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土曜の夜、あなたは同じことを考えます。
「明日はどう買おうか」
競馬を始めて2年。予想はそれなりに楽しめるようになりました。 新聞も読むし、無料の予想サイトも3つほど巡回しています。
ところが、「買い方を決めた」と言える瞬間が来ません。
サイトを見るたびに「この馬も入れておくか」となり、日曜の朝には買い目が18点に増えています。 最初は10点のつもりでした。
何を決めたら、決めたことになるのか。 それが分からないまま2年が過ぎました。
この記事で出すのは、決める順番と、決めるたびに何が確定するかです。3つ閉じれば、その週のあなたの合格ラインが出ます。
先に結論:閉じるのは3つだけです
「買い方」と呼んでいるものを分解すると、あなたが決められるのは3つしかありません。
券種・頭数・点数です。このうち頭数は選べず、出馬表から与えられます。

| 順 | 決めるもの | 閉じるもの | まだ自由なもの |
|---|---|---|---|
| 1 | 券種 | 払戻率・当てる数・でたらめとの比 | 点数 |
| 2 | (頭数は与えられる) | 組み合わせ数・理論平均配当 | 点数 |
| 3 | 買い目点数 | 買い占め率・必要的中率 | なし |
| 4 | 自分の実績と比べる | 余裕(=回収率) | ― |
3番目を決めた瞬間に、そのレースの合格ラインが確定します。
どの馬を買うかは、この表のどこにも出てきません。それは「確定した線を越えられるか」という別の問題です。
背骨は、1行に畳めます
当サイトは必要的中率を「買い目点数 ÷ 平均配当オッズ」と書いてきました。これを、決める順番に合わせて書き直します。

必要的中率 = 買い占め率 ÷ 払戻率。 買い占め率は「買い目点数 ÷ 組み合わせ数」で、頭数の記事で出した値です。
この形にすると、何が自分で決められて、何が決まってしまうかがはっきりします。
- 払戻率は券種を選んだ瞬間に確定(80.00〜70.00%の5通り)
- 組み合わせ数は頭数が分かった瞬間に確定
- 残るのは点数だけ
点数を1つ決めるだけで、必要的中率が出ます。
券種の選び方そのものは、券種の階段の記事にまとめました。払戻率は5つの値しかなく、当てる数と着順を問うかで段が決まります。 単勝・複勝が0段で80.00%、3連単が3段で72.50%です。
ここで押さえておきたいのは、券種を決めた瞬間に払戻率が動かせなくなるという一点だけです。あとから「3連単だけど払戻率は80%で」とはできません。
頭数も同じで、出馬表が出た時点で組み合わせ数が決まります。あなたが握っているのは、3番目の点数だけという形になります。
3連複・18頭立てなら、点数と線はこう対応します
実際に並べます。18頭立ての3連複は816通りです。

| 買い目点数 | 買い占め率 | 必要的中率 |
|---|---|---|
| 1点 | 0.1225% | 0.1634% |
| 5点 | 0.6127% | 0.8170% |
| 10点 | 1.2255% | 1.6340% |
| 18点 | 2.2059% | 2.9412% |
| 20点 | 2.4510% | 3.2680% |
| 30点 | 3.6765% | 4.9020% |
| 50点 | 6.1275% | 8.1699% |
| 100点 | 12.2549% | 16.3399% |
あなたが日曜の朝に18点へ増やした時点で、線は1.6340%から2.9412%へ動いています。
1.8倍です。点数を1.8倍にしたので、線もちょうど1.8倍になりました。点数と必要的中率は正比例します。
「点数」という言葉だけでは、何も決まっていません
同じ10点でも、券種が変われば意味がまるで違います。18頭立てで並べます。

| 券種 | 組み合わせ | 10点の買い占め率 | 必要的中率 |
|---|---|---|---|
| 単勝 | 18 | 55.5556% | 69.4444% |
| 馬連 | 153 | 6.5359% | 8.4335% |
| 馬単 | 306 | 3.2680% | 4.3573% |
| 3連複 | 816 | 1.2255% | 1.6340% |
| 3連単 | 4,896 | 0.2042% | 0.2817% |
単勝の10点は、18頭のうち10頭を買っているということです。買い占め率55.5556%で、必要的中率は69.4444%。
3連単の10点は0.2817%。246.5倍の差があります。
「10点で買う」と言っただけでは、何も決まっていません。 券種を先に決めないと、点数という言葉が意味を持たないからです。
予想サイトや馬券術の説明でも、点数だけが書かれていることがあります。 「10点勝負」と言われたとき、それが単勝なのか3連単なのかで、要求される腕が246.5倍変わります。
同じことは頭数にも言えます。3連複10点でも、8頭立てなら買い占め率17.857%、18頭立てなら1.2255%(頭数の記事)。点数は、券種と頭数とセットではじめて数字になります。
あなたの1年を、この式に通します
毎週8レース、3連複。1点100円で計算します。

| 点数 | 週の投資 | 年52週の投資 | 必要的中率 | |
|---|---|---|---|---|
| 決めたつもりの買い方 | 10点 | 8,000円 | 416,000円 | 1.6340% |
| 実際に買っている買い方 | 18点 | 14,400円 | 748,800円 | 2.9412% |
| 差 | +8点 | +6,400円 | +332,800円 | 1.8倍 |
年間で332,800円です。日曜の朝に「この馬も」と足していたぶんが、1年でこの金額になります。
そして必要的中率は1.8倍。同じ予想で、越えるべき線だけが1.8倍になっています。
なぜ、増えるほうにしか動かないのか
ここに非対称があります。あなたが見ている情報は、すべて「足す」情報だからです。
予想サイトは「この馬に注目」と書きます。新聞は印を付けます。「この馬を消してください」と書いてあるものは、まずありません。
情報を1つ見るたびに候補が増え、候補が増えれば点数が増えます。 減る方向の情報が入ってこない以上、放っておけば一方向にしか動きません。
当サイトが取替えの記事で書いたのは、買ったあとに使える手段が「足す」だけだという話でした。買う前も同じ構造になっています。
止める方法は1つで、点数を先に決めておくことです。順番の3番目を、予想サイトを開く前に済ませておきます。
順番を逆にすると、止める場所がなくなります
多くの人は、こう進めています。
馬を選ぶ → 買い目を組む → 点数が決まる。
この順番だと、点数は結果として出てくる数字になります。決めた覚えがないのに18点になっていたのは、そのためです。
順番を守ると、こうなります。
券種を決める → 頭数を見る → 点数を決める → 線が出る → その線を越えられる馬を選ぶ。
点数が先にあると、候補を増やしたくなったときに止まります。 「18点にすると線が2.9412%になるが、自分はそこまで当てられるか」という問いが立つからです。
逆順ではこの問いが立ちません。線は最後に出てくるので、増やしている最中は何も止めるものがないという形です。
競馬歴2年で「決めた瞬間が来ない」と感じていたのは、手順が間違っていたからではなく、手順に終わりが無かったからです。馬を選ぶ作業には、どこまでやれば完了という区切りがありません。
券種・頭数・点数の3つには、決めたら終わりという区切りがあります。 3つ埋まれば線が出て、そこで「決めた」と言えます。
2年ぶんの迷いは、区切りの場所を知らなかったことによるものでした。
いい馬を見つけたら、足すのではなく入れ替えます
点数を先に決めると、こう思うはずです。「日曜の朝に本当にいい馬を見つけたら、買えないのか」と。
買えます。足すのではなく、入れ替えてください。
点数を変えずに中身を差し替えると、必要的中率は1ミリも動きません。 買い占め率は点数だけで決まるので、どの目を選ぶかは式に入らないからです。

| 操作 | 点数 | 必要的中率の倍率 |
|---|---|---|
| 1点足す(10点→11点) | +1 | 1.1000倍 |
| 8点足す(10点→18点) | +8 | 1.8000倍 |
| 入れ替える(10点→10点) | ±0 | 1.0000倍 |
| 1点減らす(10点→9点) | −1 | 0.9000倍 |
入れ替えだけが、線を動かさない操作です。
新しく見つけた1点が、いま入っている10点のどれかより良いと思えるなら、その1点と交換すれば済みます。 交換できないということは、11点目として買う価値もないということです。
この判断は、足すときにはできません。足すのは10点全部と比べなくても実行できてしまうからです。
頭数は選べませんが、レースは選べます
順番の2番目で「頭数は与えられる」と書きました。ただし、どのレースを買うかは選べます。
つまり頭数は、間接的には選べるということになります。
当サイトが頭数の記事で出したとおり、実績的中率20%なら買っていい点数の上限は8頭立てで8.40点、18頭立てで122.40点でした。14.57倍の差です。
レースを選ぶというのは、点数の上限を選ぶことでもあります。10点で買うと決めているなら、8頭立てのレースはその時点で上限を超えています。
「今週はどう買おうか」の中に、「どのレースを買うか」も入っているという見方です。ここを動かすと、点数を変えずに線の厳しさを変えられます。
線を越えられるかは、この記事では出せません
はっきりさせておきます。必要的中率は「何%当てればいいか」までしか出しません。
「当てられるか」は別の問題です。そこは予想の領分で、当サイトが出せる数字ではありません。

| 出せるもの | 出せないもの |
|---|---|
| 何%当てれば成立するか | あなたが何%当てられるか |
| 点数を増やすと線がどう動くか | どの馬を買うべきか |
| 過去の実績が線を越えていたか | 来週の結果 |
過去の実績と比べることはできます。余裕 = 的中率 ÷ 必要的中率で、この値がそのまま回収率になります(検算の手順の記事で出した恒等式です)。
その実績が信用できるかどうかは、当たりが何本たまったかで決まります(当たり本数の記事)。
競馬歴2年なら、まだ本数は足りていないはずです。それでも順番を守る価値はあります。 線を出しておけば、あとから実績が溜まったときに突き合わせられるからです。
線を出さずに買い続けると、2年後も同じ問いが残ります。「あの買い方は成立していたのか」に答えられるのは、線を記録していた人だけになります。
資金の配り方は、この順番に入りません
ついでに1つ外しておきます。1レースにいくら賭けるか、レース間でどう配分するかは、この3つに入りません。
当サイトが勝てる買い方の記事で計算したとおり、同じ買い目を均等に配っても本命に厚く配っても、回収率は動きません。
金額が効くのは、資金が持つかどうかと、判定を終えられるかのほうです。成立するかどうかには効きません。
だから順番は3つで足ります。券種・頭数・点数。 金額はそのあとに決めても、線は1ミリも動きません。
金額を後回しにできるというのは、土曜の夜に財布の中身を見なくていいということでもあります。線を出すまでは、いくら持っているかは関係ありません。
逆に言えば、線を越えていない買い方は、いくら賭けても越えません。 金額を上げて取り返そうとする動きが効かないのは、そもそも式に入っていないからです。
この計算が言っていないこと

| よくある読み方 | 当サイトの扱い |
|---|---|
| 「点数を減らせば勝てる」 | 線が下がるだけ。越えるかは別 |
| 「理論平均配当で計算すれば正確」 | 目安。実際の配当は人気で大きくばらつく |
| 「複勝も同じ式で読める」 | 複勝・ワイドは率でなく本数で読む |
| 「この順番が唯一の正解」 | 当サイトが式から組んだ順番 |
複勝とワイドは1レースで3本まで同時に当たるので、率で読むと壊れます(ボックスの記事で出した話です)。必要的中”本数”として読み替えてください。
理論平均配当は、組み合わせがすべて同じ確率で来ると置いた値です。狙う配当帯を自分で決めるなら、その値を使って構いません。
販売ページは、この順番のどこを埋めてくれるか
馬券術を買うかどうかの判断にも、この順番が使えます。その教材が、①②③のどこまで埋めてくれるかという見方です。
券種を指定しているなら①が埋まります。点数まで指定しているなら③まで埋まり、買った時点で必要的中率が確定します。
当サイトが19種を調べたところ、点数まで書いてあったのは4種(21.1%)でした。5本に1本しか③まで埋まりません。
③まで埋まっている例として、3連馬券1点主義(8,800円)は3連単を1点と指定しています。的中率3.4%・回収率316.0%という販売者側の表示があり(2026年9月時点)、1点なので18頭立ての必要的中率は0.0282%と即座に出ます。
①だけが埋まる例として、コンピの極意(1,800円)は単勝と複勝を使う型です。単勝24.6%・回収率111%という表示がありますが(2026年9月時点)、点数はあなたが決めることになります。
→ 19種を必要的中率で採点した表はハブ記事にあります。
土曜の夜にやる3ステップ


3番目を省かないでください。 点数を決めただけでは、それが厳しい線なのかどうかが分かりません。
そして、この3つは予想サイトを開く前に済ませてください。 開いたあとでは、足す方向の情報しか入ってきません。
紙に書くのは3行で足ります。「3連複」「18頭立て」「10点」。この3行の下に、出た必要的中率を書き足すだけです。
翌週も同じ3行なら、書き写すだけで済みます。変えたくなった週だけ、線がどう動くかを見てから決める。 それが「買い方を決める」という作業の全体になります。
この記事の計算方法
- 必要的中率 = 買い占め率 ÷ 払戻率。買い占め率 = 買い目点数 ÷ 組み合わせ数です。当サイトの背骨である「必要的中率 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ」と完全に同じ値になります(理論平均配当 = 組み合わせ数 × 払戻率のため)。6通りの券種・頭数・点数の組み合わせで検算済みです。
- 1レースで1点しか当たらない券種に限ります。 複勝・ワイドは1レースで3本まで同時に当たるので、必要的中”本数”として読み替えてください(ボックスの記事)。
- 3連複・18頭立て(816通り)の点数別:1点0.1634% / 5点0.8170% / 10点1.6340% / 18点2.9412% / 20点3.2680% / 30点4.9020% / 50点8.1699% / 100点16.3399%。点数と必要的中率は正比例します。
- 18頭立て・10点の券種別:単勝55.5556%→69.4444% / 馬連6.5359%→8.4335% / 馬単3.2680%→4.3573% / 3連複1.2255%→1.6340% / 3連単0.2042%→0.2817%。単勝と3連単で246.5倍の差です。
- 年間投資の例(週8レース・1点100円・年52週):10点で416,000円、18点で748,800円、差は332,800円。当サイトが置いた例の設定です。
- JRA払戻率(2014年6月7日改定):単勝・複勝80.00% / 枠連・馬連・ワイド77.50% / 馬単・3連複75.00% / 3連単72.50% / WIN5 70.00%。
- 余裕 = 的中率 ÷ 必要的中率 = 回収率(検算の手順の記事)。
- 資金配分と1レースの金額は、必要的中率に入りません(勝てる買い方の記事)。効くのは資金が持つかと判定を終えられるかのほうです。
- 理論平均配当は、組み合わせがすべて同じ確率で来ると置いた値です。実際の配当は人気の偏りで大きくばらつきます。
- どの馬を買うかについては、当サイトは何も出していません。 必要的中率は「何%当てればいいか」までしか示しません。
- 点数まで書いてあった教材は19種中4種(21.1%)という値は、当サイトの調査によるものです。
- 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
- 販売ページの数値は販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトの計算と書き分けています。当サイトはこれらの商材を購入していません。
まとめ
- 「買い方を決める」とは、券種・頭数・点数の3つを順に閉じることです。頭数は選べず、出馬表から与えられます
- 必要的中率 = 買い占め率 ÷ 払戻率。 券種で払戻率が閉じ、頭数で組み合わせ数が閉じるので、残る自由は点数だけです
- 3連複・18頭立てなら、10点で1.6340%・18点で2.9412%。点数と線は正比例します
- 同じ10点でも、単勝69.4444%・3連単0.2817%で246.5倍の差。 券種を決めないと点数に意味がありません
- 週8レースで10点から18点に増えると、年間投資は416,000円から748,800円へ(差332,800円)
- 増えるほうにしか動かないのは、見ている情報がすべて「足す」情報だからです。点数を先に決めると止まります
- どの馬を買うかは、確定した線を越えられるかという別の問題です。当サイトはそこには踏み込みません
- 資金配分と1レースの金額は、この3つに入りません。 成立するかどうかには効きません
あなたが次の土曜にやることは、予想サイトを開く前に券種と点数を紙に書くことです。 日曜の朝に増やしたくなったら、そのとき線が何%になるかを出してから決めてください。
公営競技はのめり込みすぎると生活に支障が出ることがあります。使う金額と回数はあらかじめ決めてください。ご自身やご家族のことで気になることがあれば、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(https://scga.jp/)にご相談ください。