MENU

複勝とは「3着以内」とは限りません|7頭立てが10頭立てより当たりにくい理由

※本記事はアフィリエイト広告を含みます。

日曜の1レース目。出馬表は7頭立てでした。

あなたは少し安心します。18頭のレースより、7頭のほうが3着以内に入る馬を当てやすいはずだからです。本命の複勝を1点、いつもどおり買いました。

結果は3着。払い戻しはありませんでした。

「3着なのに、なんで当たってないんだ」

出走が7頭以下のレースでは、複勝は2着までしか当たりません。 JRAが公表しているルールです。そして頭数が減ったぶん当たりやすくなるという感覚は、ここで裏返ります。7頭立ての複勝は、10頭立てより当たりにくい券です。

目次

先に結論:複勝の的中範囲は、出走頭数で変わります

複勝の的中範囲は3着までで固定ではない
複勝の的中範囲は3着までで固定ではない

JRAの複勝は、こう決まっています。

出走頭数 的中範囲
8頭以上 3着まで
5〜7頭 2着まで
4頭以下 複勝は発売されない

出典はJRAの競馬用語辞典です。当サイトの解釈ではなく、公表されているルールなので、出馬表の頭数を見た時点で確定します。

「複勝は3着以内に入れば当たる」という説明は、8頭以上のレースについてだけ正しいということになります。

8頭が7頭になると、越えるべき線が1.3125倍に跳びます

このルールは、採算の側に段差を作ります。

でたらめに1頭選んだときの的中率は「的中範囲の着順数 ÷ 出走頭数」です。8頭立てなら 3 ÷ 8、7頭立てなら 2 ÷ 7。

8頭と7頭のあいだで、線が不連続に跳ぶ
8頭と7頭のあいだで、線が不連続に跳ぶ
8頭立て 7頭立て 変化
的中範囲 3着まで 2着まで ―
でたらめ1点の的中率 37.500% 28.571% 0.7619倍
越えるべき複勝オッズ 2.667倍 3.500倍 1.3125倍
理論平均配当 2.133倍 2.800倍 1.3125倍

1頭減っただけで、越えるべき線が1.3125倍に跳びます。 この数字はちょうど 21 ÷ 16 で、(3÷8) と (2÷7) の比の逆数です。

段差の理由は単純です。あなたの選ぶ馬は変わっていません。当たる枠が1つ消えるのに、頭数は1頭しか減らないからです。分子が3分の2になり、分母は8分の7にしかならないので、割り算の結果が下がります。

7頭立ては、10頭立てより当たりにくい

段差の影響は、隣の頭数だけにとどまりません。頭数を並べると、7頭のところで谷ができます。

出走頭数別の、複勝の合格ライン
出走頭数別の、複勝の合格ライン
出走頭数 的中範囲 でたらめ1点の的中率 越えるべき複勝オッズ 理論平均配当
18頭 3着 16.667% 6.000倍 4.800倍
14頭 3着 21.429% 4.667倍 3.733倍
12頭 3着 25.000% 4.000倍 3.200倍
10頭 3着 30.000% 3.333倍 2.667倍
9頭 3着 33.333% 3.000倍 2.400倍
8頭 3着 37.500% 2.667倍 2.133倍
7頭 2着 28.571% 3.500倍 2.800倍
6頭 2着 33.333% 3.000倍 2.400倍
5頭 2着 40.000% 2.500倍 2.000倍

7頭立ての28.571%は、10頭立ての30.000%を下回っています。

つまり出走が10頭から7頭に減ると、頭数は3頭少ないのに、でたらめに選んだ1頭が当たる確率は下がります。越えるべき複勝オッズも3.333倍から3.500倍へ上がります。

少頭数だから堅い、というあなたの感覚が唯一裏返るのが7頭立てです。

9頭立てと6頭立ては、まったく同じです

もう1つ、表から拾えることがあります。

9頭立て(3 ÷ 9)と6頭立て(2 ÷ 6)は、どちらも33.333%です。 越えるべき複勝オッズも3.000倍、理論平均配当も2.400倍で、3つとも一致します。

出走頭数が1.5倍違うのに、複勝の合格ラインは1ミリも変わりません。あなたが見るべきは頭数そのものではなく、的中範囲の着順数で割った値だということが、この一致から分かります。

「少頭数のほうが堅いと思っていた」

ここで引っかかる人が多いと思います。実感として、少頭数のレースは当てやすいはずだからです。

その実感は、半分は合っています。 8頭立ての37.500%は18頭立ての16.667%の2.25倍で、当たる回数ははっきり増えます。5頭立てなら40.000%です。

合っていないのは、7頭という1点だけです。ここだけ的中範囲が縮むので、当たりやすさが10頭立てより下がります。

そして当たりやすさが上がっても、もう1つ動くものがあります。配当です。 8頭立ての理論平均配当は2.133倍しかありません。18頭立ての4.800倍と比べると2.25分の1で、的中率が増えたぶんがそのまま配当から引かれています。

だからあなたが少頭数レースを「当たりやすい」と読むのは正しく、「有利」と読むのは正しくありません。

当サイトが書いた「単勝の3.000倍」を、頭数で開きます

券種別の回収率の記事で、当サイトはこう書きました。「複勝が単勝のちょうど3.000倍当たるのは、理論平均配当がちょうど3分の1だから」。

これは18頭立てを前提にした書き方でした。頭数で開くとこうなります。

複勝が単勝の何倍当たるかは、的中範囲の着順数そのもの
複勝が単勝の何倍当たるかは、的中範囲の着順数そのもの
出走頭数 単勝の的中率 複勝の的中率 複勝 ÷ 単勝 理論平均配当の比
18頭 5.556% 16.667% 3.000倍 3分の1
12頭 8.333% 25.000% 3.000倍 3分の1
8頭 12.500% 37.500% 3.000倍 3分の1
7頭 14.286% 28.571% 2.000倍 2分の1
5頭 20.000% 40.000% 2.000倍 2分の1

倍率の正体は的中範囲の着順数そのものでした。8頭以上なら3.000倍、7頭以下なら2.000倍です。

前の記事の3.000倍は誤りではありませんが、「8頭以上のとき」という条件が抜けていました。 ここで補います。

回収率は、どの頭数でも80.0%です

段差があっても、動かないものがあります。回収率です。

頭数が変わっても、でたらめの回収率は払戻率のまま
頭数が変わっても、でたらめの回収率は払戻率のまま
出走頭数 的中率 理論平均配当 回収率 年200レースの収支
18頭 16.667% 4.800倍 80.0% −4,000円
10頭 30.000% 2.667倍 80.0% −4,000円
8頭 37.500% 2.133倍 80.0% −4,000円
7頭 28.571% 2.800倍 80.0% −4,000円
5頭 40.000% 2.000倍 80.0% −4,000円

的中率が16.667%から40.000%まで2.4倍動いても、回収率は80.0%で1ポイントも変わりません。 1点100円で年200レース買えば、どの頭数でも年4,000円ずつ減ります。

これは券種を替えても回収率が動かないのと同じ形です。理由は買い目点数の記事に書きました。

頭数が動かすのは、合格ラインの位置だけです。的中率と配当が同じ倍率で反対向きに動くので、比である回収率には出てきません。

越えるべき複勝オッズの使い方

表の「越えるべき複勝オッズ」は、でたらめに1頭選んだ人がトントンになる線です。買い判断そのものではありません。

越えるべき複勝オッズは買い判断ではなく市場の読み方
越えるべき複勝オッズは買い判断ではなく市場の読み方

読み方は2つあります。

1つ目。あなたが選んだ馬の複勝オッズが、その線を下回っているとき。 市場は「この馬はでたらめに選んだ1頭より入着しやすい」と見ています。買うなら、市場の見立てを自分がさらに上回っている必要があります。

2つ目。線を上回っているとき。 市場は「でたらめに選んだ1頭より入着しにくい」と見ています。あなたがそう思わないなら、そこにずれがあります。

必要な入着率そのものは 1 ÷ 複勝オッズ で、これは頭数によりません。複勝1.5倍なら66.67%です。頭数で変わるのは、その66.67%がでたらめの何倍にあたるかのほうです。

複勝オッズ 必要な入着率 18頭 10頭 8頭 7頭
1.2倍 83.33% 5.000倍 2.778倍 2.222倍 2.917倍
1.5倍 66.67% 4.000倍 2.222倍 1.778倍 2.333倍
2.0倍 50.00% 3.000倍 1.667倍 1.333倍 1.750倍
3.0倍 33.33% 2.000倍 1.111倍 0.889倍 1.167倍

同じ複勝1.5倍でも、18頭立てなら4.000倍、8頭立てなら1.778倍。 要求される上振れが2.25倍違います。8頭立ての複勝3.0倍だけは0.889倍で、でたらめでも届く数字です。

複勝オッズは下限〜上限の幅で出ます。線と比べるときは下限のほうを当ててください。幅そのものの読み方は複勝オッズの幅の記事にまとめました。

次に出馬表を開いたとき

こういう順番になります。

まず頭数を数える。8頭以上か、7頭以下か。7頭以下ならその日は「3着以内」という言葉を頭から消します。 そのうえで複勝オッズを見て、越えるべき線と比べる。

あなたの判断が1つ増えるだけで、3着で紙切れになるレースがなくなります。

この確認をしないとどうなるか。7頭立てや6頭立ての日に、あなたは18頭立てと同じ感覚で複勝を買います。当たりやすいと思って買った馬が、いちばん当たりにくい条件の券だったという結果になります。1年に何度あるかは開催次第ですが、起きたときに理由が分からないのがいちばん困ります。

正直に書いておくと、この記事で回収率は上がりません。でたらめに選ぶかぎり、どの頭数でも80.0%です。 頭数を見ても、当たる馬が分かるようにはなりません。

それでも、越えるべき線がいまいくつなのかを言えるようになります。 線を知らずに買うのと知って買うのとでは、あとで記録を見返したときに読み取れるものが変わります。

4頭以下では、複勝が発売されません

最後に、めったに起きないほうの端も書いておきます。

出走が4頭以下になると、複勝は発売されません。 取消や除外が重なって直前に頭数が減ることがあるので、買った後に発売が取りやめになる場合は返還されます。

5頭立ては発売され、2着までが的中です。的中率40.000%で、越えるべき複勝オッズは2.500倍。これが複勝でいちばん当たりやすい条件です。

複勝を使う馬券術の数字も、頭数で読み直せます

販売ページに出てくる複勝の的中率は、たいてい頭数が書かれていません。同じ的中率でも、どの頭数のレースで出したかで意味が変わります。

同じ的中率でも、頭数によってでたらめとの差が変わる
同じ的中率でも、頭数によってでたらめとの差が変わる
商材(販売ページの表示より) 表示の的中率 18頭立てのでたらめの何倍 8頭立てなら
ころがしくん 90.0% 5.400倍 2.400倍
ゴールデンホースビクトリーメソッド 70.0% 4.200倍 1.867倍
ザ・フロントランナー(複勝) 21.1% 1.266倍 0.563倍

いちばん下の行が分かりやすい例です。21.1%は18頭立てのでたらめ(16.667%)を1.266倍上回っていますが、8頭立てのでたらめ(37.500%)には届きません。

だからといってこの商材が劣るという話ではありません。「その的中率がどの頭数で出たのか」が書かれていないと、でたらめとの差を測れないというだけです。販売ページの数値は各ページの表示(2026年9月時点)で、当サイトはこれらを購入していません。

数値がそろっているかを先に数える手順は、販売ページを採点する記事にまとめました。

出馬表を開いたらやること

複勝を買う前の3ステップ
複勝を買う前の3ステップ
  1. 頭数を数える(8頭以上か、7頭以下か)
  2. 越えるべき複勝オッズを出す(出走頭数 ÷ 的中範囲の着順数)
  3. 複勝オッズの下限と比べる

3ステップとも、馬名を1頭も見ずにできます。予想を始める前の準備だと思ってください。

よくある質問

Q. なぜ7頭以下だと2着までなのですか
JRAが定めているルールで、理由は公表されていません。当サイトが言えるのは、そのルールが採算に与える影響(越えるべき線が1.3125倍になる)までです。

Q. 発走直前に頭数が減ったらどうなりますか
的中範囲は最終的な出走頭数で決まります。8頭が7頭になれば2着までです。買う前に確定していないので、ぎりぎりの頭数のレースでは注意してください。

Q. ワイドにも同じような条件がありますか
ワイドにも発売の条件がありますが、この記事では扱っていません。ワイドと馬連の選び方はワイド馬券の記事にまとめました。

Q. 越えるべき複勝オッズを超えている馬を買えばいいですか
そうとは限りません。その線は「でたらめに選んだ1頭がトントンになる水準」で、市場がその馬を低く見ているという情報でもあります。判断材料の1つとして使ってください。

Q. 複勝は1レースで何点まで同時に当たりますか
8頭以上なら3点、7頭以下なら2点です。だから複勝の成績は「率」ではなく「本数」で測ります。理由はボックスの記事に書きました。

Q. 地方競馬でも同じルールですか
この記事はJRA(中央競馬)の規定にもとづいています。主催者が違えば条件も変わるので、それぞれの公式情報を確認してください。

まとめ

  • JRAの複勝は、8頭以上で3着まで/5〜7頭で2着まで/4頭以下は発売なし。公表されたルールです
  • 8頭→7頭で、でたらめ1点の的中率は37.500%→28.571%(0.7619倍)に落ちます
  • 越えるべき複勝オッズは2.667倍→3.500倍(1.3125倍=21÷16)に跳びます
  • 7頭立て(28.571%)は10頭立て(30.000%)より当たりにくい。 少頭数ほど堅いという感覚が裏返る唯一の点です
  • 9頭立てと6頭立ては完全に同じ(33.333% / 3.000倍 / 2.400倍)
  • 「複勝は単勝の3.000倍当たる」は8頭以上のときだけ。 7頭以下は2.000倍です
  • 回収率はどの頭数でも80.0%。 的中率が2.4倍動いても、年200レースで一律−4,000円です
  • 必要な入着率は 1 ÷ 複勝オッズ で頭数によりません。頭数が変えるのは「でたらめの何倍か」です
  • 複勝1.5倍に必要な上振れは、18頭立てで4.000倍・8頭立てで1.778倍と2.25倍違います

次の出馬表では、馬名より先に頭数を数えてください。8か7か、それだけです。

頭数で線が動くのと同じように、券種と点数でも線は動きます。18種の馬券術を必要的中率で採点した表に、その位置を全部並べてあります。

馬券術18種を必要的中率で採点した表を見る


この記事の計算方法

  • 複勝の的中範囲(8頭以上=3着まで/5〜7頭=2着まで/4頭以下=発売なし)は、JRAが公表しているルールです(JRA競馬用語辞典「複勝式」、および「馬券の種類:はじめての方へ」)。当サイトの推定値ではありません
  • でたらめ1点の的中率 = 的中範囲の着順数 ÷ 出走頭数(8頭立てなら 3 ÷ 8 = 37.500%)
  • 越えるべき複勝オッズ = 1 ÷ でたらめ1点の的中率 = 出走頭数 ÷ 的中範囲の着順数(8頭立てなら 8 ÷ 3 = 2.667倍)
  • 理論平均配当 = 出走頭数 × 払戻率 ÷ 的中範囲の着順数(8頭立てなら 8 × 0.80 ÷ 3 = 2.133倍)
  • 8頭→7頭の跳ね上がり 1.3125倍 = (3 ÷ 8) ÷ (2 ÷ 7) = 21 ÷ 16
  • 必要な入着率 = 1 ÷ 複勝オッズ。表の倍率は、これをでたらめ1点の的中率で割った値です
  • 回収率 = 的中率 × 平均配当オッズ ÷ 買い目点数。でたらめ1点ではどの頭数でも払戻率の80.0%になります
  • 「年200レースで−4,000円」は1点100円・年200レース・回収率80.0%として計算した理論値です。実際の配当のばらつきは含みません
  • 複勝は1レースで最大3点(7頭以下なら2点)同時に当たるため、成績は「率」ではなく「本数」で測ります。 この記事の「でたらめ1点の的中率」は、特定の1頭が入着する確率です
  • 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%)
  • 本文の数字はすべて「でたらめに1頭選んだ場合」の理論値です。 特定のレースや買い方の成績ではありません
  • 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません
  • のめり込みにお困りの方は、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会などの相談窓口をご利用ください

買い目の点数を採算で見る

馬券術を採点表で見る

当たっているのに増えないのは、点数で割っていないからです|馬券術18種を必要的中率で採点【2026年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次