MENU

ころがしで増えるのは倍率だけで、回収率は3乗されます|ころがしくん レビュー

※本記事はアフィリエイト広告を含みます。

日曜の夕方、あなたは財布から1万円札を1枚だけ抜いて、机に置きました。

複勝1点。10戦9勝。具体例では回収率214%。 販売ページの数字は覚えやすく、価格も2,480円です。転がして4回。それだけで1万円が10万円になる絵が、頭の中に浮かんでいます。

「4回なら、当たる気がする」

ただ、ころがしは1回あたりの回収率を1ミリも動かしません。 動かすのは倍率だけです。90%当てても、1回あたりが99.0%なら、転がした回数ぶんだけ減っていきます。

この記事で出すのは、あなたが転がす回数を決める前に見るべき、たった1つの数値です。

目次

先に結論:ころがしは底ではなく指数を動かす

ころがしは掛け算です。1レース目の払い戻しを全額2レース目に入れ、その払い戻しを3レース目に入れる。だから3レース終わったときの回収率は、1回あたりの回収率を3回掛けた値になります。

ころがしは指数だけを動かし、底には触れない
ころがしは指数だけを動かし、底には触れない

式にすると1行です。

ころがし後の回収率 = (1回あたりの回収率) の n乗
1回あたりの回収率 = 的中率 × 平均配当 ÷ 買い目点数

複勝1点なら点数は1で固定なので、下の式は 的中率 × 平均配当 だけになります。

ここで大事なのは、ころがしが式のどこにも入っていないことです。ころがしは n を動かすだけで、底にあたる「1回あたりの回収率」には手を触れません。

底が100%を割っていると、回数が敵に回る

同じ式を、1回あたりの回収率を変えて並べてみます。

100.0%の行だけが、何回転がしても動かない
100.0%の行だけが、何回転がしても動かない

100.0%の行だけが、何回転がしても100.0%のまま動きません。ここが分岐点です。

上にいれば、回数はあなたの味方になります。120.0%なら10連で619.2%。倍率が跳ね上がります。

下にいれば、回数は敵になります。何も考えずに複勝を買い続けた人の回収率は払戻率そのもので80.0%ですが、これを3回転がすと51.2%、10回で10.7%です。転がさずに10レース買うより、転がしたほうが速く減ります。

倍率のほうも並べておきます。こちらが、あなたが最初に思い浮かべた数字です。

複勝の平均配当 3連で 5連で 10連で
1.10倍 1.331倍 1.611倍 2.594倍
1.20倍 1.728倍 2.488倍 6.192倍
1.30倍 2.197倍 3.713倍 13.786倍
1.50倍 3.375倍 7.594倍 57.665倍
2.00倍 8.000倍 32.000倍 1,024.000倍

この表は当たり続けた場合の到達点なので、的中率がどこにも入っていません。だから、この表だけを見て回数を決めることはできません。

転がす回数を決める作業は、1つ前の表の左端の列が決まってからでないと始められません。

複勝1点なら、成立ラインは割り算1回で出る

では、その左端の列をどう出すか。販売ページに書かれている的中率から逆算できます。

点数が1で固定なので、割り算1回で線が出る
点数が1で固定なので、割り算1回で線が出る

複勝1点で1レースぶんの回収率が100%に届く条件は、平均配当 ≧ 1 ÷ 的中率 です。表示の「10戦9勝」=90.00%を入れると、1.1111倍が出ます。

的中率を振ると、こうなります。

表示の的中率 必要な複勝の平均配当
90% 1.1111倍
80% 1.2500倍
70% 1.4286倍
60% 1.6667倍
50% 2.0000倍

当たりやすい設計ほど、必要な配当は低くて済みます。 90%の1.1111倍は、複勝の配当としては決して高くありません。ここだけ見ると、成立しそうに見えます。

ところが1.1111倍は、市場が「72.00%」と見ている位置

複勝のオッズは、市場がその馬をどれくらい来ると見ているかの裏返しです。当サイトではこの翻訳を1つの式で行っています。

市場の勝率 = (1 ÷ オッズ) × 払戻率

複勝の払戻率は80.0%なので、1.1111倍の複勝は (1÷1.1111)×0.80 = 72.00% です。市場は「10回に7.2回来る馬」として値段を付けている、ということになります。

成立ラインで必要リフトが1.2500倍に一致する
成立ラインで必要リフトが1.2500倍に一致する

つまり表示の90%は、市場が72.00%と見ている馬を、90%当てるという主張です。比を取ると 0.90 ÷ 0.72 = 1.2500倍。

ここで面白いことが起きます。この1.2500倍は、血統や馬場の効き目を測る記事で出した「単勝・複勝1頭でトントンに乗せるのに必要なリフト」とまったく同じ値です。どちらも 1 ÷ 払戻率 = 1.2500 に落ちます。

別々の入口から入って同じ数字に出るので、この1.2500倍は計算ミスではありません。 券種を複勝に決めた時点で、越えるべき線は1.2500倍と決まっている。それだけのことです。

販売ページを見に行って、1つだけ足りなかった

では、その1.2500倍を越えているかどうかは、販売ページから分かるのか。書かれていることを並べます。

点数も券種も明記。足りないのは平均配当だけ
点数も券種も明記。足りないのは平均配当だけ

点数は1点と明記されています。券種も複勝と明記されています。的中率も90%と明記されています。 ここまではっきり書かれている教材は、18種を見てきた中でも少ないほうです。

足りないのは1つ、平均配当(または回収率)です。

具体例として214%という数字はありますが、これが何レースぶんなのか、1回ぶんなのか転がした合計なのかが書かれていません。1回ぶんと読めば必要な平均配当は2.3778倍、3連ころがしの合計と読めば1回あたり128.87%で平均配当1.4318倍。読み方で1.66倍ずれます。

したがって、当サイトの採点(余裕)はできません。 18種のうち採点できたのは7種で、これは採点できなかった側に入ります。

不可というのは評価が低いという意味ではなく、物差しに載せる数値がそろっていないという意味です。1点・複勝と固定されているぶん、あと1行あれば採点できる位置にあります。

10戦9勝は、本当は70%でも起きる

もう1つ、検証量の話をします。

「10戦9勝」という記録から、本当の的中率が90%だと決められるか。二項分布で計算すると、こうなります。

10戦では90%と70%を区別できない
10戦では90%と70%を区別できない

本当は70%の手法でも、10戦を1回やれば7回に1回は「9勝」が出ます。 80%なら2.7回に1回です。

これは「10戦9勝が嘘だ」という話ではありません。10戦という長さでは、90%と70%を区別できないという話です。そして90%と70%では、必要な平均配当が1.1111倍と1.4286倍で1.29倍違います。

ここまでを一度整理します。

  • 転がす回数を決める前に、1回あたりの回収率が要る
  • 複勝1点なら、それは 的中率 × 平均配当 で出る
  • 的中率は90%と書かれている。平均配当が書かれていない
  • 的中率の90%自体も、10戦では70%と区別が付かない

足りないのは信用ではなく、数値です。

4連勝した日の画面と、その次の日曜

日曜の夕方、あなたは4レース目の払い戻しを見ています。1万円が16,000円。的中率90%どおりなら4連勝は65.6%で起きることなので、これは珍しい出来事ではありません。思ったより簡単だった、というのが正直な感想のはずです。

ここで、あなたは次の日曜も同じことをします。今度は3レース目で外れました。16,000円が0円です。

10万円に届かなかった理由は、外れたことではありません。 1回あたりの回収率が100%を割っていたからです。外れは90%の設計でも10回に1回は来ます。来ることが分かっているものは、理由になりません。

連勝が続く確率のほうも、的中率別に出しておきます。

本当の的中率 2連 3連 4連 5連 10連
90% 81.0% 72.9% 65.6% 59.0% 34.9%
80% 64.0% 51.2% 41.0% 32.8% 10.7%
70% 49.0% 34.3% 24.0% 16.8% 2.8%
60% 36.0% 21.6% 13.0% 7.8% 0.6%

90%なら4連勝は65.6%。3回に2回は起きます。 だから4連勝したこと自体は、手法が正しい証拠になりません。

元手を10倍にするのに必要な連勝数を、複勝のオッズ別に出しました。的中率は表示どおり90%としています。

複勝の平均配当 10倍に必要な連勝 その達成確率 1回あたりの回収率 その回数ぶんの期待値
1.05倍 48回 0.64% 94.5% 6.6%
1.10倍 25回 7.18% 99.0% 77.8%
1.1111倍 22回 9.85% 100.0% 100.0%
1.20倍 13回 25.42% 108.0% 272.0%
1.30倍 9回 38.74% 117.0% 410.8%
1.50倍 6回 53.14% 135.0% 605.3%

1.10倍と1.20倍の差は0.10倍しかありませんが、必要な連勝数は25回と13回で半分になります。 そして期待値は77.8%と272.0%で3.5倍違います。

転がす回数をどれだけ工夫しても、この差は埋まりません。埋まるのは、買う馬の複勝配当を0.10倍上げたときだけです。

「安いから試す」の安さを、負担ポイントに直す

2,480円という価格は、18種の中で2番目に安い位置です(最安は1,800円のコンピの極意)。

安さを採算に直すには、負担ポイントを使います。教材費が回収率を何ポイント削るか、という数字です。

負担ポイント = 価格 ÷ (年間購入レース数 × 使用年数 × 賭け金) × 100

2,480円は判断から外していい大きさ
2,480円は判断から外していい大きさ

左上の3.97ptでも、表示110%が実質106.03%にしかなりません。 1レース300円を3年なら0.44pt。ほとんど無視できます。

回収レース数でも見ておきます。2,480円を取り戻すのに何レースかかるか、という数です。

1レースの投資額 回収率105% 回収率110% 回収率120%
100円 496レース 248レース 124レース
300円 165レース 83レース 41レース
1,000円 50レース 25レース 12レース

1レース300円・回収率110%なら83レースで教材費が戻ります。週末に2レースずつなら10か月です。

2,480円という価格は、判断から外していい大きさだと言えます。ここで迷う必要はありません。迷うべきは、平均配当が書かれていないことのほうです。

複勝を扱う商材を、同じ物差しに並べる

複勝は当たりやすいぶん配当が低く、回収率が100%前後に張りつきやすい券種です。同じ物差しに並べると、そのことがはっきり出ます。

複勝は配当が低く、100%前後に張りつく
複勝は配当が低く、100%前後に張りつく

余裕 = 回収率なので、複勝の表示がそのまま採点になります。

ザ・フロントランナーは複勝90%=余裕0.90倍で、複勝側は100%を割っています(同じ教材の単勝側は191%です)。コンピの極意は複勝100%=ちょうどトントン。ゴールデンホースが150%以上で、複勝を扱う4本の中では最も余裕があります。

複勝で余裕を作るのが簡単ではないことが、この並びから読めます。その中で、ころがしくんは数値がそろっていないため位置が確定しません。

転がす前に、20レース測る

では、あなたは何をすればいいか。3ステップです。

何連勝を狙うかは、3番目に決めること
何連勝を狙うかは、3番目に決めること

順番が逆になりやすいところです。 何連勝を狙うかは3番目で、1番目と2番目が終わるまでは決められません。

記録するのは2列だけです。当たったかどうかと、複勝の配当。20レースぶんで1回あたりの回収率が出ます。買わずに記録するだけなら、元手はゼロです。

この教材はChatGPT環境を使う設計なので、出てきた1点をそのまま20レース記録すれば、そのまま1回あたりの回収率になります。買う前に測れる形をしているのは、この教材の使いやすいところです。

この教材とかみ合う人・かみ合わない人

分かれ目は価格ではなく、測るかどうか
分かれ目は価格ではなく、測るかどうか

分かれ目は価格ではありません。転がす前に1回あたりを測るかどうかです。

測らずに回数だけ増やすと、底が1.00未満のときにいちばん速く減ります。逆に測ってさえいれば、2,480円の負担は3年で0.44ptしか乗りません。

計算方法(この記事の数値の出し方)

  • ころがし後の回収率 = (1回あたりの回収率) の n乗。1レース目の払い戻し全額を次に入れる前提です。一部だけ転がす場合は倍率が下がり、分岐点の100%は変わりません。
  • 1回あたりの回収率 = 的中率 × 平均配当 ÷ 買い目点数。複勝1点なので点数は1です。
  • 必要な平均配当 = 1 ÷ 的中率。上の式を平均配当について解いた形です。
  • 市場の勝率 = (1 ÷ オッズ) × 払戻率。複勝の払戻率は80.0%(2014年6月7日改定)を使いました。
  • 10戦9勝以上が出る確率は二項分布で、P(k≧9) = 10×p⁹×(1−p) + p¹⁰ です。
  • 負担ポイント = 価格 ÷ (年間購入レース数 × 使用年数 × 賭け金) × 100。年624レースは中央競馬で週12レース買った場合の概算です。
  • 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
  • 販売ページの数値はすべて販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトの計算と書き分けています。当サイトはこの教材を購入しておらず、使用感・サポート・中身については扱いません。

まとめ

  • ころがしは回収率を n乗する装置で、1回あたりの回収率は1ミリも動かしません
  • 1回あたりが100%を超えていれば回数が味方に、割っていれば回数が敵になります
  • 複勝1点の成立条件は 平均配当 ≧ 1 ÷ 的中率。表示90%なら1.1111倍
  • その1.1111倍は市場が72.00%と見ている位置で、90%当てるにはリフト1.2500倍が必要です
  • 販売ページに平均配当(回収率)の記載がないため、当サイトの採点は不可です
  • 10戦9勝は、本当の的中率が70%でも14.93%の確率で出ます
  • 2,480円の負担は1レース300円・3年で0.44pt。価格は判断から外して構いません

あなたが次に確認するのは、販売ページの「平均配当」または「回収率」の1行です。 あれば、この記事の1.1111倍と比べるだけで採点が終わります。

→ ころがしくんの販売ページで、平均配当の記載を探す

→ 18種類の馬券術を同じ物差しで並べたハブ記事を読む


公営競技はのめり込みすぎると生活に支障が出ることがあります。使う金額と回数はあらかじめ決めてください。ご自身やご家族のことで気になることがあれば、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(https://scga.jp/)にご相談ください。

ほかの馬券術と比べる

当たっているのに増えないのは、点数で割っていないからです|馬券術18種を必要的中率で採点【2026年】

個別のレビュー

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次