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日曜の昼前、あなたはWIN5の画面を開いて、5レースぶんの馬をぽんぽんと選びました。
100円。 当たったことはありません。宝くじを買う感覚に近い、と自分でも思っています。
「どうせ当たらないしな」
ところが、1レースあたりに要求される精度は、WIN5が全券種の中でいちばん低いんです。
必要なリフトは1.0739倍。単勝の1.2500倍より、3連複の1.1006倍より小さい値です。
この記事で出すのは、WIN5を他の6券種と同じ式に入れた結果です。
先に結論:越えるべき倍率は最大、1レースに割ると最小
当サイトでは、越えるべき線をリフトという1つの数字で表しています。
必要なリフト = (1 ÷ 払戻率) の「当てる頭数」乗根
この式は別の記事で出しました。WIN5の払戻率は70.0%で、当てる頭数は5頭です。

目の単位で越えるべき倍率 1 ÷ 0.70 = 1.4286倍は、全券種で最大です。払戻率がいちばん低いので当然です。
ところが、それを5レースに分けて背負います。 5乗根を取ると 1.0739倍。
券種を並べると、位置がはっきりします。

- 単勝・複勝(1頭):1.2500
- 馬単(2頭):1.1547
- 馬連・ワイド(2頭):1.1359
- 3連単(3頭):1.1132
- 3連複(3頭):1.1006
- WIN5(5頭):1.0739
1÷払戻率がいちばん大きいWIN5が、1レースあたりでは最小になります。 乗数のほうが払戻率の低さに勝つからです。
あなたが日曜に5レース選ぶとき、1レースごとに市場より7.39%多く当てられれば、それでトントンに乗ります。
理論平均配当は、5レースの頭数を掛けるだけ
では、その日の配当の水準はどう出すか。理論平均配当 = 組み合わせ数 × 払戻率という式に、5レースぶんの頭数を入れます。
WIN5の理論平均配当 = 5レースの出走頭数の積 × 70.0%

全レース18頭なら 18の5乗 = 1,889,568通り。理論平均配当は1,322,697.6倍です。
10頭立てなら100,000通りで70,000.0倍。18頭と10頭で18.9倍の差が出ます。
頭数が決まれば合格ラインが決まるという話は他の券種と同じですが、WIN5は5レースぶんの頭数が掛け算で効くので、差の出方がいちばん大きい券種です。
実際は5レースの頭数がばらばらなので、その日の頭数をそのまま掛け合わせます。掛け算4回で終わります。
例を4通り出しておきます。
| 5レースの頭数 | 組み合わせ数 | 理論平均配当 | 1点の必要的中率 |
|---|---|---|---|
| 18×18×18×18×18 | 1,889,568通り | 1,322,697.6倍 | 0.0000756% |
| 16×18×14×12×18 | 870,912通り | 609,638.4倍 | 0.0001640% |
| 14×16×12×15×13 | 524,160通り | 366,912.0倍 | 0.0002725% |
| 10×12×9×11×10 | 118,800通り | 83,160.0倍 | 0.0012025% |
フル18頭の日と少頭数が混ざる日で、理論平均配当が15.9倍違います。 その日の頭数を見ないまま同じ買い方をすると、越えるべき線が15.9倍違う日に同じ点数を置くことになります。
点数は、1レースあたりの頭数の5乗
WIN5で難しいのは精度ではなく、点数と資金のほうです。
点数 = 1レースあたりに選ぶ頭数の5乗

- 1頭ずつ:1点・100円
- 2頭ずつ:32点・3,200円
- 3頭ずつ:243点・24,300円
- 4頭ずつ:1,024点・102,400円
- 5頭ずつ:3,125点・312,500円
- 6頭ずつ:7,776点・777,600円
2頭から3頭にするだけで7.59倍、3頭から4頭で4.21倍です。
1頭足したときに点数が何倍になるかを並べます。
| 1レースあたり | 点数 | 1頭増やしたときの倍率 |
|---|---|---|
| 1頭 | 1点 | ― |
| 2頭 | 32点 | 32.00倍 |
| 3頭 | 243点 | 7.59倍 |
| 4頭 | 1,024点 | 4.21倍 |
| 5頭 | 3,125点 | 3.05倍 |
最初の1頭を足した時点で32.00倍です。3連複ボックスなら3頭→4頭で4.00倍、4頭→5頭で2.50倍ですから、桁が違います。
ここが他の券種との決定的な違いです。3連複なら4頭ボックスが4点、5頭で10点と緩やかに増えますが、WIN5は1頭足すたびに5乗で効きます。
あなたの「どうせ当たらない」の正体は、精度ではなく、この点数の増え方です。
5レース連続なので、的中率も5乗
的中率の側も見ておきます。各レースで「選んだ馬のどれかが勝つ確率」を s とすると、5レース連続は s の5乗です。

- 各レース50%:5連続 3.1250%(32回に1回)
- 各レース60%:7.7760%(13回に1回)
- 各レース70%:16.8070%(6回に1回)
- 各レース80%:32.7680%(3回に1回)
各レースで7割当てられるなら、6回に1回はWIN5が的中します。 これは「宝くじ」と呼べる頻度ではありません。
問題は、あなたのその7割が本物かどうかをどう確かめるかです。
ここまでを整理します。
- 目の単位で越えるべき倍率は1.4286倍で全券種最大
- 1レースあたりに割ると1.0739倍で全券種最小
- 理論平均配当 = 5レースの頭数の積 × 70.0%(18頭×5で1,322,697.6倍)
- 点数 = 1レースあたりの頭数の5乗(3頭で243点24,300円)
- 5レース連続の的中率 = 1レースの確率の5乗
WIN5の的中を待つと、判定に届かない
「6回に1回当たる」としても、その頻度で回収率を判定するのは無理です。年に数十回しか買えないからです。
だから、1レース単位で測ります。

リフトが本物かを確かめる式に1.0739を入れると、こうなります。
- 選んだ馬の勝率合計50%:728レース(週5レースなら2.8年)
- 60%:466レース(1.8年)
- 70%:279レース(1.1年)
WIN5を買った日の5行を残せば、週5レース=年260レースぶんが貯まります。 的中を待つより、こちらのほうが速く答えに届きます。
記録するのは2列だけです。5レースぶんで5行になります。
| 記録する列 | 例 |
|---|---|
| 締切時点の勝率合計(オッズから出す) | 0.52 |
| 選んだ馬が1着だったか(○×) | ○ |
勝率合計は (1÷オッズ)×80.0% を選んだ馬ぶん足すだけで出ます。単勝の払戻率80.0%を使うのは、単勝オッズから勝率を読むためです(WIN5の70.0%は配当の側に使います)。
貯まったら、○の割合 ÷ 勝率合計の平均 を出します。これが1.0739倍を超えていれば、あなたのWIN5は成立しています。
オッズ別に「何%当てればいいか」に直すと、こうなります。1レースで1頭選ぶ場合です。
| 選んだ馬の単勝オッズ | 市場の勝率 | 必要な実勝率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1.5倍 | 53.333% | 57.277% | +3.944pt |
| 2.0倍 | 40.000% | 42.958% | +2.958pt |
| 3.0倍 | 26.667% | 28.638% | +1.972pt |
| 5.0倍 | 16.000% | 17.183% | +1.183pt |
| 10.0倍 | 8.000% | 8.592% | +0.592pt |
人気馬を選ぶほど、必要な「上乗せ」はポイントとしては大きくなります。 倍率はどこでも1.0739倍で同じですが、土台が高いぶん差が開きます。
単勝10倍の馬なら、市場の8.000%に対して8.592%。0.592ポイント上乗せできれば足ります。
全通り買っても、回収率は70.0%のまま
念のため確認しておきます。買い方を変えても回収率は動きません。

市場どおりの確率で買うかぎり、1頭ずつでも5頭ずつでも、1,889,568通りを全部買っても回収率は払戻率そのもの70.0%です。
これは点数を増やしても回収率は1円も動かないという話と同じで、WIN5でも変わりません。
投資額と期待払戻を並べると、こうなります(市場どおりの場合)。
| 1レースあたり | 点数 | 投資額 | 期待払戻 | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 1頭 | 1点 | 100円 | 70円 | −30円 |
| 2頭 | 32点 | 3,200円 | 2,240円 | −960円 |
| 3頭 | 243点 | 24,300円 | 17,010円 | −7,290円 |
| 4頭 | 1,024点 | 102,400円 | 71,680円 | −30,720円 |
| 5頭 | 3,125点 | 312,500円 | 218,750円 | −93,750円 |
減る割合は全部30.0%で同じです。違うのは金額だけ。あなたが点数を増やすほど、1回あたりに失う金額が比例して増えます。
動くのは1レースあたりのリフトだけです。1.0739倍を超えれば、点数がいくつでも100%に乗ります。
次の日曜に、同じ画面を開いたとして
次の日曜、あなたは同じWIN5の画面を開いています。
まず5レースの頭数を見ます。 16・18・14・12・18頭。掛け合わせると 16×18×14×12×18 = 870,912通り。×70.0%で理論平均配当は609,638.4倍です。
次に、1レースあたり何頭選ぶかを決めます。2頭ずつなら32点で3,200円。 3頭ずつなら243点で24,300円です。
そして選んだあと、5行だけ書きます。選んだ馬の勝率合計と、結果。
当たったかどうかは、その5行の副産物です。仮に外れても、判定に必要な279〜728レースに5レース近づいています。
「どうせ当たらない」が「まだ274レース足りない」に変わります。 そこまで来れば、続けるかどうかを数字で決められます。
この記事が扱っていない項目
はっきりさせておきます。

JRA公式で確認できたのは、対象が5レースであることだけです。「JRAが指定する5つのレース全てで1着になると思う馬を選んで購入する馬券」と書かれています。
1口の金額・払戻金の上限額・キャリーオーバーの仕組みは、一次情報で確認できませんでした。 したがって、この記事では一切扱っていません。
計算はすべて当サイト既定の1点100円で行っています。上限やキャリーオーバーが絡むと払戻率の扱いが変わる可能性がありますが、確認していないので計算に入れていません。
組み合わせ数で見るか、1レースの精度で見るか

分かれ目は当たるかどうかではなく、何を単位に測るかです。
5レースまとめて見ると、当たりが少なすぎて判定できません。1レース単位なら、同じ買い方で年260レースぶんが貯まります。
なお、馬券術の販売ページでWIN5を扱っているものはほとんどありません。18種を同じ物差しで並べたなかで券種にWIN5を挙げているのはゴールデンホースの1種だけで、それも「応用で」という位置づけです(販売者による表示・2026年9月時点)。
単勝を当てる設計なら、そのままWIN5に持ち込めます。 アイ・ウイナー1のように単勝1〜4点の設計なら、5レースぶんで点数は 1〜1,024点の範囲に入ります。
WIN5を買う前に出す3つの数字

3番目だけが記録です。 買った日の5行を残せば、年260レースぶんが1年で貯まります。
掛け算2回は買う前、5行は買った直後。合わせて3分です。
この記事の計算方法
- WIN5の理論平均配当 = 5レースの出走頭数の積 × 払戻率70.0%。組み合わせ数は各レースの頭数を掛け合わせたものです。実在のレースの平均配当ではありません。
- 必要なリフト = (1 ÷ 払戻率) の「当てる頭数」乗根。WIN5は 1.4286 の5乗根で1.0739です。券種別の値は 単勝・複勝1.2500 / 馬単1.1547 / 馬連・ワイド1.1359 / 3連単1.1132 / 3連複1.1006。
- 点数 = 1レースあたりに選ぶ頭数の5乗。5レースとも同じ頭数を選んだ場合です。レースごとに頭数を変えるなら、その積になります。
- 5レース連続の的中率 = 1レースで当たる確率の5乗。各レースの結果が互いに影響しないと置いています。
- 必要なレース数 = 4 ×(L×p)×(1 − L×p) ÷ ((L−1)×p)²(L=リフト、p=選んだ馬の勝率合計)。週5レース記録すると年260レースとして換算しました。
- JRA公式で確認できたのは「JRAが指定する5つのレース全てで1着になると思う馬を選んで購入する馬券」という記述だけです。1口の金額・払戻金の上限額・キャリーオーバーの仕組みは一次情報で確認できなかったため、この記事では扱っていません。 計算は当サイト既定の1点100円で行っています。
- JRA払戻率(2014年6月7日改定):単勝・複勝80.0% / 枠連・馬連・ワイド77.5% / 馬単・3連複75.0% / 3連単72.5% / WIN5 70.0%。
- 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
- 販売ページの数値は販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトの計算と書き分けています。当サイトはこれらの商材を購入していません。
まとめ
- WIN5の1÷払戻率は1.4286倍で全券種最大。ところが当てる頭数が5なので、1レースあたりは1.0739倍で全券種最小です
- 理論平均配当 = 5レースの頭数の積 × 70.0%。全レース18頭なら1,889,568通りで1,322,697.6倍、10頭なら70,000.0倍(18.9倍の差)
- 点数 = 1レースあたりの頭数の5乗。1頭1点100円 / 3頭243点24,300円 / 5頭3,125点312,500円
- 5レース連続の的中率は1レースの5乗。各レース70%なら6回に1回(16.8070%)
- 市場どおりに買うかぎり回収率は70.0%で固定。全通り買っても動きません
- リフト1.0739の判定には279〜728レース。週5レース記録すれば1.1〜2.8年で届きます
あなたが次の日曜にやることは、5レースの頭数を掛け算することです。 ×70.0%で、その日の理論平均配当が出ます。
公営競技はのめり込みすぎると生活に支障が出ることがあります。使う金額と回数はあらかじめ決めてください。ご自身やご家族のことで気になることがあれば、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(https://scga.jp/)にご相談ください。