※本記事はアフィリエイト広告を含みます。
日曜の夜、あなたはスマホの収支アプリを開いて、その日の数字を入力します。
−3,200円。 半年ぶんのグラフは、ゆるやかに右下へ伸びています。累計で−80,000円。
「ちゃんとつけてはいるんだけどな」
つけているのは本当です。ただ、そのグラフからは次に何を変えればいいかが出てきません。
理由は1つ。収支は「差」で、回収率は「比」だからです。差だけ記録していると、比が復元できません。
先に結論:同じ−20,000円が、50.00%にも98.00%にもなります

回収率は、この式で出ます。
回収率 = 1 + 収支 ÷ 投資額
収支が同じ−20,000円でも、投資額が違えば答えが変わります。

| 投資額 | 払戻額 | 回収率 |
|---|---|---|
| 40,000円 | 20,000円 | 50.00% |
| 50,000円 | 30,000円 | 60.00% |
| 100,000円 | 80,000円 | 80.00% |
| 200,000円 | 180,000円 | 90.00% |
| 500,000円 | 480,000円 | 96.00% |
| 1,000,000円 | 980,000円 | 98.00% |
上と下で48ポイントの開きがあります。あなたのアプリに出ている−20,000円は、この6行のどれなのかを教えてくれません。
いちばん下なら、あと2ポイント上げれば100%です。いちばん上なら、倍にしないと届きません。打つ手が正反対になります。
あなたのアプリが出しているのは、この表でいうと左端の列だけです。真ん中の列を書き足せば、右端が自動的に決まります。
逆に、回収率が同じでも収支の額は変わります
同じことを反対から見ます。

| 投資額 | 回収率 | 収支 |
|---|---|---|
| 50,000円 | 90.0% | −5,000円 |
| 100,000円 | 90.0% | −10,000円 |
| 200,000円 | 90.0% | −20,000円 |
| 500,000円 | 90.0% | −50,000円 |
設計はまったく同じなのに、収支の額は10倍違います。買った量が違うだけです。
つまり収支の額が増えたことは、設計が悪化したことを意味しません。 たくさん買えば、同じ回収率でも額は増えます。逆に額が減ったのは、買う量を減らしただけかもしれません。
あなたのグラフの傾きは、設計と買った量の両方が混ざった形をしています。混ざったままでは、どちらを直せばいいか分かりません。回収率そのものの出し方は回収率の計算の記事にまとめました。
取り返すのに要る額は、回収率だけで決まります
いちばん知りたいのはここだと思います。

必要な追加投資額 = |収支| ÷ (回収率 − 1)
| これからの回収率 | 必要な追加投資額 |
|---|---|
| 90.0% | 取り返せません |
| 95.0% | 取り返せません |
| 100.0% | 取り返せません |
| 102.0% | 1,000,000円 |
| 105.0% | 400,000円 |
| 110.0% | 200,000円 |
| 120.0% | 100,000円 |
| 150.0% | 40,000円 |
回収率が100%以下だと、この式は成り立ちません。 分母が0以下になるからです。いくら買っても取り返せません。
これは意志や根気の問題ではなく、割り算の形の問題です。回収率を100%より上に持っていかないかぎり、買う量を増やす行為はマイナスを増やす行為になります。
回収率90%のまま買い足すと、どうなるか
数字で確認します。いま−20,000円で、回収率90.0%のまま買い続けた場合です。

| 追加で買う額 | そのときの収支 |
|---|---|
| 100,000円 | −30,000円 |
| 200,000円 | −40,000円 |
| 500,000円 | −70,000円 |
| 1,000,000円 | −120,000円 |
100万円買い足すと、−20,000円が−120,000円になります。追加投資の10.0%が、そのまま乗っていく形です。
先に上げるのは回収率で、額はそのあとです。順番を逆にすると、この表を下へ進むことになります。
あなたが1レースあたりに置く金額を変えても、この表の形は変わりません。変わるのは進む速さだけです。1点あたりの単位の決め方は点数の記事にまとめました。
競馬は、余裕のある範囲で楽しむものです。取り返すという言葉が出てきた時点で、いったん買うのをやめて回収率を確かめるほうが早いという話でもあります。
収支アプリに要る列は4つです
では何を記録するか。列の数と、そこから出せる数字を並べます。

| 記録する列 | 出せるもの |
|---|---|
| 収支だけ(1列) | 収支 |
| 投資額・払戻額(2列) | 収支・回収率 |
| +的中回数(3列) | 平均配当・1的中あたりの投下点数 |
| +買い目点数(4列) | 必要的中率・的中率・余裕 |
いちばん上は、収支しか出ません。1列だけ記録している人は、1つの数字しか手に入れていないことになります。
2列目を見てください。投資額と払戻額の2つがあれば、収支は引き算で出ます。 つまり収支は記録する必要がありません。
収支アプリで唯一、書かなくていい列が収支です。 書くのは投資額と払戻額のほうです。
4列そろうと、当サイトが使っている数字が全部出ます。1的中あたりの投下点数の使い方はAI競馬予想の記事に書きました。
あなたが3列目まで書けば、平均配当が出ます。平均配当が出れば、そのレースが成立していたかどうかを後から判定できます。判定の考え方は期待値の記事で扱いました。
4列を埋めると、こう出ます
1か月ぶんの例です。1点100円で、100レースに12点ずつ買ったとします。

| 記録した値 | 出てくる数字 |
|---|---|
| 投資額 120,000円(1,200点) | 収支 −20,000円 |
| 払戻額 100,000円 | 回収率 83.33% |
| 的中回数 12回 | 平均配当 83.33倍 / 1的中あたり 100.00点 |
| 買い目点数 12点 | 必要的中率 14.40% / 的中率 12.0% / 余裕 0.8333倍 |
冒頭の「−20,000円」が、ここでは7つの数字に分解されています。
余裕0.8333倍は、回収率83.33%とぴったり同じ値です。この2つは同じものを2通りに書いているだけで、片方が出ればもう片方も出ます。
そして直す場所が見えます。必要的中率14.40%に対して、実績の的中率が12.0%。足りないのは2.4ポイントです。点数を12点から10点に減らせば必要的中率は12.00%まで下がり、届く計算になります。1点減らす効果の大きさは競馬予想の仕方の記事で換算表にしました。
「4列も入力するのは面倒」
正直、ここが続くかどうかの分かれ目だと思います。
いまは日曜の夜に1つ入れるだけ。それが4つになると、単純に4倍の手間です。そのうち入力しなくなるのが目に見えています。
ただ、増えるのは入力の回数ではありません。1回あたりの項目が3つ増えるだけです。回数は同じ週1回で構いません。
半年後を2通り並べます。片方は、右肩下がりのグラフだけが残っている状態。傾きの原因が買った量なのか設計なのかは、最後まで分かりません。
もう片方は、月ごとの回収率が6つ並んでいる状態です。83.33%、91.20%、88.05%と続いていれば、設計が動いているのか止まっているのかが読めます。 金額の大小に振り回されなくなります。
あなたが入力するのは、その週の投資額と払戻額と的中回数と点数。この4つだけです。
投資額と払戻額は、投票履歴の画面にそのまま出ています。あなたが新しく数えるのは、的中回数と点数の2つだけになります。
収支表を作る3ステップ

- 収支の列を消す。 払戻 − 投資 で出るので、書く必要がありません
- 投資額・払戻額・的中回数・買い目点数の4列にする。 週1回でまとめて構いません
- 月末に回収率と余裕を出す。 回収率 = 払戻 ÷ 投資。余裕はそれと同じ値です
3で100%を割っていたら、直す場所は点数か配当帯です。金額を増やす選択肢は、100%を超えるまで出てきません。
すでに使っている収支アプリがあるなら、メモ欄に3つ書き足すだけでも足ります。アプリを乗り換える必要はありません。
あなたが週1回だけ開くなら、その1回で4つ埋まっていれば十分です。月末に電卓を2回叩くと、回収率と余裕が出ます。
販売ページの数字が「比」で書かれている理由
市販の馬券術が的中率と回収率を出しているのは、比なら買った量に関係なく比べられるからです。

| 馬券術 | 販売ページの表示 | 当サイトの採点 |
|---|---|---|
| 3連馬券1点主義 | 的中率3.4% / 回収率316.0% | 平均配当92.9倍 → 必要1.08% / 余裕3.16倍 |
| ザ・フロントランナー | 単勝 実績9.2% | 必要4.81% / 余裕1.91倍 |
| スーパープレデター馬券術 | 勝負レースで137% | 必要33.6% / 検証11,378レース |
どれも金額では書かれていません。 金額で書くと、買った量が違う人には読めないからです。
あなたの記録も同じ形にすると、販売ページの数字とそのまま並べられます。 「回収率83.33%の自分」と「回収率137%と書いてある商品」を、同じ物差しで比べられる状態になります。
必要的中率も余裕も、各販売ページの表示(2026年9月時点)からの逆算です。当サイトが購入して検証した数値ではありません。
よくある質問
Q. 競馬の収支アプリは何を記録すればいいですか
投資額・払戻額・的中回数・買い目点数の4つです。収支は払戻から投資を引けば出るので、記録しなくて構いません。
Q. なぜ収支だけでは足りないのですか
収支は差なので、投資額が分からないと比が出ません。同じ−20,000円でも、投資40,000円なら回収率50.00%、1,000,000円なら98.00%です。
Q. 回収率はどう出しますか
払戻額 ÷ 投資額です。収支から出すなら 1 + 収支 ÷ 投資額 でも同じ値になります。
Q. マイナスを取り返すにはいくら必要ですか
|収支| ÷ (回収率 − 1) です。回収率が100%以下だと分母が0以下になり、いくら買っても取り返せません。
Q. 収支のグラフが右肩下がりなら設計が悪いのですか
分かりません。買った量が増えただけでも傾きは急になります。設計を見るには回収率のほうを並べてください。
Q. アプリを乗り換える必要はありますか
ありません。いま使っているアプリのメモ欄に、投資額・払戻額・的中回数・点数を書き足すだけで足ります。
Q. 余裕と回収率は違う数字ですか
同じ値です。余裕 = 的中率 ÷ 必要的中率で、展開すると回収率の式になります。4列そろうとどちらからでも出せます。
まとめ
- 収支は「差」、回収率は「比」。 差だけ記録していると比が復元できません
- 回収率 = 1 + 収支 ÷ 投資額。 同じ−20,000円が50.00%から98.00%まで散ります
- 同じ回収率90.0%でも、収支は投資額しだいで−5,000円から−50,000円まで変わります
- 必要な追加投資額 = |収支| ÷ (回収率 − 1)。 回収率100%以下では取り返せません
- 回収率90%のまま100万円買い足すと、−20,000円が−120,000円になります
- 記録する列は投資額・払戻額・的中回数・買い目点数の4つ。収支は引き算で出ます
- 4列そろうと、回収率・平均配当・必要的中率・余裕まで7つの数字が出ます
次に収支アプリを開いたら、金額の隣にその日の投資額と的中回数を書き足してください。2週間ぶんたまれば、回収率が出ます。
その回収率を、同じ物差しで並べた採点表があります。
この記事の計算方法
- 回収率 = 払戻額 ÷ 投資額 = 1 + 収支 ÷ 投資額(同じ値の2通りの書き方です)
- 必要な追加投資額 = |収支| ÷ (回収率 − 1)。回収率が100%以下だと分母が0以下になるため、この式は値を持ちません(取り返せません)
- 必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ(控除率は入れません。パリミュチュエルなのでオッズ側に入っています)
- 余裕 = 的中率 ÷ 必要的中率 = 回収率(同じ値です)
- 平均配当オッズ = 払戻額 ÷ (的中回数 × 1点あたりの金額)
- 4列の例は、1点100円・100レースに12点ずつ・投資120,000円(1,200点)・払戻100,000円・的中12回で計算しています。読み方を示すための例示で、実在の記録ではありません
- 本文の「−20,000円」「回収率90.0%」などはすべて例示です。 特定の買い方の成績ではありません
- 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%)
- 馬券術の的中率・回収率は各販売ページの表示(2026年9月時点)です。当サイトが購入して検証した数値ではありません
- 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません
- のめり込みにお困りの方は、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会などの相談窓口をご利用ください