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10万円で追い上げが成立するのは、複勝と単勝までです|必勝法を同じ式に入れた結果

※本記事はアフィリエイト広告を含みます。

金曜の夜、あなたは3か月ぶんの収支表を閉じました。

軍資金10万円から始めて、いま6万円台。 当たった日もありましたが、戻りません。次の土曜、頭に浮かんでいるのは1つです。

「次は倍にして取り返す」

その賭け方に名前があります。マーチンゲール、日本の競馬では追い上げと呼ばれるやり方です。 そして競馬でやる場合、倍率は2倍ではありません。券種ごとに別の値があります。

この記事で出すのは、追い上げが手持ちで持つかどうかを、券種ごとに判定する計算です。

目次

先に結論:賭け方は、回収率の式に入らない

まず、いちばん大事なところを片づけます。

賭け金は分子と分母の両方に乗るので、約分で消える
賭け金は分子と分母の両方に乗るので、約分で消える

総回収率は、賭け金をどう並べても1レースあたりの回収率と同じになります。賭け金が分子(払戻)と分母(投票額)の両方に同じだけ乗るからです。

実際に3通り計算してみます。的中率20%・平均配当5.5倍・12レースという同じ条件で、賭け方だけを変えます。

投票額を340倍変えても、総回収率は小数第2位まで一致する
投票額を340倍変えても、総回収率は小数第2位まで一致する

実際の賭け金の並びはこうです。

レース 定額 2倍追い上げ フィボナッチ
1〜3 100・100・100円 100・200・400円 100・100・200円
4〜6 100・100・100円 800・1,600・3,200円 300・500・800円
7〜9 100・100・100円 6,400・12,800・25,600円 1,300・2,100・3,400円
10〜12 100・100・100円 51,200・102,400・204,800円 5,500・8,900・14,400円
合計 1,200円 409,500円 37,600円

1,200円・409,500円・37,600円と投票額は340倍違うのに、総回収率は3通りとも110.00%。 小数第2位まで一致します。

当サイトの背骨はこの式です。

回収率 = 的中率 × 平均配当オッズ ÷ 買い目点数

右辺に「賭け方」は入っていません。 追い上げても定額でも、ここは1ポイントも動きません。

では追い上げは何を動かすのか。必要な軍資金と、破産までの時間です。ここから先は、その2つを計算します。

競馬の追い上げ倍率は、2倍ではない

追い上げというと2倍にする、と決まっているように語られます。2倍というのは、当たったときに賭け金が2倍になって返ってくる場合の値です。コイン投げの表裏に賭けるときの数字で、競馬の値ではありません。

一般化すると、こうなります。

平均配当が決まれば、追い上げ倍率も決まる
平均配当が決まれば、追い上げ倍率も決まる

追い上げ倍率 = 平均配当 ÷ (平均配当 − 1)

複勝の18頭立ての理論平均配当4.800倍を入れると、1.2632。1.26倍ずつ上げていけば足ります。

この倍率にしたとき、何連敗のあとに勝っても、利益は「初期額 ×(平均配当 − 1)」で一定になります。代数で確かめられる恒等式です。初期額をa、平均配当をO、倍率を m = O÷(O−1) とすると、n連敗後に勝ったときの利益は

a × m^n × O − a × (m^(n+1) − 1) ÷ (m − 1) = a × (O − 1)

nが消えます。3連敗のあとでも8連敗のあとでも、勝ったときに手元に残る額は同じです。

券種ごとに並べると、倍率の違いがはっきりします。

配当が高い券種ほど、必要な倍率は小さい
配当が高い券種ほど、必要な倍率は小さい

3連単なら1.0003倍。ほとんど定額と変わりません。 それでも、あなたが1回当たれば354,860円が残ります。

配当が高い券種ほど、少しずつ増やすだけで足りるということです。

必要軍資金は、券種で52,300倍違う

倍率が小さければ、耐えるのに要る資金も小さくなります。等比数列の和なので、式はこうです。

必要軍資金 = 初期額 × (倍率^n − 1) ÷ (倍率 − 1)

20連敗に耐える額が、券種で52,300倍違う
20連敗に耐える額が、券種で52,300倍違う

20連敗に耐えるのに、コイン投げの2倍追い上げなら1億486万円。3連単の1.0003倍追い上げなら2,005円です。

ここだけ見ると、「配当の高い券種で追い上げれば無敵ではないか」と思えます。あなたがいま考えているのも、たぶんそれに近いことのはずです。

ところが、ここに逆向きの力が働きます。

配当が高い券種は、連敗そのものが桁違いに長い

的中率が低ければ、連敗は長くなります。10%の確率で起きる連敗数は、対数1本で出ます。

連敗数 = log(0.10) ÷ log(1 − 的中率)

1点あたりが安くて済む券種ほど、連敗が伸びる
1点あたりが安くて済む券種ほど、連敗が伸びる

複勝は13連敗、3連単は11,273連敗。867倍の差です。

10%というのは、そこそこ起きる頻度です。もっと深いところまで見ておきます。

その連敗が起きる確率 複勝(的中率16.667%) 単勝(5.556%)
50%(半々で来る) 4連敗 13連敗
10% 13連敗 41連敗
5% 17連敗 53連敗
1%(めったに来ない) 26連敗 81連敗

複勝の4連敗は半々で来ます。 あなたが3か月のあいだに何度か見ているはずの光景です。26連敗のほうは1%ですが、あなたが200レース買えば何度か通ります。

資金が小さくて済む券種ほど、耐えなければならない長さが伸びる。追い上げの倍率が下がるぶんと、連敗が伸びるぶんが、真正面からぶつかります。

どちらが勝つのか。手持ち10万円で判定します。

10万円で持つのは、複勝と単勝まで

軍資金10万円で何連敗まで置き続けられるかを出し、さきほどの連敗数と並べます。

資金で耐えられる連敗と、実際に来る連敗を並べる
資金で耐えられる連敗と、実際に来る連敗を並べる
  • 複勝:23連敗まで耐えられて、13連敗が来る → 持つ
  • 単勝:60連敗まで耐えられて、41連敗が来る → 持つ
  • ワイド:128連敗に対して117連敗 → ぎりぎり
  • 馬連:265連敗に対して352連敗 → 足りない
  • 3連複:592連敗に対して1,878連敗 → 足りない
  • 3連単:881連敗に対して11,273連敗 → 足りない

分かれ目はワイドと馬連のあいだにあります。

ただし、これは初期額100円での話です。初期額を上げると、必要軍資金は同じだけ比例して増えます。

初期額 複勝(1.2632)で13連敗 複勝で20連敗 単勝(1.0746)で41連敗 単勝で60連敗
100円 7,542円 40,279円 24,268円 99,138円
300円 22,627円 120,837円 72,804円 297,413円
1,000円 75,424円 402,790円 242,679円 991,376円

複勝を1点1,000円から始めると、13連敗で75,424円。10万円ではもう20連敗に届きません。 追い上げの初期額は、当たったときの手応えではなく、いちばん深い連敗から逆算して決めることになります。

あなたが3か月やってきた券種が3連複や3連単なら、追い上げは10万円では成立しません。足りないのは根性でも運でもなく、資金の桁です。

そして複勝・単勝で成立したとしても、総回収率は最初の表のとおり1ポイントも上がっていません。 変わったのは、負けが1回にまとまって来るか、少しずつ来るかだけです。

ここまでを整理します。

  • 賭け方は回収率の式の右辺に入らない(総回収率 = 1レースの回収率)
  • 追い上げ倍率 = 平均配当 ÷ (平均配当 − 1)。複勝1.2632・3連単1.0003
  • 利益は 初期額 ×(平均配当 − 1) で、連敗数によらず一定
  • 必要軍資金 = 初期額 ×(倍率^n − 1)÷(倍率 − 1)
  • 10万円で持つのは複勝と単勝まで。馬連から先は届かない

同じ10万円を、定額に置き換えると

追い上げと定額で、10万円の使われ方がどう違うかを見ておきます。

定額はレース数で尽き、追い上げは連敗数で尽きる
定額はレース数で尽き、追い上げは連敗数で尽きる

定額100円なら1,000レース。2倍追い上げなら9連敗で尽きます。 1回の最大投票額も、定額の100円に対して25,600円です。

ここで効いてくるのが、何レースで判定できるかという話です。回収率が本当に100%を超えているかを確かめるには、レース数が要ります。定額はレース数で尽きるので、判定に必要な本数と直接比べられます。 追い上げは連敗数で尽きるので、比べられません。

定額で判定するのに要る金額は、掛け算1回で出ます。

1レースの投資額 40レース 100レース 300レース
100円 4,000円 10,000円 30,000円
300円 12,000円 30,000円 90,000円
1,000円 40,000円 100,000円 300,000円

1レース100円なら、40レースの判定に4,000円。 あなたの手持ちの4%です。同じ10万円を2倍追い上げに使うと9連敗で消えるので、判定は一度もできません。

置く額そのものの決め方は、軍資金と耐えるレース数から単位を出す式と、回収率から割合を出すケリー基準にまとめてあります。どちらも「回収率が100%を超えている」ことが前提で、超えていないなら答えは0円です。

3か月後の金曜に、もう一度収支表を開くとして

いまから3か月後、あなたは同じ収支表を開いています。今度は券種と点数と配当が全部並んでいて、40レースぶんの回収率が出ています。 96.2%でした。

100%は超えていません。それでも、この3か月は前の3か月と決定的に違います。 何を直せばいいかが分かるからです。

96.2%という数字が出ているなら、的中率を上げるか、平均配当を上げるか、点数を減らすか。直す場所は式の右辺に3つしかありません。

逆に、賭け方だけを変えた3か月からは、この96.2%が出てきません。 投票額がレースごとに違うので、割り算の分母が何なのか分からなくなるからです。

当サイトが同じ式に入れた「必勝法」は、これで3つめ

この記事の結論は、追い上げに限った話ではありません。

3つとも、回収率の式の右辺には入らない
3つとも、回収率の式の右辺には入らない

ころがしは回収率をn乗する操作で、1回あたりの回収率には触れません。1回あたりが100%を割っていれば、転がすほど速く減ります。

レースを回避して的中率を上げる設計も、的中率と教材費の負担ポイントを同じ倍率で動かすので、トントンを超えているかどうかは変わりません。

3つとも「いつ・いくら賭けるか」を変える操作です。共通しているのは、符号を変えないことでした。超えていれば超えたまま、割っていれば割ったまま。

必勝法という言葉で探しているものが「賭け方」なら、探す場所がずれています。動かせるのは、的中率・平均配当・買い目点数の3つだけです。

複勝・単勝で、回収率が100%を超えている設計はあるのか

追い上げが成立する券種は複勝と単勝だと分かりました。ただし、それは回収率が100%を超えていればの話です。超えていなければ、追い上げても定額でも減ります。

では、その2券種で100%を超えていると表示している設計はあるのか。18種を同じ物差しで並べたなかから、単勝・複勝を扱うものだけを抜き出します。

商材(販売ページの表示より) 券種 表示の回収率 余裕
ザ・フロントランナー 単勝 191% 1.91倍
アイ・ウイナー1 単勝1〜4点 184.7% 1.85倍
ゴールデンホース 複勝・単勝 150%以上 1.50倍
コンピの極意 単勝 111% 1.11倍
同上 複勝 100% 1.00倍
ザ・フロントランナー 複勝 90% 0.90倍

同じ教材でも、単勝1.91倍と複勝0.90倍で券種が分かれています。 余裕 = 回収率なので、複勝側は100%を割っている表示です。

これらはすべて販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトが購入して検証した数値ではありません。あなたが自分の40レースで測った回収率のほうが、判断材料としては上です。表示はその測定を始める理由にはなりますが、測定の代わりにはなりません。

賭け方を決める前にやる3ステップ

3つとも、賭ける前にできる
3つとも、賭ける前にできる

3つとも賭ける前にできます。順番が逆になって「負けてから賭け方を変える」と、必要軍資金を計算しないまま倍率だけが上がっていきます。

複勝で1.2632倍、単勝で1.0746倍。この2つなら、あなたの10万円で持ちます。それ以外の券種を追い上げたいなら、必要な軍資金を先に出してから決めてください。


この記事の計算方法

  • 総回収率 = Σ(賭け金 × 1レースの回収率) ÷ Σ賭け金 = 1レースの回収率。賭け金が分子と分母の両方に乗るため、どんな賭け金列でも約分で消えます。
  • 追い上げ倍率 = 平均配当 ÷ (平均配当 − 1)。この倍率のとき、n連敗後に勝った利益は 初期額 ×(平均配当 − 1) になり、nに依存しません。
  • 必要軍資金 = 初期額 ×(倍率^n − 1) ÷ (倍率 − 1)(等比数列の和)。逆に解くと、軍資金Gで耐えられる連敗数は log(G×(倍率−1)÷初期額 + 1) ÷ log(倍率) です。
  • 10%の確率で起きる連敗数 = log(0.10) ÷ log(1 − 的中率)。でたらめに1点買ったときの的中率を使いました(複勝16.667% / 単勝5.556% / ワイド1.961% / 馬連0.654% / 3連複0.123% / 3連単0.020%)。
  • 平均配当は18頭立ての理論値(複勝4.800 / 単勝14.400 / ワイド39.525 / 馬連118.575 / 3連複612.000 / 3連単3,549.600倍)です。実際のレースの値ではありません。
  • 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
  • この記事は賭け方を推奨するものではなく、手持ちで成立するかどうかを判定する手順を示したものです。

まとめ

  • 賭け方は回収率の式の右辺に入りません。 定額・2倍追い上げ・フィボナッチの総回収率は3通りとも110.00%で一致します
  • 追い上げ倍率 = 平均配当 ÷ (平均配当 − 1)。複勝1.2632 / 単勝1.0746 / 3連単1.0003
  • 利益は初期額 ×(平均配当 − 1) で、何連敗のあとに勝っても同じです
  • 20連敗に耐える軍資金は、コイン投げ1億486万円に対し3連単2,005円で52,300倍の差
  • ただし10%で起きる連敗は複勝13に対し3連単11,273。資金の小ささと連敗の長さが逆向きに効きます
  • 差し引きで、軍資金10万円で持つのは複勝(23対13)と単勝(60対41)まで。馬連から先は足りません
  • 追い上げ・ころがし・回避の3つとも、トントンを超えているかどうかの符号は変えません

あなたが次にやることは、賭け方を選ぶことではなく、いまの券種の回収率を40レースぶん出すことです。 100%を超えていれば、置く額の話が意味を持ちます。

→ 18種類の馬券術を同じ物差しで並べたハブ記事を読む


公営競技はのめり込みすぎると生活に支障が出ることがあります。使う金額と回数はあらかじめ決めてください。負けを取り返そうとして賭け金が増えていると感じたら、いったん離れてください。ご自身やご家族のことで気になることがあれば、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(https://scga.jp/)にご相談ください。

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