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半年前、あなたは3連単をやめてワイドに変えました。
的中通知は明らかに増えました。土曜に2本、日曜に1本。以前は月に1回鳴るかどうかだったので、手応えはあります。ところが半年ぶんの入出金を並べてみると、残高は3連単のころとほとんど変わっていません。
「当たってるのに、なんで増えないんだ」
理由は当たる回数ではなく、その裏側にあります。ワイドが当たりやすいぶん、配当はちょうど3分の1です。 そして打ち消し合った結果、でたらめに買うかぎり馬連との回収率は1ポイントも違いません。
先に結論:馬連オッズ ÷ ワイドオッズ を計算します

同じ2頭に馬連とワイドのどちらを買うか。判定はこの割り算1回です。
馬連オッズ ÷ ワイドオッズ(下限)
出た数字がそのペアの「互角ライン」より小さければワイド、大きければ馬連が有利になります。
互角ラインはおおむね3.00前後ですが、人気サイドの2頭なら2.2まで下がり、人気薄どうしなら3.9まで上がります。この動き方が記事の後半の本題です。
まずは、なぜ「3」という数字が出てくるのかから見ていきます。
馬連が当たったレースは、ワイドも必ず当たっています
同じ2頭で考えます。馬連は1着と2着を当てる券、ワイドは2頭とも3着以内に入れば当たる券です。
1着と2着なら、どちらも3着以内に入っています。 だから馬連が当たったレースでは、同じ2頭のワイドも必ず当たります。

| 2頭の着順 | 馬連 | ワイド |
|---|---|---|
| 1着・2着 | 当たり | 当たり |
| 1着・3着 | 外れ | 当たり |
| 2着・3着 | 外れ | 当たり |
| 1着・4着以下 | 外れ | 外れ |
逆は成立しません。ワイドが当たっても、馬連は外れていることのほうが多いわけです。
この関係が、次の数字を決めます。
当たる回数は3.000倍、配当はちょうど3分の1
18頭立てで、組み合わせの総数は馬連もワイドも同じ153通りです。2頭を選ぶ組み合わせなので当然そうなります。
違うのは、1レースで当たりが何本あるかです。馬連は1本、ワイドは3本。3着以内の3頭から2頭を選ぶ組み合わせが3組あるからです。

| 馬連 | ワイド | 比 | |
|---|---|---|---|
| 組み合わせの総数 | 153通り | 153通り | 1.000 |
| 1レースの当たり | 1本 | 3本 | 3.000 |
| でたらめ1点の的中率 | 0.654% | 1.961% | 3.000倍 |
| 18頭立ての理論平均配当 | 118.6倍 | 39.5倍 | 3分の1 |
| 回収率 | 77.5% | 77.5% | 1.000 |
最終行が答えです。でたらめに買うかぎり、馬連もワイドも回収率は77.5%でぴったり同じになります。
3.000倍当たりやすいことと、配当が3分の1になることが、きれいに打ち消し合います。残るのは払戻率だけです。
だから「当たりやすい」は、有利の理由になりません
半年ぶんの残高が動かなかった理由は、ここに出ています。券種を替えても、あなたが変えたのは当たる回数と1回の配当の内訳だけで、回収率そのものは動いていません。
これは点数を増やしても回収率が動かないのと同じ形です。くわしくは買い目点数の記事に書きました。
当たる回数が増えると、あなたの実感だけが増えます。 通知が鳴る頻度は3倍になるので、心理的にはまったく別の体験になります。ただし残高の側から見ると、同じところにいます。
では券種を替える意味はどこにあるのか。同じ2頭でも、市場がつける値段が2つあるという点です。 そこにずれがあれば、選ぶ意味が生まれます。
判定式:オッズ比を、互角ラインと比べる
ワイドと馬連のどちらが有利かは、次の1本で決まります。
ワイドの回収率 ÷ 馬連の回収率
= (ワイドの的中率 ÷ 馬連の的中率) ÷ (馬連オッズ ÷ ワイドオッズ)
左の括弧が「あなたが選んだ2頭の性質」、右の括弧が「市場のつけた値段」です。左が右を上回ればワイド有利になります。
でたらめなら左は3.000でした。そこを基準に、オッズ比だけを動かします。

| 馬連オッズ ÷ ワイドオッズ | 判定 | ワイドの回収率 ÷ 馬連の回収率 |
|---|---|---|
| 2.00 | ワイド有利 | 1.500倍 |
| 2.50 | ワイド有利 | 1.200倍 |
| 3.00 | 互角 | 1.000倍 |
| 4.00 | 馬連有利 | 0.750倍 |
| 5.00 | 馬連有利 | 0.600倍 |
| 8.00 | 馬連有利 | 0.375倍 |
馬連10.0倍でワイドが4.00倍なら、比は2.50。ワイドのほうが1.200倍いいという判定です。同じ馬連10.0倍でもワイドが2.00倍なら比は5.00で、ワイドは馬連の0.600倍になります。
ワイドオッズは下限〜上限の幅で表示されます。判定には下限を使ってください。 下限を使うと比が大きくなる方向に働くので、ワイドを買う側にとって厳しい側の判定になります。幅そのものの読み方は複勝オッズの幅の記事と同じ考え方です。
互角ラインは3.00で固定ではありません
ここからが本題です。さきほど「でたらめなら3.000」と書きましたが、あなたが選ぶ2頭は、でたらめに選んだ2頭ではありません。
単勝オッズから市場の勝率を作って、ペアごとに「ワイドの的中率 ÷ 馬連の的中率」を計算すると、こうなります。

| 2頭の単勝オッズ | 馬連の的中率 | ワイドの的中率 | 互角ライン |
|---|---|---|---|
| 3倍 と 5倍 | 20.123% | 44.982% | 2.235 |
| 3倍 と 8倍 | 12.067% | 31.147% | 2.581 |
| 5倍 と 8倍 | 6.517% | 22.082% | 3.388 |
| 8倍 と 20倍 | 1.489% | 5.530% | 3.714 |
| 20倍 と 50倍 | 0.224% | 0.866% | 3.860 |
| 100倍 と 200倍 | 0.011% | 0.043% | 3.919 |
2.235から3.919まで、1.755倍の幅があります。
理由は考えてみれば当たり前です。強い2頭は、そもそも1着と2着に入りやすい。 「3着以内」に条件をゆるめても、当たる回数はあまり増えません。逆に人気薄の2頭は、1着2着を独占するのはほぼ無理でも、3着に1頭がまぎれ込むことは起こります。だから条件をゆるめた効果が大きく出ます。
強い馬を選ぶほど、ワイドにする旨みは小さくなるということです。
目安として持っておく数字
毎レースHarvilleの計算をするわけにはいかないので、帯で覚えます。
| 選んだ2頭 | 互角ラインの目安 |
|---|---|
| どちらも単勝10倍以下 | 2.2〜3.4 |
| 片方が10倍以下 | 2.8〜3.7 |
| どちらも20〜50倍 | 3.8〜3.9 |
| どちらも50倍超 | 3.9〜3.9 |
人気サイドは厳しめ、人気薄は甘めに見る。 それだけです。
たとえば単勝3倍と5倍の2頭で、馬連が10.0倍・ワイドが3.50倍だったとします。比は2.86。3.00で判定すればワイド有利ですが、このペアの互角ラインは2.235なので、実際は馬連有利です。3.00をそのまま当てると判定を間違えます。
「オッズ比が超えているのに、ワイドを買いたくなる」
正直に書くと、この判定式は使いづらい場面があります。
比が4.00と出て、馬連のほうが有利だと分かった。それでも馬連を1点だけ買って外すより、ワイドを買って当たったほうが気分がいいと思ってしまう。半年ワイドを買ってきた人ほど、そう感じるはずです。
その感覚には根拠もあります。当たる回数が3倍あるということは、資金が尽きるまでの時間が延びるということです。回収率が同じでも、外れ続ける期間は短くなります。1レースあたりの投資が同じなら、これは実際に価値があります。
ただし限度があります。比が5.00なら回収率は馬連の0.600倍です。当たる回数のために4割を捨てていることになります。
だから線の引き方はこうなります。互角ラインの前後なら、続けやすいワイドを選んでいい。大きく超えているなら馬連にする。 判定式は「どちらでもいい範囲」と「明らかに損な範囲」を分けるために使います。
3頭ボックスで3点全部当たるのは0.123%です
ワイドは3頭ボックス(3点)で買う人が多い券種です。当たり本数の内訳を出しておきます。

| 選んだ3頭のうち3着以内 | 起きる確率 | 当たる本数 |
|---|---|---|
| 0頭 | 55.760% | 0本 |
| 1頭 | 38.603% | 0本 |
| 2頭 | 5.515% | 1本 |
| 3頭 | 0.123% | 3本 |
1本でも当たる確率は5.637%、期待本数は0.05882本です。
あなたに注意してほしいのは2行目です。選んだ3頭のうち1頭が3着以内に来ても、ワイドは1点も当たりません。 これは38.603%、つまり5レースに2レースで起きます。「惜しかった」と感じる場面のほとんどがここです。
3点全部が当たるのは0.123%、816レースに1回です。3頭ボックスの旨みとしてこれを数えていると、計算が合いません。
期待本数と、越えるべき線
ワイドは1レースで最大3本当たるので、成立の判定は「率」ではなく「本数」で行います。
| 3頭ボックス(3点) | |
|---|---|
| 必要的中本数(3 ÷ 39.5倍) | 0.07595本 |
| でたらめの期待本数 | 0.05882本 |
| 余裕 | 0.775倍 |
余裕0.775倍は、ワイドの払戻率77.5%そのものです。でたらめに買えば払戻率どおりに減るという、当たり前の結果に戻ります。
なぜ率ではなく本数なのか、率のまま計算すると何倍ずれるのかは券種別の回収率の記事とボックスの記事にまとめました。この記事では線の位置だけ確認して先に進みます。
次の土曜、オッズ画面を開いたとき
やることは3つです。

- 2頭を決める(券種を決める前に)
- 馬連オッズ ÷ ワイドオッズ(下限)を計算する
- そのペアの互角ライン(人気サイド2.2〜3.4/人気薄3.8〜3.9)と比べる
慣れればあなたの手元で10秒です。電卓を出す必要もありません。
この10秒を省くとどうなるか。券種は先週と同じ理由で選ばれます。 「ワイドのほうが当たるから」。その理由には、市場がつけた値段の情報が1つも入っていません。
半年前にあなたが3連単からワイドに替えたときも、判断材料は当たる回数でした。同じ材料でもう半年続けると、たぶん結果も同じになります。
正直に書いておくと、この判定式はあなたの回収率を100%まで運びません。でたらめに選んだ2頭なら、どちらを買っても77.5%です。 判定式で拾えるのは、市場がつけた2つの値段のずれだけで、それは大きくても2〜3割です。ずれが常に自分に有利な側にあるとも限りません。
それでも、比が5.00のときにワイドを買うのをやめるだけで、そのレースの回収率は1.667倍になります。選び方を変えるコストはゼロです。
ワイドを選ぶべき場面は、たしかにあります
判定式が馬連に寄りやすいので、公平のために書いておきます。ワイドが向いているのは次の場面です。
- オッズ比が互角ラインを下回っているとき。これがいちばん強い理由です
- 軍資金が少なく、外れ続ける期間を短くしたいとき。当たる回数が3倍あるぶん、資金が尽きるまでが延びます
- 3着以内には来るが1着2着とは限らない、と読んでいるとき。人気薄の2頭ほど互角ラインが高く、ワイド側に有利です
逆に、単勝10倍以下の強い2頭でワイドを選ぶのは、いちばん割に合わない組み合わせになります。互角ラインが2.2〜3.4しかないので、オッズ比がそれを下回ることが少ないからです。
選出型の馬券術を、ワイドで受け取ると何点になるか
infotopの馬券術には「◯頭を選出する」までを教えて、券種は買う人に任せる型があります。ワイドで受け取るときの点数は、頭数から決まります。

| 選出頭数 | ワイドの点数 | 必要的中本数 | 該当する馬券術 |
|---|---|---|---|
| 3頭 | 3点 | 0.07595本 | 中穴馬券術★ロジカルスターゲート |
| 4頭 | 6点 | 0.15190本 | シャイニング★ダークホース |
| 券種の1つ | 記載なし | ― | コンピ・ライトニング(単勝・複勝・馬連・ワイド) |
ワイドを使わない比較対象として、ゴールデンホースビクトリーメソッド(54,800円)は複勝・単勝で的中率70%の表示。必要な平均配当は1.43倍で、当サイトが採点した中では必要的中率46.7%と最も高い線です(販売者による表示・2026年9月時点)。
点数は組み合わせの計算なので、選出頭数が決まれば動きません。動かせるのは、その点数を馬連で受け取るかワイドで受け取るかです。3頭選出ならどちらも3点なので、この記事の判定式がそのまま使えます。
注意点が1つあります。販売ページの的中率は「レースの何%で当たったか」であって、本数ではありません。 ワイドは1レースで最大3本当たるので、そのままこの表の必要的中本数と比べられません。券種と点数の記載は各販売ページの表示(2026年9月時点)で、当サイトはこれらを購入していません。
よくある質問
Q. ワイドオッズは下限と上限のどちらを使いますか
下限です。下限で判定して合格なら、上限でも合格します。
Q. 3頭ボックスのときはどう判定しますか
ペアごとに判定してください。3頭なら3組あるので、組ごとに馬連オッズ ÷ ワイドオッズを出します。組によって判定が分かれることがあります。
Q. 互角ラインの2.235や3.919はどこから出ましたか
単勝オッズから市場の勝率を作り、着順の確率を計算した理論値です。実際のレースの値ではありません。目安として帯で使ってください。
Q. ワイドは1レースで3点当たることがありますか
あります。選んだ3頭が全部3着以内に入ったときで、でたらめなら0.123%です。
Q. 回収率が同じなら、当たる回数が多いほうがよくないですか
資金がもつという点では有利です。ただしそれは回収率が同じか、近いときの話です。オッズ比が互角ラインを大きく超えていれば、続けやすさより先に採算が落ちます。
Q. 馬連とワイドを同じレースで両方買ってもいいですか
点数が2倍になるので、必要的中率も2倍になります。どちらか有利なほうに寄せるほうが、越える線は低くなります。
まとめ
- 馬連の当たりはワイドの当たりに含まれます。 馬連が当たればワイドも必ず当たり、逆は成立しません
- 18頭立ての組み合わせの総数はどちらも153通り。違うのは1レースの当たりが1本か3本かだけです
- でたらめ1点の的中率は3.000倍、理論平均配当はちょうど3分の1(118.6倍と39.5倍)
- 打ち消し合って回収率は両方77.5%。当たりやすさは有利の理由になりません
- 判定は 馬連オッズ ÷ ワイドオッズ(下限) を互角ラインと比べるだけ。比2.50でワイド1.200倍、比5.00で0.600倍
- 互角ラインは2.235〜3.919で動きます(人気サイドほど低く、人気薄ほど高い)。3.00で固定しないでください
- 目安はどちらも10倍以下で2.2〜3.4/どちらも20〜50倍で3.8〜3.9
- 3頭ボックスは1頭だけ3着以内でも0本(38.603%)。3点全部当たるのは816レースに1回
- 必要的中本数0.07595本に対しでたらめの期待本数0.05882本で、余裕は払戻率どおり0.775倍
次の土曜は、券種を決める前に2頭を決めてください。そのあと割り算を1回するだけです。
券種を替えても回収率が動かないなら、動かせるのはどこか。18種の馬券術を必要的中率で採点した表に、その答えを並べてあります。
この記事の計算方法
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🚨ロジカルスターゲート/シャイニング★ダークホースは、2026年9月末でinfotopでの販売を休止しています(販売者インフォレース出版による告知・2026年9月18日。理由はinfotop側のクレジット決済障害で、復旧見通しは未定とされています)。この記事に載せた数値は休止前の販売ページの表示で、当サイトの計算と書き分けています。休止であって終了ではないため、記述は残しています。
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でたらめ1点の的中率 = 1レースで当たりうる点数 ÷ 組み合わせの総数。18頭立ての馬連は 1 ÷ 153 = 0.654%、ワイドは3着以内の3頭から2頭を選ぶ3組が当たるので 3 ÷ 153 = 1.961%
- 18頭立ての理論平均配当 = 組み合わせの総数 × 払戻率。ワイドは1レースで3本当たるため3で割ります(馬連 153×0.775=118.6倍/ワイド 153×0.775÷3=39.5倍)
- 回収率 = 的中率 × 平均配当オッズ ÷ 買い目点数。でたらめ1点ではどちらも77.5%になります
- ワイドの回収率 ÷ 馬連の回収率 = (ワイドの的中率 ÷ 馬連の的中率) ÷ (馬連オッズ ÷ ワイドオッズ)。同じ2頭に1点ずつ買った場合の比です
- 互角ライン = ワイドの的中率 ÷ 馬連の的中率。単勝オッズから市場の勝率((1÷オッズ)×払戻率を合計1に正規化)を作り、着順の確率をHarville型のモデルで計算しました。人気馬の連対率を高めに見積もる性質があり、真の確率ではありません。 帯の目安として使ってください
- 互角ラインの計算に使った18頭の単勝オッズは 3・5・8・12・20・30・40・50・60・70・80・90・100・120・150・200・250・300倍という例示の設定です。実際のレースの値ではありません
- 必要的中本数 = 買い目点数 ÷ 平均配当オッズ。ワイドは1レースで最大3本当たるため、率ではなく本数で測ります
- 3頭ボックスの当たり本数は、18頭から3頭を選ぶ816通りのうち、選んだ3頭が3着以内に何頭入るかで数えた理論値です(0頭455通り/1頭315通り/2頭45通り/3頭1通り)
- 払戻率はJRA公表値(2014年6月7日改定。単勝・複勝80.0%、枠連・馬連・ワイド77.5%、馬単・3連複75.0%、3連単72.5%)
- 本文の数字はすべて18頭立て・1点100円を前提とした当サイトの計算です。 特定のレースや買い方の成績ではありません
- 本記事は的中や利益を保証するものではありません。勝馬投票券の購入はご自身の判断と責任において行ってください。20歳未満の方は購入できません
- のめり込みにお困りの方は、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会などの相談窓口をご利用ください