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土曜の朝、あなたはいつもどおり3連複の画面を開きました。
3年、ずっとこれです。 選んだ理由は「当たりやすくて、配当もそこそこだから」。それ以上の理由はありません。
「他の券種のほうがいいのかな」
券種は好みでも当たりやすさでもなく、あなたのリフト1つで決まります。
そして、リフトが1.0739に届いていなければ、どの券種を選んでも100%には乗りません。
この記事で出すのは、あなたのリフトから7券種の回収率を一度に出す1本の式です。
先に結論:回収率は式1本で出る
当サイトでは、予想の効き目をリフトという1つの数字で表しています。
リフト = あなたの実測の的中率 ÷ 市場が見ている確率
このリフトから、券種ごとの回収率が出ます。
回収率 = リフト の「当てる頭数」乗 × 払戻率

リフト1.15なら、3連複は 1.15の3乗 = 1.5209 に払戻率75.0%を掛けて 114.07%。
同じリフト1.15でも、単勝は1乗なので92.00%。当てる頭数が多い券種ほど、リフトが乗数で効きます。
7券種を並べると、こうなります。

リフト1.00(市場どおり)の行は、払戻率そのものです。80.00 / 77.50 / 75.00 / 75.00 / 72.50 / 70.00%。
そこからリフトを上げていくと、下の券種ほど伸びが急になります。1.25の行では、単勝100.00%に対してWIN5は213.62%です。
あなたがやることは、自分のリフトの行を横に読むことだけです。
ただし「いちばん高い券種」は罠になる
この表を見ると、リフトが少しでも上がればWIN5が最高になります。実際、切り替わりの境界を出すとこうです。

| リフトの帯 | いちばん高い券種 |
|---|---|
| 1.0325未満 | 単勝・複勝 |
| 1.0325〜1.0335 | 馬連・ワイド |
| 1.0335〜1.0355 | 3連複 |
| 1.0355以上 | WIN5(ここから先はずっとWIN5) |
3つの境界が0.0030という狭い幅に詰まっています。 実質は「リフト1.0355を超えるかどうか」の1本の線だけです。
ところが、ここで止まると間違えます。「回収率がいちばん高い券種」と「100%に乗る券種」は別のものだからです。
リフト1.05の行をもう一度見てください。WIN5の89.34%がいちばん高い値です。でも100%には届いていません。 この帯では、どの券種を選んでも減ります。
100%に乗る券種は、WIN5から順に増える
では、いつ100%に乗るのか。トントンに乗る最小リフトを昇順に並べます。
トントンに乗る最小リフト = (1 ÷ 払戻率) の「当てる頭数」乗根

| 券種 | 当てる頭数 | トントンに乗る最小リフト |
|---|---|---|
| WIN5 | 5頭 | 1.0739 |
| 3連複 | 3頭 | 1.1006 |
| 3連単 | 3頭 | 1.1132 |
| 馬連・ワイド | 2頭 | 1.1359 |
| 馬単 | 2頭 | 1.1547 |
| 単勝・複勝 | 1頭 | 1.2500 |
単勝がいちばん厳しいのは、当てる頭数が1で乗数が効かないからです。払戻率は最高の80.0%なのに、越えるべきリフトは最大になります。
この順番で、使える券種が増えていきます。

| リフト | 100%に乗る券種 | 券種数 |
|---|---|---|
| 1.0739未満 | なし | 0券種(どれを選んでも減る) |
| 1.0739 | WIN5 | 1券種 |
| 1.1006 | +3連複 | 2券種 |
| 1.1132 | +3連単 | 3券種 |
| 1.1359 | +馬連・ワイド | 4券種 |
| 1.1547 | +馬単 | 5券種 |
| 1.2500 | +単勝・複勝 | 6券種すべて |
あなたのリフトが1.0739に届いていなければ、券種を替えても意味がありません。 直すべきはリフトそのものです。
ここまでを整理します。
- 回収率 = リフト^(当てる頭数) × 払戻率。1本で7券種が同時に出る
- 回収率がいちばん高い券種は、リフト1.0355を境にWIN5へ
- ただし100%に乗るのはリフト1.0739からで、WIN5が最初
- そこから 3連複1.1006 → 3連単1.1132 → 馬連1.1359 → 馬単1.1547 → 単勝1.2500 の順に増える
- 1.0739未満は0券種。券種を替えても増えない
3連複を3年買ってきた人は、どこにいるか
あなたの券種で読み直します。

3連複がトントンに乗るのはリフト1.1006からです。
もしあなたのリフトが1.10なら、3連複は99.83%。あと0.0006足りません。 ここまで来ていれば、直すのはあと一歩です。
もし1.05なら86.82%で、13.18ポイント足りません。 この位置なら券種の話より先に、リフトを上げる話になります。
そして1.1006を超えていれば、3連複より高いのはWIN5だけです。リフト1.15なら3連複114.07%に対してWIN5は140.80%で、26.73ポイントの差があります。
その差がそのまま手に入るわけではない
ただし、ここに大きな注意があります。

| 1レースあたり | 点数 | 1点100円の投資額 |
|---|---|---|
| 1頭 | 1点 | 100円 |
| 2頭 | 32点 | 3,200円 |
| 3頭 | 243点 | 24,300円 |
| 5頭 | 3,125点 | 312,500円 |
リフトが1.0739を超えていても、点数ぶんの資金がなければ買えません。
3連複なら4頭ボックスが4点で400円ですが、WIN5は各レース3頭でも24,300円です。回収率の表の上では最高でも、実際に置ける金額は別の問題です。
「WIN5が有利」という結論だけを取り出すと、ここで詰まります。
3年後の土曜に、同じ画面を開いたとして
3年後の土曜、あなたは3連複の画面を開いています。券種は変えていません。
変わったのは、手元に1つの数字があることです。リフト1.12。 20〜30レースの記録から出して、そのあと必要な頭数まで積んで確かめた値です。
表の行を読むと、1.12なら3連複は約105%。100%を超えています。
あなたはそのまま3連複を続けます。 WIN5のほうが数字は高いけれど、各レース3頭で24,300円は置けないからです。
券種を替えなかったことが、はじめて根拠のある選択になりました。 3年前と同じ券種でも、意味がまったく違います。
リフト1.12の行を全券種ぶん出すとこうです。
| 券種 | リフト1.12のときの回収率 |
|---|---|
| 単勝・複勝 | 89.60% |
| 馬単 | 94.08% |
| 馬連・ワイド | 97.22% |
| 3連単 | 101.86% |
| 3連複 | 105.37% |
| WIN5 | 123.36% |
この帯では3券種が100%を超えています。 3連複・3連単・WIN5です。そのうち資金の制約が軽いのは3連複で、だから替えないという結論になります。
逆に「回収率110%を出したい」から入ることもできます。必要なリフトは券種で違います。
| 券種 | 110%に要るリフト | 120% | 150% |
|---|---|---|---|
| WIN5 | 1.0946 | 1.1138 | 1.1647 |
| 3連複 | 1.1362 | 1.1696 | 1.2599 |
| 3連単 | 1.1491 | 1.1829 | 1.2742 |
| 馬連・ワイド | 1.1914 | 1.2443 | 1.3912 |
| 馬単 | 1.2111 | 1.2649 | 1.4142 |
| 単勝・複勝 | 1.3750 | 1.5000 | 1.8750 |
同じ110%を出すのに、単勝は1.3750倍、WIN5は1.0946倍。 必要なリフトが1.26倍違います。
好みで選ぶか、リフトで選ぶか

分かれ目は好みではなく、リフトを測ったかどうかです。
測っていなければ、どの券種を選んでも当てずっぽうの変更になります。測ってさえいれば、替えないという判断も根拠を持ちます。
7券種の基準値を1枚にまとめた記事には、的中率と配当の釣り合いを載せてあります。この記事はその上に、リフトという1つの入力を足したものです。
ここまでで言っていないこと
読み違えられそうな点を、先に潰しておきます。

「WIN5がいちばん有利だ」とは書いていません。 リフト1.0355を超えているという条件付きでのみ成り立つ話で、しかも資金の制約が別にあります。
この記事に出てくるリフト1.05・1.10・1.15などは、すべて仮に置いた値です。当サイトは実在の予想法・血統・指数のリフトを集計しておらず、「あなたのリフトはいくつだ」とも主張していません。
出しているのは、リフトがいくつなら、どの券種が100%に乗るかという対応表だけです。
販売ページの券種も、同じ表で読める
馬券術の販売ページに書かれている券種も、この表に載せられます。その教材が想定しているリフトが見えるからです。
3連系を1点で狙う3連馬券1点主義の表示は、的中率3.4%・回収率316.0%(販売者による表示・2026年9月時点)。3連単として回収率を払戻率72.5%で割り、3乗根を取ると リフトは1.63 です。
アイ・ウイナー1は単勝で回収率184.7%。単勝は1乗なので、リフトはそのまま 1.847 ÷ 0.80 = 2.31です。
同じ回収率でも、券種によって要求されるリフトはまったく違います。 単勝で184.7%を出すほうが、3連単で316.0%を出すより大きなリフトを必要とします(2.31倍と1.63倍)。18種を同じ物差しで並べたハブ記事に、採点できた7種の余裕を載せてあります。
券種を決める3ステップ

3番目がいちばん大事です。
どの券種も100%に届かないなら、替えても増えません。その場合はリフトそのものを上げるしかありません。
券種選びは、リフトを測ってから30秒で終わる作業です。測る前に決めると、3年が過ぎます。
この記事の計算方法
- 回収率 = リフト の「当てる頭数」乗 × 払戻率。リフト = 実測の的中率 ÷ 市場が見ている確率です。市場が見ている確率は (1 ÷ オッズ) × 払戻率 で出します。
- トントンに乗る最小リフト = (1 ÷ 払戻率) の「当てる頭数」乗根。上の式で回収率を1に置いて解いた形です。
- 当てる頭数は 単勝・複勝1頭 / 馬連・ワイド・馬単2頭 / 3連複・3連単3頭 / WIN5 5頭。
- JRA払戻率(2014年6月7日改定):単勝・複勝80.0% / 枠連・馬連・ワイド77.5% / 馬単・3連複75.0% / 3連単72.5% / WIN5 70.0%。
- リフトの値(1.05 / 1.10 / 1.15 / 1.20 / 1.25 / 1.50)はすべて仮に置いた値です。当サイトは実在の予想法・血統・指数・オッズ帯のリフトを集計しておらず、「あなたのリフトはいくつか」も主張していません。
- WIN5の点数 = 1レースあたりに選ぶ頭数の5乗。投資額は当サイト既定の1点100円で計算しました。
- この表はリフトが5レース(またはその券種で当てる各頭)で同じだと置いています。 実際にはレースごとにばらつきますが、平均のリフトで近似しています。
- 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
- 販売ページの数値は販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトの計算と書き分けています。当サイトはこれらの商材を購入していません。
まとめ
- 回収率 = リフト^(当てる頭数) × 払戻率。この1本で7券種の回収率が同時に出ます
- 回収率がいちばん高い券種はリフト1.0355を境にWIN5に切り替わり、そこから上はずっとWIN5です
- ただし「いちばん高い」と「100%に乗る」は別。100%に乗るのはリフト1.0739から
- 成立する券種は WIN5 1.0739 → 3連複1.1006 → 3連単1.1132 → 馬連・ワイド1.1359 → 馬単1.1547 → 単勝・複勝1.2500 の順に増えます
- リフト1.0739未満は0券種。どの券種を選んでも減るので、直すのはリフトのほうです
- 単勝がいちばん厳しい(1.2500)のは、当てる頭数が1で乗数が効かないからです
- WIN5は点数が5乗で増えるので、リフトが足りても資金が足りないことがあります
あなたが次にやることは、自分のリフトを1つ出すことです。 実測の的中率 ÷ 市場の確率。20〜30レースの記録から出せます。
公営競技はのめり込みすぎると生活に支障が出ることがあります。使う金額と回数はあらかじめ決めてください。ご自身やご家族のことで気になることがあれば、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(https://scga.jp/)にご相談ください。