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あなたは3年、同じところで止まっています。
先週は単勝を1点。その前の週は3連単を12点。買うたびに券種が変わります。
決めていないわけではありません。決め方が分からないのです。
「単勝はつまらない。3連単は当たらない」
そのあいだにある7つの券種を、順番に並べたことは一度もありませんでした。9種類あるのは知っている。並べ方が分からない。
この記事で出すのは、9券種を1本の式で一列に並べた表です。順序を決めているのは好みではなく、JRAが公開している払戻率でした。
先に断っておきます。この式は当サイトが払戻率の表に当てはめて見つけた対応です。JRAがこの式で払戻率を決めていると公表しているわけではありません。
先に結論:9券種は、2つの質問で一列に並びます
質問は2つだけです。
1つ目、何頭(何レース)当てるのか。 2つ目、着順まで問うのか。
この2つから「段数」を出します。難度段数 = (当てる数 − 1) + (着順を問うなら 1)。
そして払戻率は、段数だけで決まります。

80.00% から、1段ごとに2.50%ずつ下りる階段です。9券種すべてが、この階段のどこかに乗っています。
JRAが公開している9つの払戻率
まず一次情報です。『馬券のルール』の「勝馬投票法ごとの設定払戻率【平成26年6月7日以降】」に、次の値が表で示されています。
| 券種 | 設定払戻率 |
|---|---|
| 単勝・複勝 | 80.00% |
| 枠連・馬連・ワイド | 77.50% |
| 馬単・3連複 | 75.00% |
| 3連単 | 72.50% |
| WIN5 | 70.00% |

値の種類は5つしかありません。 9券種あるのに、払戻率は80.00・77.50・75.00・72.50・70.00の5段だけです。
しかも、きれいに2.50%ずつ違います。 ここに気づくと、並べ方の見当がつきます。
同じ段に複数の券種が同居しているのも特徴です。80.00%に2つ、77.50%に3つ、75.00%に2つ。同じ値札が貼られている以上、そこには共通する何かがあるはずです。
枠連・馬連・ワイドはどれも2つを当てて着順を問わない買い方でした。単勝と複勝はどちらも1頭だけ。同居している券種は、当てる数が揃っています。
当てる数と着順から、段数を出す
段数の数え方を決めます。
- 当てる数が1つ増えるごとに、1段
- 着順まで問うなら、さらに1段
単勝は1頭を当てて着順を問いません。(1 − 1) + 0 = 0段です。
3連単は3頭を当てて着順も問います。(3 − 1) + 1 = 3段。
WIN5は5レースを当てて、各レースの着順は問いません(1着を当てるだけです)。(5 − 1) + 0 = 4段になります。
9種類すべてが一致しました
当てはめた結果です。

| 券種 | 当てる数 | 着順 | 段数 | 式の値 | JRAの値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 単勝 | 1頭 | 問わない | 0 | 80.00% | 80.00% |
| 複勝 | 1頭 | 問わない | 0 | 80.00% | 80.00% |
| 枠連 | 2枠 | 問わない | 1 | 77.50% | 77.50% |
| 馬連 | 2頭 | 問わない | 1 | 77.50% | 77.50% |
| ワイド | 2頭 | 問わない | 1 | 77.50% | 77.50% |
| 馬単 | 2頭 | 問う | 2 | 75.00% | 75.00% |
| 3連複 | 3頭 | 問わない | 2 | 75.00% | 75.00% |
| 3連単 | 3頭 | 問う | 3 | 72.50% | 72.50% |
| WIN5 | 5レース | 問わない | 4 | 70.00% | 70.00% |
9行すべて、小数点以下まで合っています。
馬単と3連複が同じ段にいる意味
表の中で、太字にした2行を見てください。
馬単は2頭を当てて着順まで問う。3連複は3頭を当てて着順は問わない。 まったく違う買い方なのに、どちらも2段目で75.00%です。
ここから読み取れることが1つあります。着順を問うことは、当てる数を1つ増やすのと同じ重さに置かれているということです。
「2頭の並び順まで当てる」と「3頭を順不同で当てる」が、同じ扱いになっています。あなたが3連単を選ぶとき、実は4頭ぶんの難しさを引き受けています(3頭+着順=3段=4つ当てるのと同じ段)。
これはJRAの決め方ではありません
ここで、いちばん大事な但し書きを置きます。
JRAは払戻率をどう決めているかを公表していません。 上の式は、当サイトが公開されている表に当てはめて見つけた対応です。
「2.50%刻みで、当てる数と着順で段が上がる」という並び方が、たまたま9種類すべてに合ったという事実だけが確かなものになります。

将来の改定でこの対応が崩れる可能性もあります。 2014年6月7日の改定前は別の値でしたし、当サイトはその値を検証していません。
使い道は「覚えやすい並べ方」であって、予測の道具ではありません。
それでも並べる価値はあります。9つを暗記する代わりに、段数の数え方1つを覚えれば済むからです。券売機の前で「ワイドの払戻率はいくつだったか」と迷ったとき、2頭・着順なしで1段、80.00から2.50を引いて77.50%と出せます。
当サイトが払戻率を全記事で使ってきたのは、何も考えずに買い続けた人の回収率がこの値になるからです(還元率・控除率の記事)。越えるべき水準は、いつもこちら側に置いています。
段が1つ下がると、要求はどれだけ重くなるか
払戻率が下がると、1点買いで回収率100%に乗せるのに必要な上振れが増えます。でたらめとの比 = 1 ÷ 払戻率です。
| 段 | 払戻率 | でたらめとの比 | 前の段との差 |
|---|---|---|---|
| 0 | 80.00% | 1.2500 | ― |
| 1 | 77.50% | 1.2903 | +0.0403 |
| 2 | 75.00% | 1.3333 | +0.0430 |
| 3 | 72.50% | 1.3793 | +0.0460 |
| 4 | 70.00% | 1.4286 | +0.0493 |

端から端で1.4286 ÷ 1.2500 = 1.1429倍(=80.0 ÷ 70.0)です。
右端の列も見てください。下りるほど、1段ぶんの重さが増えています。 +0.0403から+0.0493へ。階段は等間隔ですが、支払う代償は等間隔ではありません。
9券種を1枚に並べる
段数だけでは買えないので、理論平均配当と必要的中率も足します。18頭立てで計算しました。

| 券種 | 段 | 組み合わせ | 理論平均配当 | 1点の必要的中率 |
|---|---|---|---|---|
| 複勝 | 0 | 18 | 4.800倍 | 20.8333% |
| 単勝 | 0 | 18 | 14.400倍 | 6.9444% |
| 枠連 | 1 | 36 | 27.900倍 | 3.5842% |
| ワイド | 1 | 153 | 39.525倍 | 2.5300% |
| 馬連 | 1 | 153 | 118.575倍 | 0.8433% |
| 馬単 | 2 | 306 | 229.500倍 | 0.4357% |
| 3連複 | 2 | 816 | 612.000倍 | 0.1634% |
| 3連単 | 3 | 4,896 | 3,549.600倍 | 0.0282% |
| WIN5 | 4 | 1,889,568 | 1,322,697.600倍 | 0.0000756% |
理論平均配当 = 組み合わせ数 × 払戻率 ÷ 的中枠数(複勝・ワイドは3枠当たるので3で割ります)。
複勝の4.800倍からWIN5の1,322,697.600倍まで、275,562倍の幅があります。あなたが行き来していた単勝と3連単のあいだにも、246.3倍の開きがありました。
階段を下りる本当の代償は、2.50%ではありません
ここで、階段の見え方が変わります。払戻率は1段ごとに2.50%しか下がりません。 数字だけ見ると、下りるのは安く思えます。
ところが組み合わせ数のほうは、段ごとに跳ね上がります(18頭立て)。
| 段 | 代表する券種 | 組み合わせ | 前の段からの倍率 |
|---|---|---|---|
| 0 | 単勝 | 18 | ― |
| 1 | 馬連 | 153 | 8.50倍 |
| 2 | 3連複 | 816 | 5.33倍 |
| 3 | 3連単 | 4,896 | 6.00倍 |
| 4 | WIN5 | 1,889,568 | 385.9倍 |

段0から段3まで下りるだけで、組み合わせは272倍です。払戻率のほうは80.00%から72.50%へ、7.50ポイントしか動いていません。
あなたが階段を1段下りるときに払うのは、2.50%ではありません。 当てる対象が5倍から8倍に増えることのほうです。
払戻率の2.50%は、その難しさに対してJRAが付けた値札のような位置にあります。難しさの増え方と値札の動き方が、まったく違う速さで進んでいます。
同じ段の中では、払戻率で差がつきません
表をもう一度見てください。段1には枠連・ワイド・馬連の3つが同居しています。
| 段1の3券種 | 理論平均配当 | 開き |
|---|---|---|
| 枠連(36通り) | 27.900倍 | ― |
| ワイド | 39.525倍 | 1.42倍 |
| 馬連 | 118.575倍 | 4.25倍 |
払戻率は3つとも77.50%で同じです。差を作っているのは組み合わせ数と的中枠数だけになります。
段2も同じです。馬単229.500倍と3連複612.000倍で2.67倍。段0の複勝4.800倍と単勝14.400倍で3.00倍。
だから券種選びは2段階になります。まず何段目に立つかを決め、次に同じ段のどれを取るか。
では、低い段だけ買えばいいのか
そう読んだ人がいるはずです。その結論にはなりません。
払戻率が高いのは、当てるのが易しいぶん配当も低いからです。複勝1点の必要的中率は20.8333%で、これは5回に1回以上当てないと成立しない水準になります。
当サイトが券種の選び方の記事で出したとおり、回収率 = リフトの「当てる頭数」乗 × 払戻率です。段が低いほど払戻率は高いのですが、リフトが掛かる回数も少ないので、読みの良さが利きにくくなります。
段は「どちらが得か」の順位ではなく、「何を要求されるか」の目盛りです。3年迷っていたのは、そこに順位がなかったからでもあります。
逆に、高い段が不利というわけでもありません。段3の3連単は、でたらめとの比が1.3793で段0より10.3%重い。そのかわり、リフトが3回掛かります。 読みが平均より少し良いだけで、掛け算の効きが大きくなる側です。
あなたがどちらに向いているかは、好みではなく実績で決まります。 単勝で当てた割合と、3連単で当てた割合を、それぞれの必要的中率と比べる。比べられる形にするのが、この表の役目です。
複勝とワイドだけ、読み方が違います
表に注をつけます。複勝とワイドは、1レースで3本まで同時に当たります。
当サイトがボックスの記事で書いたとおり、この2つを「率」で読むと壊れます。必要的中”本数” = 点数 ÷ 平均配当と、単位を本数に読み替えてください。
枠連にも注が要ります。組み合わせ数は 28 + ゾロ目が成立する枠の数で、表の36通りは8枠すべてに2頭以上いる場合の値です(枠連1点の記事)。
WIN5は払戻に上限があるので、理論平均配当の1,322,697.600倍はそのままの意味を持ちません(WIN5の上限の記事)。5レースとも18頭立てと置いた仮の値でもあります。
3年迷っていた理由が、表の上にあります
あなたが単勝と3連単を行き来していたのは、気分が変わったからではありません。
単勝は0段・必要的中率6.9444%。3連単は3段・0.0282%。要求されるものが246.3倍違う2つを、同じ日に並べて考えていました。
決められないのは当然です。比べる目盛りがなかったからです。
いま、目盛りは1本になりました。次にやるのは、自分がどの段に立てるかを決めることです。決め方は簡単で、過去に自分が当てた実績を必要的中率と比べるだけになります。
段を決めれば、買う券種は3つ以下に絞られます。9つから選ぶ必要は、もうありません。
段を決めたあとは、点数でもう一度線が動きます
段を選んでも、それだけでは買えません。同じ券種でも、何点買うかで必要的中率が変わるからです。
必要的中率 = 買い目点数 ÷ 理論平均配当。18頭立ての値で並べます。
| 券種(段) | 1点 | 5点 | 10点 | 30点 |
|---|---|---|---|---|
| 単勝(0) | 6.944% | 34.722% | 69.444% | 208.333% |
| 枠連(1) | 3.584% | 17.921% | 35.842% | 107.527% |
| 馬連(1) | 0.843% | 4.217% | 8.433% | 25.300% |
| 馬単(2) | 0.436% | 2.179% | 4.357% | 13.072% |
| 3連複(2) | 0.163% | 0.817% | 1.634% | 4.902% |
| 3連単(3) | 0.028% | 0.141% | 0.282% | 0.845% |

単勝を10点買うと69.444%です。18頭のうち10頭を買って、そのうち7割で当たりを引く必要があります。30点になると208.333%で、そもそも成立しません(18頭しかいないので30点は買えません)。
一方、3連単は30点でも0.845%。同じ「30点」という言葉が、段によってまったく違う意味になります。
だから順番はこうなります。段を決める → 点数を決める → 必要的中率が確定する。 当サイトが点数の記事で書いてきた手順の、いちばん手前に段が付いた形です。
あなたが3年決められなかったのは、この3段階を1度にやろうとしていたからでもあります。
販売ページの券種指定も、段で読めます
馬券術の販売ページには「この券種で買う」と書かれています。それは段の指定でもあります。
単勝と複勝を使う1,800円のコンピの極意は、0段だけを使う型です。単勝24.6%・回収率111%という販売者側の表示があります(2026年9月時点)。要求は段0の1.2500倍で済みます。
3連単1点の8,800円の3連馬券1点主義は3段。的中率3.4%・回収率316.0%という表示があります(2026年9月時点)。要求される上振れは1.3793倍で、0段より10.3%重い側です。
段が違う教材を、同じ物差しで並べた結果はハブ記事に置いてあります。
自分の段を決める3ステップ


3番目を省かないでください。 段を決めただけでは、同じ段に2つも3つも残ります。
そこから先は組み合わせ数の勝負で、表の右2列を見れば10秒で決まります。
3年かけて決まらなかったことが、表1枚で終わります。足りなかったのは根気ではなく、並べる軸のほうでした。
この記事の計算方法
- 払戻率は、JRA『馬券のルール』の「勝馬投票法ごとの設定払戻率【平成26年6月7日以降】」(2026年9月時点)の表示です。単勝・複勝80.00% / 枠連・馬連・ワイド77.50% / 馬単・3連複75.00% / 3連単72.50% / WIN5 70.00%。
- 🚨 払戻率 = 80.00% − 2.50% × 難度段数、難度段数 = (当てる数 − 1) + (着順を問うなら 1)。WIN5の「当てる数」は5レースです。これは当サイトが公開されている表に当てはめて見つけた対応で、JRAがこの式で払戻率を決めていると公表しているわけではありません。 将来の改定で崩れる可能性があります。
- でたらめとの比 = 1 ÷ 払戻率。80.00%で1.2500、77.50%で1.2903、75.00%で1.3333、72.50%で1.3793、70.00%で1.4286。端から端は 80.0 ÷ 70.0 = 1.1429倍です。
- 理論平均配当 = 組み合わせ数 × 払戻率 ÷ 的中枠数。18頭立てで、複勝4.800 / 単勝14.400 / 枠連27.900 / ワイド39.525 / 馬連118.575 / 馬単229.500 / 3連複612.000 / 3連単3,549.600 / WIN5 1,322,697.600倍。
- 1点の必要的中率 = 1 ÷ 理論平均配当。複勝20.8333% / 単勝6.9444% / 枠連3.5842% / ワイド2.5300% / 馬連0.8433% / 馬単0.4357% / 3連複0.1634% / 3連単0.0282% / WIN5 0.0000756%。
- 複勝とワイドは1レースで3本まで同時に当たるので、率ではなく本数で読みます(必要的中”本数” = 点数 ÷ 平均配当)。
- 枠連の組み合わせ数 = 28 + ゾロ目が成立する枠の数。表の36通りは8枠すべてに2頭以上いる場合です。
- WIN5の組み合わせ数1,889,568は、5レースとも18頭立てと置いた仮の値です。払戻には上限があるため、理論平均配当はそのままの意味を持ちません。
- 券種ごとの実際の当たりやすさは集計していません。 本文の数字はすべて理論値で、どの券種が儲かるかを示すものではありません。
- 控除率は必要的中率の式に重ねて引いていません。 パリミュチュエル方式なので、控除はオッズの中にすでに入っています。
- 販売ページの数値は販売者による表示(2026年9月時点)で、当サイトの計算と書き分けています。当サイトはこれらの商材を購入していません。
まとめ
- JRAが公開している払戻率は5つの値しかありません(80.00 / 77.50 / 75.00 / 72.50 / 70.00%)
- 難度段数 = (当てる数 − 1) + (着順を問うなら 1)。払戻率 = 80.00% − 2.50% × 段数で9券種すべて一致しました
- 馬単(2頭+着順)と3連複(3頭)は同じ2段目。着順を問うのは、当てる数を1つ増やすのと同じ重さに置かれています
- でたらめとの比は 1.2500 → 1.2903 → 1.3333 → 1.3793 → 1.4286。下りるほど1段の代償が増えます
- 理論平均配当は複勝4.800倍からWIN5 1,322,697.600倍まで275,562倍の幅。単勝と3連単だけでも246.3倍
- 同じ段の中では払戻率で差がつきません。 段1は枠連27.900・ワイド39.525・馬連118.575倍で4.25倍ひらきます
- 低い段が得という話ではありません。 段は順位ではなく、要求されるものの目盛りです
- 🚨 この式は当サイトの当てはめで、JRAが公表している決め方ではありません
あなたが次にやることは、自分の実績を必要的中率と比べて、立てる段を1つ選ぶことです。 段が決まれば候補は3つ以下になり、あとは組み合わせ数を見るだけになります。
公営競技はのめり込みすぎると生活に支障が出ることがあります。使う金額と回数はあらかじめ決めてください。ご自身やご家族のことで気になることがあれば、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会(https://scga.jp/)にご相談ください。