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オッズ10倍の馬に、あなたは勝率15%を見積もりました。
10 × 0.15 = 1.50。期待値150%です。いい馬を見つけた、と思います。
そしてその馬を軸にして、3連複を10点流して買います。
その瞬間、あなたが手にしている期待値は82.5%になっています。
先に結論:足せる点数の上限は、控除率が決めます

期待値の高い買い目を1つ見つけても、周りに平均的な目を足すと、全体の期待値はその平均に引っ張られます。
全体の期待値 = (見つけた期待値 + 払戻率 × 足した点数) ÷ (1 + 足した点数)
平均的な目の期待値は、払戻率そのものです(3連複なら75.0%)。ここから、100%を保てる点数の上限が出ます。
足せる点数の上限 = (見つけた期待値 − 1) ÷ 控除率
3連複(控除率25.0%)で期待値150%なら、上限は2.00点。軸のほかに足せるのは2点までで、3点目を足した時点で100%を割ります。
期待値150%が、点数で削れていく様子

期待値別に、平均的な目を足したときの全体を並べます(3連複・払戻率75.0%)。
| 見つけた期待値 | +0点 | +1点 | +2点 | +3点 | +5点 | +9点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 120% | 120.0% | 97.5% | 90.0% | 86.2% | 82.5% | 79.5% |
| 150% | 150.0% | 112.5% | 100.0% | 93.8% | 87.5% | 82.5% |
| 200% | 200.0% | 137.5% | 116.7% | 106.2% | 95.8% | 87.5% |
| 300% | 300.0% | 187.5% | 150.0% | 131.2% | 112.5% | 97.5% |
冒頭の「期待値150%の馬から10点流し」は、この表の2行目・+9点の欄です。82.5%。
期待値を探す前と、探したあとで、手元の数字はほとんど変わっていません。何も考えずに買った人の75.0%に対して、7.5ポイント上乗せしただけです。
150%という数字は、1点で買ったときにしか存在しません。

期待値120%だと、1点も足せません
上限の式に控除率が分母で入っているので、期待値が低いほど上限は急に小さくなります。

| 券種 | 控除率 | 期待値120% | 150% | 200% | 300% | 500% |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単勝・複勝 | 20.0% | 1.00点 | 2.50点 | 5.00点 | 10.00点 | 20.00点 |
| 枠連・馬連・ワイド | 22.5% | 0.89点 | 2.22点 | 4.44点 | 8.89点 | 17.78点 |
| 馬単・3連複 | 25.0% | 0.80点 | 2.00点 | 4.00点 | 8.00点 | 16.00点 |
| 3連単 | 27.5% | 0.73点 | 1.82点 | 3.64点 | 7.27点 | 14.55点 |
3連複で期待値120%を見つけたときの上限は0.80点。整数で買う以上、1点も足せません。買うなら1点、足すなら100%を割る。それだけです。
そして同じ期待値でも、3連単は3連複より上限が小さくなります(1.82点と2.00点)。控除率が2.5ポイント高いぶん、薄まるのが速いからです。
期待値の作り方は、掛け算1本です
念のため、計算式を置いておきます。単勝の場合はこうです。
期待値 = 単勝オッズ × あなたが見積もった勝率

| 単勝オッズ | 見積もった勝率 | 期待値 | 100%に必要な勝率 |
|---|---|---|---|
| 5倍 | 25.0% | 125.0% | 20.00% |
| 10倍 | 15.0% | 150.0% | 10.00% |
| 10倍 | 10.0% | 100.0% | 10.00% |
| 20倍 | 8.0% | 160.0% | 5.00% |
| 30倍 | 5.0% | 150.0% | 3.33% |
右端の「100%に必要な勝率」は、オッズの逆数です。10倍なら10.00%、30倍なら3.33%。
これは当サイトの背骨と同じ式です。必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ で点数を1にすると、1 ÷ オッズ になります。期待値100%の線と、1点買いの必要的中率は同じものです。
期待値の半分は、あなたの主観です
もう1つ、押さえておきたいことがあります。
上の式で使う2つの数字のうち、オッズは公開されていますが、勝率は誰も教えてくれません。 あなたが見積もった数字です。
つまり期待値150%という結論は、「オッズ10倍」という観測と、「勝率15%」というあなたの判断の掛け算です。判断のほうが1.5倍ずれていれば、期待値は100%になります。
だから期待値は、見つけた瞬間に確定する数字ではありません。勝率の見積もりが正しかったかどうかは、あとから数えるしかない。 これは足す1点の合格ラインと同じ構造で、判定は結局「その1点が平均より強いか」に帰着します。 数え方は回収率の記事に書いたとおりで、必要なレース数はかなり多くなります。
見積もりが不確かなのに、そこからさらに点数で薄めると、何が効いたのか永久に分からなくなります。
「期待値を探す」と「点数を決める」は、同じ作業です

多くの人は、この2つを別の作業だと思っています。
前半でオッズと勝率をにらんで期待値の高い馬を探し、後半でマークシートに向かって点数を決める。時間も気分も別物です。
計算の上では、この2つは1つです。見つけた期待値の大きさが、そのまま足せる点数の上限を決めています。
期待値150%なら3連複で上限2点。期待値300%なら8点。「この馬は自信がある」と「だから広く買う」は、両立しません。 自信があるほど、広げられる幅は増えますが、増え方は控除率で割ったぶんだけです。
逆に言えば、10点買うなら期待値350%が必要です(0.25 × 10 + 1 = 3.50)。オッズ10倍の馬に勝率35%を見積もれるレースが、どれだけあるでしょうか。
買う前の30秒でやること

順番はこうなります。
- 期待値を出す(オッズ × 見積もった勝率)
- 上限を出す((期待値 − 1)÷ 控除率)
- その点数以内で買う(超えるなら期待値の高い目だけを残す)
期待値180%なら、3連複の上限は3.2点。4点目を足すかどうかで迷う必要がありません。 上限が先に出ているからです。
そして上限が1点未満だったなら、それは「この期待値では広げられない」という結論です。1点で買うか、もっと期待値の高い買い目を探すか、そのレースを見送るか。3択に縮みます。
3か月後、期待値の使い方が変わります
3か月ぶん、この手順で買ったとします。
手元に残るのは、レースごとの「見積もった勝率」と「実際の結果」です。見積もりが当たっていたかどうかを、あとから数えられます。
見積もり勝率15%の馬を20頭買って、3頭が勝ったなら15.0%。あなたの見積もりは合っていました。 1頭だったなら5.0%で、期待値150%だと思っていたものは実は50%でした。
この照合ができるのは、点数で薄めなかったからです。10点に流していたら、当たった1回がどの目だったのかを追う手間が増え、結局「なんとなく合っていた気がする」で終わります。
期待値を探す腕は、3か月では上がりません。でも、探した期待値を薄めない習慣は、来週から身につきます。
期待値を公開している馬券術の読み方
市販の馬券術は期待値そのものを出していないことが多いのですが、的中率と回収率があれば逆算できます。回収率がそのまま期待値です。
| 馬券術 | 販売ページ表示 | 期待値として読むと | 足せる点数の上限 |
|---|---|---|---|
| 3連馬券1点主義 | 3連単1点 / 回収率316.0% | 316% | 7.85点 |
| スーパープレデター馬券術 | 勝負レースで137% | 137% | 1.35〜1.48点 |
上は3連単なので控除率27.5%。(3.16 − 1) ÷ 0.275 = 7.85点まで足せる計算になります。1点主義という名前ですが、販売ページの数字を信じるなら7点までは広げられることになります。
下は137%。券種の指定がないので、3連単なら1.35点、3連複なら1.48点です。どちらにしても1点を少し超える程度で、勝負レースを絞るタイプには広げる余地がありません。
※回収率・的中率はいずれも販売ページの表示で、当サイトが購入して検証した数値ではありません。
よくある質問
Q. 勝率はどう見積もればいいですか
オッズから出す方法があります。市場の勝率=(1÷オッズ)×払戻率で、そこから何倍かで置くやり方を期待値の計算の記事にまとめました。
Q. 期待値が100%を超えていれば買っていいですか
1点で買うならそうです。点数を足すと平均に引き戻されるので、上限((期待値−1)÷控除率)以内に収めてください。
Q. 期待値の高い馬はどう探しますか
オッズは公開されているので、勝率の見積もりが勝負になります。ただし見積もりは主観なので、あとから実際の勝率と照合してください。
Q. なぜ控除率が分母に来るのですか
足す1点の期待値が払戻率(=1 − 控除率)だからです。1点足すごとに、100%との差である控除率のぶんだけ全体が下がります。
Q. 期待値120%の買い目は買ってはいけませんか
1点なら買えます。3連複だと上限0.80点なので、1点も足せないという意味です。
Q. 3連単と3連複で上限が違うのはなぜですか
控除率が27.5%と25.0%で違うためです。同じ期待値200%でも、3連単は3.64点、3連複は4.00点が上限になります。
Q. 期待値と必要的中率はどう違いますか
同じものを別の側から見ています。1点買いなら「期待値100%に必要な勝率」と「必要的中率」はどちらも1 ÷ オッズです。
まとめ
- 期待値 = オッズ × 見積もった勝率。 オッズは公開値ですが、勝率はあなたの主観です
- 見つけた期待値は、点数を足すと平均(払戻率)に引き戻されます。150%は1点で買ったときにしか存在しません
- 足せる点数の上限 = (期待値 − 1) ÷ 控除率。 3連複・期待値150%なら2.00点、120%なら0.80点=1点も足せません
- 期待値150%の馬から10点流すと82.5%。何も考えずに買った75.0%から7.5ポイントしか動いていません
- 「期待値を探す」と「点数を決める」は同じ作業です。10点買うなら期待値350%が要ります
次の土曜、期待値を出したらそのまま上限も出してください。(期待値 − 1)÷ 控除率の割り算1本で、その日の点数が決まります。
そして自分の期待値が、市販の馬券術と比べてどのあたりにあるのか。18種を回収率=期待値として並べた表を用意しています。
この記事の計算方法
- 期待値(単勝)= 単勝オッズ × 見積もった勝率
- 期待値100%に必要な勝率 = 1 ÷ 単勝オッズ(1点買いの必要的中率と同じ式)
- 全体の期待値 = (見つけた期待値 + 払戻率 × 足した点数) ÷ (1 + 足した点数)
(足す目の期待値を払戻率=平均的な目と仮定した場合) - 足せる点数の上限 = (見つけた期待値 − 1) ÷ 控除率(上の式が1以上になる点数の上限)
- 控除率 = 1 − 払戻率。単勝・複勝20.0%/枠連・馬連・ワイド22.5%/馬単・3連複25.0%/3連単27.5%
- 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%、WIN5 70.0%)
- 「足す目が平均的(期待値=払戻率)である」という仮定を置いています。 足す目が平均より良ければ上限は伸び、悪ければ縮みます
- 控除率はオッズに含まれているため、必要的中率の式から重ねて引いていません(日本の競馬はパリミュチュエル方式)
- 本文の「オッズ10倍・勝率15%」などは読み方を示すための例示です
- 馬券術の回収率・的中率は各販売ページの表示(2026年9月時点)です。当サイトが購入して検証した数値ではありません
- 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません