、そのレースが当たる気がして」

見送りは、回収率の式の外から効く唯一の操作です。 的中率でも配当でも点数でもなく、買うレースを選ぶという別の軸から効きます。

ただし上げ幅は、σという1つの数字で決まります。そして絞るほど、効いているかどうかを確かめられなくなります。

この記事で出すのは、見送りの効果と代償を同時に出す式です。

目次

先に結論:回収率 = 払戻率 + σ × 係数

まず式を置きます。

上位x% だけ買ったときの回収率 = 払戻率 + σ × 係数

σはレースごとの回収率のばらつき(標準偏差)です。係数は上位何%を残すかだけで決まります。

σ15ptなら、上位10%で101.32%に乗る
σ15ptなら、上位10%で101.32%に乗る

σが15.0ポイントあれば、上位10%に絞るだけで払戻率75.0%が 101.32% になります。

係数は絞り方だけで決まるので、先に表にしておきます。

全部買うと係数0、絞るほど大きくなる
全部買うと係数0、絞るほど大きくなる
買うレース 見送るレース 係数
全部 0% 0.0000
上位50% 半分 0.7979
上位25% 4分の3 1.2711
上位10% 9割 1.7550
上位5% 95% 2.0627
上位1% 99% 2.6652

全部買うと係数はゼロです。だから回収率は払戻率そのものになります。点数を増やしても回収率が動かないのと同じで、全レース買うのは「選んでいない」ことと同じです。

σが小さいと、いくら絞っても届かない

係数だけ見ると「絞れば絞るほど良い」ように見えます。ところが、掛かる相手はσです。

σ5ptだと、上位1%まで絞っても88.33%
σ5ptだと、上位1%まで絞っても88.33%

σ=5ptの行を見てください。 上位1%まで絞っても88.33%にしかなりません。99%を見送ってもトントンに届かないということです。

σ=15ptなら上位10%で101.32%、σ=20ptなら上位25%で100.42%。σが大きいほど、浅い絞りで届きます。

同じσで絞り方を変えたときの伸び幅も見ておきます。σ=15ptの行です。

絞り方 回収率 1段階絞ったときの伸び
全部 75.00% ―
上位50% 86.97% +11.97pt
上位25% 94.07% +7.10pt
上位10% 101.32% +7.25pt
上位5% 105.94% +4.62pt
上位1% 114.98% +9.04pt

いちばん効くのは最初の「半分にする」で、+11.97ポイントです。そこから先は伸びが鈍り、あなたが買えるレース数だけが減っていきます。

必要なσは、割り算1回で出ます。

100%に乗るのに必要なσ = (100 − 払戻率) ÷ 係数

3連複を上位10%に絞るなら14.25pt
3連複を上位10%に絞るなら14.25pt
券種(払戻率) 上位50% 上位25% 上位10% 上位5%
単勝・複勝(80.0%) 25.07pt 15.73pt 11.40pt 9.70pt
馬連・ワイド(77.5%) 28.20pt 17.70pt 12.82pt 10.91pt
馬単・3連複(75.0%) 31.33pt 19.67pt 14.25pt 12.12pt
3連単(72.5%) 34.47pt 21.63pt 15.67pt 13.33pt
WIN5(70.0%) 37.60pt 23.60pt 17.09pt 14.54pt

払戻率が高い券種ほど、必要なσは小さくて済みます。 単勝なら11.40pt、WIN5なら17.09pt。

そして半分に絞る程度では25〜38ptが必要です。「勝負レースだけ」と言いながら半分買っているなら、相当大きなσがないと効きません。

ところが、絞るほど判定が遅くなる

ここからが代償の話です。

回収率が本物かを確かめるのに何レース要るかは別の記事で出しました。問題は、そのレース数を「買ったレース」で数えることです。

見送ったレースは分母に入りません。

上位10%に絞ると、判定は10倍遅くなる
上位10%に絞ると、判定は10倍遅くなる

年200レース買える環境で、300レース貯めるのに必要な年数です。

買うレース 年に買う数 300レース貯まるまで 1点300円の年間投票額
全部 200レース 1.5年 60,000円
上位50% 100レース 3.0年 30,000円
上位25% 50レース 6.0年 15,000円
上位10% 20レース 15.0年 6,000円
上位5% 10レース 30.0年 3,000円
上位1% 2レース 150.0年 600円

上位10%に絞ると、判定が10倍遅くなります。

回収率と年数を並べると、2つの方向が逆を向いているのが見えます。

回収率が上がる方向と、確かめられる方向が逆
回収率が上がる方向と、確かめられる方向が逆

σ=15ptなら100%に乗るのは上位10%からですが、その帯の判定には15.0年かかります。

これは予想条件のリフトでも出た構造と同じです。実用になる帯と、確かめられる帯が、いつも逆を向きます。

ここまでを整理します。

  • 回収率 = 払戻率 + σ × 係数。係数は絞り方だけで決まる
  • 全部買うと係数ゼロ=回収率は払戻率そのもの
  • 100%に乗るのに必要なσ = (100 − 払戻率) ÷ 係数。3連複・上位10%で14.25pt
  • ただし上位10%に絞ると判定は10倍遅くなる(1.5年 → 15.0年)

σは「結果が散ること」ではない

ここがこの記事でいちばん大事なところです。σを誤解すると、この計算は全部無意味になります。

買う前の順位が当たっていて初めてσになる
買う前の順位が当たっていて初めてσになる

σは「買う前に付けた順位が、実際の回収率とどれだけ連動しているか」の幅です。

よくある誤解 実際のσ
結果の回収率が0%か300%に散ること σではありません(当たり外れの分散)
配当が高いレースと低いレースがあること 配当だけではσになりません
「自信のあるレース」が実際にあること その自信が当たっていて初めてσになります

あなたの順位付けが当てずっぽうなら、実効σはゼロです。 上位10%を選んでも、中身は無作為に選んだ10%と同じになります。

そして係数にゼロを掛ければ、回収率は払戻率のままです。見送りの効果は完全に消えます。

レースを回避して的中率を上げる設計でも同じことを書きました。回避そのものは倍率で、符号を変えません。 符号を変えるのは、回避の中身が正しいときだけです。

日曜の夕方に、24レースを数え直すとして

次の日曜、あなたは同じように週末を終えています。買ったのは24レース。先週と同じです。

違うのは、その24レースに買う前に1〜5の順位を付けたことです。買わなかったレースにも付けました。全部で40レース、40行の記録があります。

3か月後、あなたは順位ごとに回収率を集計します。順位1が82%、順位5が68%。差は14ポイント。

ここから見積もると、σはおよそ5ポイント前後。上位10%に絞っても83.77%で、100%には届きません。

この結果は、あなたの順位付けが効いていないという意味ではありません。 14ポイントの差は、確かに効いています。ただし絞るだけでは足りない、という意味です。

買う量を減らすかどうかは、ここから別の判断になります。年間の投票額は、1点300円なら全部買って60,000円、上位10%なら6,000円。減らす理由は回収率ではなく、資金のほうにあります。

全レース買うか、σを測ってから絞るか

分かれ目は、σを測ったかどうか
分かれ目は、σを測ったかどうか

分かれ目は見送るかどうかではなく、σを測ったかどうかです。

測っていなければ、絞っても全部買っても同じ結果になります。測ってさえいれば、全部買い続ける判断にも根拠がつきます。

なお、券種はリフトで決まるという話とは別軸です。リフトは1頭あたりの精度、σはレース間のばらつき。 どちらも独立に効きます。

販売ページの「勝負レース」も、同じ枠で読める

馬券術の販売ページには「勝負レースだけ買う」という設計がよく出てきます。同じ枠に載せられます。

見るのは2つです。何レースのうち何レースを買うのかと、買ったレースの回収率。

スーパープレデター馬券術は、販売ページで「勝負レースだけで137%」「絞らず月50レースで90%前後」という趣旨の表示をしています(販売者による表示・2026年9月時点)。絞ったときと絞らないときの両方が書かれているのは珍しく、この2つがそろうとσの手がかりになります。

南関コンピ・ジェネシスは年間80レースという参加レース数が明記されている珍しい例です。見送り率が書かれていれば、係数が決まります。

「勝負レースだけ」とだけ書かれていて本数がないと、係数が決まらず計算できません。 18種を同じ物差しで並べたハブ記事に、採点できた7種をまとめてあります。

σを測る3ステップ

1番目が肝心
1番目が肝心

1番目が肝心です。 買ったレースだけに順位を付けると、見送ったレースが分母から抜けて、σが測れなくなります。

順位は1〜5の5段階で構いません。買う前に付けることだけが条件です。


この記事の計算方法

  • 上位x% だけ買ったときの回収率 = 払戻率 + σ × 係数。レースごとの回収率が正規分布に従うと置いたときの、上側x%の条件付き期待値です。正規分布を仮定した近似で、実際の分布は右に裾を引くため、この値は目安として読んでください。
  • 係数 = φ(z) ÷ x(φは標準正規分布の密度、zは上側x%の境目)。上位50%→0.7979 / 25%→1.2711 / 10%→1.7550 / 5%→2.0627 / 1%→2.6652。
  • 100%に乗るのに必要なσ = (100 − 払戻率) ÷ 係数。上の式で回収率を100%に置いて解いた形です。
  • σは「買う前に付けた順位と、実際の回収率の連動の幅」です。結果の当たり外れの分散ではありません。順位付けに情報がなければ実効σはゼロになります。
  • σの値(5〜30pt)はすべて仮に置いた値です。当サイトは実在のσを集計しておらず、「あなたのσはいくつだ」も主張していません。
  • 判定までの年数は、年200レース買える環境で300レース貯まるまでを計算しました。判定に要るレース数は回収率と的中率で変わります。
  • JRA払戻率(2014年6月7日改定):単勝・複勝80.0% / 枠連・馬連・ワイド77.5% / 馬単・3連複75.0% / 3連単72.5% / WIN5 70.0%。
  • 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
  • 販売ページの数値は販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトの計算と書き分けています。当サイトはこれらの商材を購入していません。

まとめ

  • 回収率 = 払戻率 + σ × 係数。見送りは回収率の式の外から効く唯一の操作です
  • 係数は絞り方だけで決まります(上位50%0.7979 / 10%1.7550 / 1%2.6652)
  • 全部買うと係数ゼロ。回収率は払戻率そのものになります
  • 100%に乗るのに必要なσは (100 − 払戻率) ÷ 係数。3連複を上位10%なら14.25pt
  • σ=5ptだと、上位1%まで絞っても88.33%。σが小さければ何をしても届きません
  • ただし上位10%に絞ると判定は10倍遅くなります(1.5年 → 15.0年)
  • σは買う前の順位が当たっている幅です。当てずっぽうなら実効σはゼロで、効果もゼロです

あなたが次の週末にやることは、買う前に全レースへ1〜5の順位を付けることです。 買わないレースにも付ければ、3か月でσの見当がつきます。

→ 18種類の馬券術を同じ物差しで並べたハブ記事を読む


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